第58話 百瀬剛三①
船町北VS大阪西蔭。練習試合の1試合目が今始まろうとしていた。
船町北高校スターティングメンバー
1 星 (中)
2 白田(投)
3 水谷(左)
4 安達(一)
5 黒山(右)
6 福山(三)
7 新垣(二)
8 尾崎(遊)
9 鶴田(捕)
大阪西蔭高校スターティングメンバー
1 三浦(中)
2 田所(二)
3 山本(三)
4 星田(右)
5 佐々木(左)
6 遠藤(一)
7 川本(捕)
8 水島(遊)
9 百瀬(投)
「予定通り1試合目は白田を4回まで、5回からは水谷に投げてもらうからな。大阪西蔭打線はホームランこそ少ないがチームの平均打率が5割を超える隙のない打線だ。この打線を抑えるのは龍谷打線を抑える以上に難しいかもしれないな。白田、水谷、この打線相手にどこまで抑えられるのか期待しているぞ。そして相手ピッチャーは百瀬が先発してくる。2番手ピッチャーの百瀬相手に点を奪えないようじゃエースの千石から点を奪うなんて夢のまた夢だからな。最低でも3点以上は取ってもらわないと。それじゃあみんな、この貴重な機会を無駄にしないように精一杯プレーしてくれ!」
「はい!」
1回の表。1番バッターの星は去年の夏、甲子園準々決勝の大阪西蔭VS龍谷千葉戦をテレビで観戦していた時のことを思い出していた。
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先輩の投手陣があれだけ打ち込まれた龍谷打線相手に、大阪西蔭のエース千石聖人が先頭打者以降1人のランナーも許さない圧巻的な投球を披露していて、星はそのあまりの凄さにただただ脱帽していた。ところが、6回に入ってから突如コントロールが乱れフォアボールを2人続けて出したところで千石はマウンドを降りた。この時点でスコアが9対1だったこともあり、当時の星は千石が肩を痛めていたとは思いもせず、千石を休ませるための戦略的な降板だと勘違いしていた。そしてその時、千石に代わって登板したのが百瀬剛三だった。
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