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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第10章 練習試合2試合目 船町北VS大阪西蔭 
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第79話 1試合目を終えて

 船町北高校の鈴井監督は、1試合目を終えた選手達を集めて軽いミーティングを行っていた。


「5対0ということで結果だけ見ればボロ負けだが、最後の安達の当たりはほぼ満塁ホームランだったし、実質は5対4だ。ということで、あの超強豪大阪西蔭相手にこんな接戦をできたのはなかなか良かったんじゃないか」


 1点も取れずに終わって監督から怒られるんじゃないかと表情を強張らせていた船町北ナイン達は、監督のその言葉を聞いて表情を緩めた。


「なーんて、言うとでも思ったか!」


 表情を緩めたばかりの船町北ナイン達は、慌ててまた表情を強張らせた。


「正直2番手ピッチャーの百瀬相手に1点も取れないなんてガッカリだよ! 9回の攻撃はなかなか良かったが、それまでは安達のツーベースの除けばノーヒット。白田相手に4点を奪い、最近新しいフォームが定着してきて絶好調の水谷からも点を奪った大阪西蔭打線とは雲泥の差だ。例え最後の安達の打球がホームランになっていた所で、試合の勝敗は変わらなかっただろうな。とにかく今は、実力で劣っていることを素直に認めた上で、どうしたらもっと上を目指せるのか、各々じっくり考えて課題を見つけてこれからの練習に活かしていこう!」


「はい!」


「次の試合ではいよいよ真打の千石が登板する。まあ百瀬すら打ち崩せなかったお前らだから、千石から点を取るのは相当厳しいとは思うが、例え打てなくてもいい経験には必ずなるはずだ。精一杯食らいついていけよ!」


「はい!」


「それじゃあ2試合目が始まるのは13時30分だからその30分前の13時までには昼食を済ませておくように」


「はい!」


 一方その頃、大阪西蔭高校の戸次監督も、1試合目を終えた選手達を集めてミーティングを行っていた。


「1試合目の感想ですが、攻撃も守備もなんとか合格点と言った所でしょうか。5得点というのは少々物足りない感じもしますが、船町北高校の投手力は全国でもトップクラスです。あの投手2人の継投からというのを考慮すればまずまずでしょう。そして守備ですが、結果だけ見れば無失点ですけど、9回は危なかったですね。百瀬君、そして川本君、スリリングな試合展開を演出するのもいいですが、これからはもう少し心臓に優しい投球をお願いしますね」


「はい!」


「それと最後に、2試合目では千石を7回まで先発させて、8回からは万場兄弟に投げさせます。誰か3人に伝えておいてくださいね。それじゃあ2試合目は13時30分からですので早めに昼食を摂って試合に備えておいてください」


「はい!」


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