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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第32章 夏の甲子園1回戦 船町北VS秋田腕金
408/479

第399話 想定外の活躍②

 あっさりと三振に倒れた川合を見て、菊池は拍子抜けしていた。


(なんだ。色々警戒しちまったが、結局ただのブンブン丸だったか)


 続く8番バッター西郷は、今までのバッターと同様に、打席の後ろギリギリまで下がってバットを短く持って内角ギリギリに立つスタイルで打席に上がった。そして……。


「ストライク! バッターアウト!」


 それでもあっさりと空振りの三振に打ち取られた。


(このまま2巡目もあっさりパーフェクトで抑えられそうだな。結局このチームのバッティングに関しては、足の速さを除けば安達以外大したことなさそうだな)


 菊池がそんなことを考えている中、続く打席に立った9番の比嘉は、さっきの川合と同様立ち位置もバットの持ち方もいつも通りで打席に上がった。そして……。


「ブン!」


「ストライク!」


 初球を豪快に空振りする比嘉を見て、菊池も古田も同じようなことを感じていた。


(さっきの川合と同様)


(ただのブンブン丸だな)


 しかし、続く2球目のことだった。


「カキーン!!!」


(えっ!)


(マジか!)


(当たっちゃった!)


 キャッチャーの菊池も、投げた古田も、そして打った比嘉本人ですらも、予想だにしなかった大きな当たりがライト方向へと飛んでいく。


「おい比嘉! 早く走れ!」


 あまりにびっくりして走ることを忘れていた比嘉は、ベンチからの声を聞いて慌てて全力疾走を始めた。しかし、結論から先に言うとこの全力疾走は無駄に終わった。なぜなら、比嘉の打球はライトを守る菅田の頭上を越えライトスタンドに突き刺さるホームランになったからだ。


      123456789 

 船町北  000001

 秋田腕金 00000


 超満員のスタンドから悲鳴のような歓声が鳴り響く中、ホームを回ってベンチに戻ってきた比嘉をチームメイト達が大喜びで迎え入れる。その様子とは対照的に、まさかの先制点を入れられた秋田腕金ナイン達は一気に顔を曇らせた。ホームランを打たれた当の本人である古田を除いて……。


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