表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第28章 夏の甲子園千葉大会決勝 船町北VS三街道
348/479

第340話 浮き上がるストレート?

 5回表。この回の先頭6番佐々木が、細田兄のストレートを初球から積極的に打ちにいった。


「カーン!」


 結果はサード方向へのゴロ。しかし、これが絶妙なボテボテ具合でサードの処理が一瞬遅れる。その間に俊足を飛ばす佐々木。


「セーフ!」


 ノーアウトの貴重なランナーが出て、4回に続く得点に期待が膨らむ船町北だったが……。


「ストライク! バッターアウト!」


「カーン!」


「アウト!」


「ストライク! バッターアウト! チェンジ」


 2つの三振とスクイズ失敗で、せっかくのチャンスを潰してしまう。


     123456789

 船町北 00010

 三街道 0100


 こんな三街道にとってはピンチを切り抜けた後の良い流れで、逆に船町北にとっては嫌な流れで迎えた5回裏。


「ボールフォア!」


 ピッチャー川合がいきなり9番細田兄にフォアボールを与えてしまい、ますます三街道に流れが傾きそうなそんな状況を、ここから再びマウンドに上がった比嘉が一変させる。


「ストライク!」


(なるほど。これが浮き上がってくるストレートか。確かに、少なく見積もってもボール7個分は浮き上がって見えるな)


 1番バッターの佐藤はこんなことを考えながら、電光掲示板に映し出された球速を確認した。


(137キロ? 確か浮き上がるストレートは、球速が120キロ程度だったはず。てことは、今の球は最初の打席で見た普通のストレートってことか? でもそれにしてはキレが良すぎる。たまたま調子が良かっただけなのか?)


 佐藤が混乱している間に、比嘉は2球目を投げる。


「ストライク!」


(球速は136キロ。これだけ見れば最初に見たストレートと同じだが、やっぱり浮き上がり具合が増している。てことはつまり、今まで遅い球速でしか投げていなかった浮き上がるストレートを、この回からは普通のストレートと同じ球速まで上げて投げ始めたってことか)


 佐藤の中でそのような結論が出てスッキリしたところで、比嘉が3球目を投げる。


(この感じだと、外角の真ん中くらいの高さまで浮き上がってきそうだ。そこにバットを出せば、当たる!)


 しかし、佐藤が出したバットのさらに上を、比嘉のストレートが通過していった。


「ストライク! バッターアウト!」


(はぁ? 何だ今のストレートは。ボール7,8個分上をめがけてバットを出したっていうのに、さらにその上を超えていきやがった)


 佐藤は茫然としながら電光掲示板の球速をチェックすると、そこには122キロとの表示が。


(てことは、今のが本当の浮き上がるストレートなのか?)


---------------------------------------------------------------


小説の続きが気になるという方は、ブックマークや

下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をいただけたら嬉しいです。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ