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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第7章 春季大会準々決勝 船町北VS龍谷千葉
32/479

第31話 船町北VS龍谷千葉③

 2回の表。船町北の攻撃。4番の安達が右打席に入る。


 初球は真ん中高めのスローボール。見逃しストライク。

 2球目は外角低めのスローカーブ。見逃しストライク。

 そして3球目は内角高めのストレート。これはバットがボールの下をぎりぎりかすめファールとなった。


(初見の山田先輩のストレート、しかも遅い球を2球続けたあとなのにいきなり当ててきたか。やっぱりこいつ要注意だな)


 キャチャーの清村弟は、安達への警戒を一層強めた。


 4球目は内角高めにボール2つ分外れたスローボ―ル。

 5球目は外角低めにボール1つ分外れたスローカーブ。

 6球目は内角ぎりぎりにボール1つ分外れたスローカーブ。


(3球続けて楽々見送ってきたな。完全にボールが見極められている。でも遅い球を3球続けて見せることはできた。今度こそストレートで三振を取るぞ)


 7球目。外角高めへのストレート。安達はその球を今度は完璧に捉えた。


「カキーン!!!!」


 打球はぐんぐんと伸びていき、ライトスタンド中段へ突き刺さった。


(3球目に1回見せだけなのにもう山田先輩のストレートを攻略された。しかもホームランで……1本先を越されたか。畜生、残りの打席全部ホームラン打ってすぐに逆転してやる。おっと、今は個人的な勝負はおいといて試合に集中しよう)


 安達のホームランで試合はすぐに振り出しに戻った。この勢いでここから畳みかけてやろうというチームの気運は高まったが、なかなか山田を打ち崩すことができない。


 5番黒山はスローカーブを引っかけてピッチャーゴロ。6番福山はスローボールをヒットにするも、7番新垣の二遊間に抜けそうな当たりをまたもやショート清村兄のファインプレーに阻まれダブルプレーにされてしまい、この回は1点止まりで攻撃が終わってしまった。


 2回の裏。この回は、鶴田と白田のスライダーとシュートを見せ球に使っていくという作戦がうまく当たり、5番田中、6番斎藤を2者連続三振に仕留めることに成功していた。しかし、ここで森崎監督が選手達に作戦の変更を伝える。


「スライダーかシュートを狙っていく作戦だが、どうもなかなかストライクゾーンに投げてこないな。今度はストレート狙いに変更するぞ」


 そして、7番の片岡が左打席に入る。


 初球は外角へ外れるスライダー。見逃しストライク。

 そして2球目に投げたのが、内角の厳しいコースへのストレート。片岡は待ってましたと言わんばかりにフルスイングで打ちにいった。


「カキーン!!」


 大きな飛球となったその球は、長打を警戒して深めに守っていたレフトの水谷がフェンスギリギリのところでキャッチ。船町北はなんとかこの回を無失点で切り抜けた。


      123456789

 船町北  01

 龍谷千葉 10


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