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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第7章 春季大会準々決勝 船町北VS龍谷千葉
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第39話 船町北VS龍谷千葉⑪

 鶴田はタイムをかけると、水谷に謝った。


「悪い。完全に俺のリードミスだ」


「あの打たれ方からすると、事前にオーバースローのストレートを知られていたっぽいな。まあしょうがない。ランナーがたまってない時に打たれてラッキーくらいに思っておこう」


「これからのリードについてだけど……」


「うん。あれを使っていこう」


 5番バッターの田中に対して、水谷はまたオーバースローからの投球を始めた。


(さっきホームラン打たれたばかりでもう投げてこないかと思ったけど、これはラッキーだな。総次郎に続いて俺もホームランいただきますか)


 田中はフルスイングで水谷の球を打ちにいったが、球はバットから逃げるように落ちていった。


「ストライク!」


(何! ストレートだけじゃなかったのかよ! 今のは恐らくチェンジアップか。気を付けねえとな)


 2球目。左バッターの田中の手に当たりそうな軌道から曲がりながら落ちていく内角低めのシンカーで見逃しストライク。


(やっべ、もう追い込まれた。しょうがない。ホームランは諦めるか)


 田中はバットを短く持ち直した。


 3球目。外角に逃げていくシュート。打ちにいきそうになるもギリギリ踏みとどまりボール。


 4球目。外角低めギリギリのコースにカーブ。この球を田中はカットでさばいた。


 5球目。今度は内角ギリギリをえぐりにいくスライダー。この球も田中はカットした。


 そして6球目。水谷はオーバースローから球を投じた。


(遅い。これはチェンジアップだな。この軌道だと下に外れる)


 しかし、球は田中の予想ほど落ちず、低めいっぱいのストライクゾーンを通過した。


「ストライク! バッターアウト!」


(最初のチェンジアップに比べて変化が小さかった。もしかしてこいつ、2種類のチェンジアップを使い分けられるのか?)


 6番バッターの斎藤は、3球目にきたオーバースローからのストレートを狙うも、下を叩いて打ち上げてしまいライトフライに終わった。


(くそ! チェンジアップが一瞬頭によぎって反応が遅れた)


 続く7番バッターの片岡も、追い込まれたあとにきたオーバースローからのチェンジアップを引っかけてピッチャーゴロに終わった。


(2球目に見たチェンジアップはスローボールに近いものだった。なのに最後のチェンジアップは落ちてきた。やっぱり違う球種なのか?)


      123456789

  船町北 0102

 龍谷千葉 1021


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