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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第7章 春季大会準々決勝 船町北VS龍谷千葉
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第41話 船町北VS龍谷千葉⑬

 5回の裏2アウト。1番バッター清村兄を打席に迎えた所で、船町北の外野陣は前進守備の配置についた。


(俺のこと、長打がないって思われてるみたいだな。まあ実際そうだけど、前進守備の外野の頭の上を抜くくらいの当たりなら打てるぜ)


 初球。やや外角よりの甘いコースに入ったスライダーを、清村兄はフルスイングで捉えた。


「カキーン!!」


 (抜ける! スリーベース、あばよくばランニングホームランだ)


 打球はセンター方向にまっすぐ伸びていき、外野の深い位置で落ちそうになったところをセンター星がギリギリキャッチした。


(なぜあの位置に外野手がいるんだ?)


 困惑しながらベンチに戻ってくる清村兄に、森崎監督が事の真相を伝えた。


「聡一! まんまと相手の作戦に引っかかったな」


「作戦?」


「お前外野の守備位置を見て外野の頭を越す打球を打とうと考えたんだろ? だけど相手の外野陣はピッチャーが投球を始めた瞬間、急いで元の守備位置に戻っていたんだ。初球に甘いコースの球がきたのも、恐らく作戦のうち。初球を見逃されたあとすぐに外野の守備位置を確認されたらこの作戦は簡単にバレてしまうからな」


「くそ! 小賢しい真似しやがって!」


「まっ、長打は狙わなくていいっていう俺の作戦を無視した罰が当たったみたいだな。これに懲りてこれからは俺の作戦をちゃんと守……」


「あっ、守備の準備しないとなー」


「おい聡一!」


(この野郎、全然反省していないようだな。まっ、これぐらいのことで反省するタマじゃないか。それにしても、わざわざ2アウトからあれだけリスキーな作戦を使ってまで聡一を抑えにいくとはよっぽど警戒されているみたいだな。ある意味うちの打線の中で一番脅威に思われているバッターなのかもしれない。くそー、やっぱりムカつく奴だ)


 一方その頃、船町北ベンチでは。


「おい鶴田! 今の作戦考えたのお前か!」


「はい! いやーうまくいって良かったです」


「バカ野郎! あんなの結果オーライだ。一歩間違えたらランニングホームラン食らってたぞ。2アウトなんだからもうちょっと状況を考えろよ!」


「はい、すみません」


      123456789

  船町北 01020

 龍谷千葉 10210


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[気になる点] (俺のこと、長打がないって思われてるみたいだな。まあ実際そうだけど、全身守備の外野の頭の上を抜くくらいの当たりなら打てるぜ) ↑ 全身じゃなくて前進です [一言] おもろ
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