表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第34章 夏の甲子園3回戦 船町北VS大阪西蔭
461/479

第452話 カット隊の功罪

 野口の放った打球はキレイなセンター前ヒットとなり、船町北はさらに1点を追加した。


      123456789 

 大阪西蔭 000123123 

 船町北  000200007


 9回裏が始まった時点で10点差あった点差がとうとう3点差にまで縮まり、ホームランが出れば同点という状況まで追い込まれてしまった大阪西蔭。しかもここで迎えるは、この日2本のホームランを放っている絶好調の安達弾というおまけ付きだった。この状況には、さすがの戸次監督も焦りまくっていた。


(佐藤を投入しても船町北打線を止められんとは完全に想定外や。本来ならまたピッチャーを交代したいとこやけど、もうベンチには控えキャチャーが1人しか残っとらん。去年まではピッチャー枠を4人確保していたが、今年はカット隊を6人入れたせいで枠が3人になったことがここにきて裏目に出てもうたか)


 キャッチャーの早乙女は、たまらずタイムを取るとマウンドに向かった。


「おい佐藤、なんやねん今の球は」


「ちゃんと構えたとこにいってなかったか?」


「そうやなくて、あの置きにいった球はなんやと言ってんねん」


「置きにいく? 別にそんなつもりは……ただ最初に打たれたヒットの時みたいに高めに浮かないように気を付けてただけで」


「それがあかんねん! あの対戦は実質お前が勝っとった。ちゃんと腕を振り切って投げた力のあるストレートやったおかげで、完全に詰まらせてた。でも今打たれたあの球はあかんわ。あんな中途半端な投球で打たれたら、後悔しか残らへんで!」


「後悔しか残らない……」


「次の対戦はホームランをすでに2本も打ってる絶好調の安達や。そんな安達に対してまたあんな置きにいったストレート投げたら100パー打たれるで」


「わかった。後悔が残らないように全力で投げ切るよ」


「そうや、その意気や!」


 早乙女の言葉で、なんとかモチベーションを取り戻した佐藤。しかし、安達との対戦に限って言えば、この早乙女のアドバイスは間違いだったのかもしれない。なぜなら、安達は例えどんなに置きにいったストレートだろうが、低めのコースに決まってさえしまえば絶対に打てないのだから。


---------------------------------------------------------------


小説の続きが気になるという方は、ブックマークや

下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をいただけたら嬉しいです。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ