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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第28章 夏の甲子園千葉大会決勝 船町北VS三街道
338/479

第330話 絶好のチャンス①

(かすりもしなかったか。あの以上な浮き上がり方は、初球に見たストレートに似ているな。ボール5個分どころか、7、8個分は浮いているように見えた。てことはつまり、こいつは2種類のストレートを投げ分けてるってことか?)


「ストライク! バッターアウト!」


「ストライク! バッタ―アウト! チェンジ!」


     123456789

 船町北 00

 三街道 01


 2回裏を虹村に続いて冴島、細田弟と三者連続三振で抑えられたのと引き換えに、三街道高校は比嘉のピッチングに関するこれだけの情報を得ることに成功した。


 今まで比嘉が投げていたストレートは、ボール5個分くらい浮き上がってくるように見えるストレートで、実際のスピードは130キロ台中盤から後半程にもかかわらず、体感では150キロ以上にも感じられるほどの驚異的なストレート。そしてこの回から新たに投げ始めたもう1つのストレートは、ボール7、8個分くらい浮き上がってくるように見えるストレートで、実際のスピードは120キロ前後にもかかわらず、体感では140キロ以上に感じるというこれまた厄介なストレート。


 3回表。細田兄に船町北の下位打線はあっさりと抑えられた。


     123456789

 船町北 000

 三街道 01


 こうして迎えた3回裏。新たに得た比嘉の情報をチーム内で共有した三街道打線は、この回さらに追加点を取るつもりで臨んだ。しかし結果から言うと、8番森、9番細田兄と比嘉のストレートに触れることすらできないまま2アウトまで追い込まれていた。


(データ上ではわかっていても)


(あんなストレート、打てる気がしねえ)


 これには三街道の大泉監督も、動揺を隠せなかった。


(まあ2人は下位打線ですし、初打席で打てないのは仕方がないにしても、データがこれだけ揃った状態でバットにすら触れられないとは。比嘉君の実力は想像以上でした。角田君の1発のおかげでリードこそできていますが、向こうにも安達君がいますからね。うかうかしてはいられませんよ)


 とここで、船町北の鈴井監督はタイムを取り、選手の交代を告げた。ピッチャー比嘉に代わって川合、ライト山田に代わって比嘉、レフト滝沢に代わって山田という、船町北高校が比嘉を先発させる試合ではお馴染みの交代なのだが、これを見た大泉監督は小さくガッツポーズをした。


(よしっ! ノーコンの川合君が出てきてくれました。球の見極めが得意なうちの選手達ならきっと、しっかりボール球を見極めてきっちり出塁してくれるはず。比嘉君がライトにいって川合君が投げている間は、うちにとって大量得点の絶好のチャンスですよ)


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