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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第10章 練習試合2試合目 船町北VS大阪西蔭 
96/479

第95話 ストレート勝負②

 8番バッターの川本に対して、黒山は鶴田のサイン通り外角低めにストレートを投げようとするも、真ん中よりの甘いコースに向かっていた。


「カキーン!!」


 打球はセンター前ヒットとなった。


(さっきからコントロールが甘くなってるな。でもあと1人だ。なんとか堪えてくれ黒山)


 9番バッターの水島に対して、鶴田はまた外角低めのサインを出すも、今度は大きく外に外れるボール球となった。


(外角は投げづらいのか? ならここならどうだ?)


 鶴田は内角にサインを出すも、今度は内に大きく外れてしまう。


「痛て!」


 球は水島の太ももを直撃した。


「デッドボール!」


(やっぱり思った通りや。星田にデッドボールを出して以降、ストレートしか投げてへん。多分マメでも潰したんやろな。そして頼みのストレートすらコントロールがつかんくなっとる。そして次のバッターは三浦。チーム1の選球眼をもつ三浦なら、甘いコースにきたストレートを捉えるか、しっかり四球を選択できるはずや。これでサヨナラ。うちの勝ちで決まりや)


 鶴田はタイムをとると、さすがに限界がきている黒山を交代させようとしたが、その前に黒山の方から鶴田に話しかけてきた。


「鶴田、お願いがあるんだ」


「ああわかった。今日のお前は大阪西蔭打線相手に11回も無失点に抑えてほんと良くやったよ。黒山、お疲れ様。それじゃあ監督に言って交代してもらおうか」


「いやいや交代しねえよ!」


「えっ? じゃあお願いってなんだよ?」


「次からのサイン、全部ど真ん中に構えてくれ。デッドボールやパスボールだけは避けたいからな」


「それはいいけど、本当に投げられるのか?」


「満塁のピンチにエースがマウンドを譲るなんてありえねえだろ。それに今なら、ワインドアップで本気のストレートが投げられる」


 この日の黒山はまだ、ワインドアップでの投球を1度も披露していなかった。


「もうこうなったら当たって砕けろだ。黒山、後悔のないように全力で投げてくれ」

 

「おう!」


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