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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第9章 練習試合1試合目 船町北VS大阪西蔭 
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第67話 白田の課題⑥

 その後白田は、曲がり過ぎるスライダー、普通のスライダーとシュート、新フォークの4つの球を駆使した投球で4番バッターの星田を三振にするも、5番の佐々木に対して初球に投げたワンバンの曲がり過ぎるスライダーを鶴田が止めきれずに後逸してしまい、2アウトながらランナー2、3塁とピンチを広げてしまう。


(案の定やっちまったな。でも1球見せられたのは大きい。これで嫌でも曲がり過ぎるスライダーの印象が残ったはず。こうなればもうこっちのもんだ)


 鶴田の予想通り、2球目3球目と連続して普通のスライダーを投じるも佐々木は曲がり過ぎるスライダーを意識するあまり打ちにいけず2ストライク1ボールと追い込まれた。


(落ち着け落ち着け。3塁にランナーがいる以上逸らす可能性の高いあのスライダーは多分投げてけえへん。ここはストライクゾーンにきたフォークボール1本に絞って他の球は全部カットや)


 4球目、白田の投じた球は外角よりのコースに向かっていく。


(スライダーでもシュートでもない。ストレートほどスピードもない。この感じはフォークや!)


 佐々木がそう確信し打ちにいくも、球は落ちずにただほんの少しだけ外角よりに変化するだけだった。


「ストライク! バッターアウト! チェンジ!」


(ほとんど曲がらないシュート。使い道がないと思っていたこの球がまさか役に立つ時がくるとは)


 白田は大阪西蔭打線との対戦をきっかけに、今後新たなに取り組むべき課題がハッキリとした。


(まずは今日身につけた新しいフォーク。まだ覚えたてだししっかり復習しておかないと。そして曲がり過ぎるスライダー。あれを完全にコントロールできるようにするのは正直厳しいけど、せめてワイルドピッチやデッドボールを出さない程度には修正していかないとな。それができればかなり強力な武器になるぞ。曲がらないシュートも使い方次第では役に立つことがわかった。今まで使ってきたスライダーとシュートもコントロールや球のキレ、まだまだ改善できる余地はある。あー早く千葉に帰って練習したいなー。おっとその前に、今はバッターとして百瀬を打ち崩す作戦を考えないとな)


      123456789

 船町北  0000

 大阪西蔭 4000

 

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