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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第30章 もうすぐ夏の甲子園開幕
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第364話 運命の抽選会①

 鈴井監督の粘りの交渉によって、船町北高校野球部の来年分の特待生枠は、夏の甲子園の結果次第で最大6人まで増やせることになった。ただし、1回戦で負けてしまうと特待生枠が廃止されてしまうというリスクも背負っているため、鈴井監督は内心気が気でなかった。


(理事長と交渉していた時は、なぜか1回戦くらい余裕で勝ち上がれると強気になっていたが、よくよく考えるとそんなはずがない。相手は全国の予選を勝ち上がってきた強敵ばかり。しかもうちのチームは、初めての甲子園出場で経験が全くない。魔物が住んでいると言われるあの甲子園独特の空気に飲まれ、実力を出し切れないまま終わってしまうなんてことも十分に考えられる。あー心配だ)


 そんな心配を少しでも払拭するべく、練習の指導に一層力を入れる鈴井監督。


(取り合えず特待生枠の話は、選手達には言わないでおこう。下手に伝えてしまうと、ただでさえ初の甲子園で緊張している選手達に、余計なプレッシャーを与えてしまいかねないからな)


 

 2017年8月4日。夏の甲子園開幕まであと3日と迫ったこの日、現地での練習を終えた船町北高校野球部員達が宿舎へと戻る中、鈴井監督とキャプテンの星はこの日行われる組み合わせ抽選会の会場へと向かっていた。


「いいか星。甲子園に出場するようなチームはどこも強敵だが、中でも別格なのが大阪西蔭高校だ。千石や百瀬が引退した後も、双子のダブルエース万場兄弟がいて守りが盤石なことはもちろん、打線の方も去年にも増して強力になっている。評論家達もこぞって、大阪西蔭を優勝候補に挙げているくらいだ。もはや今の高校野球界は、大阪西蔭高校1強時代と言っても過言ではないだろう。だから星、くれぐれも大阪西蔭とだけは当たらないように気を付けるんだぞ」


「俺は甲子園出場がかかった三街道のとの大事な決勝戦で、ほとんど活躍できませんでした。同点に追いつけたのも、そして決勝点を挙げたのも、全部安達のおかげ。俺はキャプテンだってのに、本当に情けなかった。だからその分、今日の抽選会には気合が入ってます。あの日活躍できなかった悔しさを、この抽選会で晴らして見せますよ」


(いやいや、プレーで晴らせよ)


 そんなツッコミを心の中で鈴井監督に入れられながらも、星は他の48チームのキャプテン達と共に抽選のため壇上へと上がっていった。


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