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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第34章 夏の甲子園3回戦 船町北VS大阪西蔭
457/479

第448話 4人連続

(全く、兄弟揃って何やっとるんや)


 初球からいきなりデッドボールを出す万場兄に呆れる戸次監督。


(まっ、攻めた結果や。しゃあないしゃあない)


 そう自分に言い聞かせながら気持ちを切り替えようとする万場兄だったが…。


「カキーン!!」


 続く5番の左バッター石川にも出塁を許してしまう。


(この兄弟、右対右、左対左にはめっぽう強い反面、右対左、左対右になった途端急に弱気になって、球威も球のキレも明らかに落ちてまうんよなあ)


 万場兄弟の球を長く受けてきたキャッチャー早乙女は、この万場兄弟の弱点をひしひしと感じていた。


(せやけど、こっからがうちの万場兄弟の本領発揮や。なぜなら、ここからの相手打線は6番から9番までずーと右バッターが続くからや)


 そのことは当然、万場兄も把握していた。


(ノーアウト1、2塁とピンチが続くが、こっからは4人連続で右バッター。しかも下位打線。デッドボールだけは気を付けて、さっさと終わらすで)


 しかし、このバッテリーの思惑通りに試合は進まなかった。なんと鈴井監督は、ここから6番佐々木、7番村田、8番西郷に3人連続で左バッターの代打を出した。その結果、3人の内2人は共に内野フライを打ち上げてアウトになってしまったものの、もう1人が粘りに粘ってフォアボールを選び、2アウトながら満塁のチャンスを作った。


(小癪な真似を。だがあと1人でゲームセットや)


(このバッターで終わらすで)


 万場兄、早乙女バッテリーは満塁のピンチにも動じずに勝負を迎えようとしていた。しかし、またしてもこのバッテリーの思惑通りに試合は進まなかった。なんと鈴井監督は、9番の吉田にまで左の代打を出したのだった。


(吉田に代打を出してしまえば、もううちにピッチャーは残っていない。延長戦になれば確実に負ける。だから絶対にこの回で逆転するぞ!)


 この捨て身の4人連続代打攻勢が、もう後がない船町北を延命させることとなる。


「カキーン!!!」


 打球は右中間を破る走者一掃のタイムリーツーベースヒットとなり、船町北は3点を追加した。


      123456789 

 大阪西蔭 000123123 

 船町北  000200006


 9回裏が始まった時点では10点という絶望的だった点差が4点にまで縮まり、船町北の大逆転劇が現実味を帯びてくる中、打線は1巡して1番バッターの星へと回ってきた。 


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