表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第32章 夏の甲子園1回戦 船町北VS秋田腕金
424/479

第415話 決着

「ストライク! バッターアウト!」


『こんな遅い球なら何度でもくらいついてやる』


 そう意気込んでいた菊池だったが、皮肉にも菊池はその次の1球で空振りの三振に倒れてしまった。それも、遅いストレートよりもさらに遅いただのスローボールによって。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 菊池が3球目のストレートをファールしたのを見て、キャッチャーの西郷は気が付いた。


(このバッター、比嘉の遅いストレートに早くも対応してきたばい。しかも、明らかなホームラン狙いのフルスイングで……このまま真っ向勝負するのは危険たい。かと言って、先頭のバッターを歩かせるのも嫌たい。うーん……ここはあのボールに頼るしかないたい)


 4球目。西郷が比嘉に出したサインは、公式戦ではまだたったの1度だけ、甲子園予選の決勝で三街道高校の4番バッター角田相手にしか投げたことのないスローボールだった。遅いストレートか普通のストレートかの2択しか頭になかった菊池が、突然投げられたスローボールに対応できるはずもなく、菊池が慌てて振ったバットは無常にも空を切った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『この試合、なんとか同点に追いつくためには俺が打つしかない!』


 ついさっきまで自分に言い聞かせていた菊池のその言葉は、無情にも現実となった。


      123456789 計

 船町北  000001000 1

 秋田腕金 000000000 0

 

 古田は9回までを投げ終えこの試合の奪三振数が23個となり、今までの甲子園歴代記録だった22個を更新するなど最後まで球場を沸かせ続けた。


 しかし、菊池の分析通り川合の異常にキレが悪い落ちるストレートに目を慣らされた秋田腕金打線にとって、余計キレが増してみる比嘉の2種類のストレートを攻略するのは困難だった。結局最後まで1人も出塁すらできないまま、比嘉と川合の継投による完全試合達成という形でこの試合は幕を閉じた。


---------------------------------------------------------------


小説の続きが気になるという方は、ブックマークや

下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ