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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第27章 夏の甲子園千葉大会準決勝 龍谷千葉VS三街道
312/479

第304話 山田の進化①

 1回表を無失点で抑えた三街道の細田兄弟。そして迎えた1回裏。


「龍谷の先発は山田か」


「エース番号を付けてるってことは、前までエースだった村沢以上に急成長したってことだよな?」


「いや、そうとも限らないぞ。村沢は去年の夏の甲子園以来、今一調子が出ていないようだったからな。消去法で経験のある3年生の山田がエースになっただけかも」


「まあ実際負けた訳だし、その可能性の方が高いな」


 船町北の選手達がそうこう話している内に、投球練習を終えた山田が1番バッターに投球を始めた。スローボールとスローカーブを交互に投げる投球で、カウントは2ストライク2ボールとなった。


「あの球、簡単に打てそうなのに以外と前に飛ばせてませんね」


「山なりのあんな遅い球を打つ練習なんて普通はしないからな。実際に打席に立つとわかるが、意外と打つのに苦労するぞ」


「カーン!」


「アウト!」


 三街道の1番バッターが、スローカーブを叩きつけて内野ゴロに打ち取られた。


「あれ? 今のスローカーブ、横の変化がほとんどなかったように見えましたけど。スローボールだったのかな?」


「いや、スローボールに比べると落ち方が急だったし、今のも恐らくスローカーブだろう」


「投げ損じかな?」


 続く2番バッターに対して、今度は3球続けてスローカーブを投げる山田。しかし、その変化は3球とも微妙に違っていた。


「初球は横の変化が大きかった」


「2球目はほとんど横に変化しない縦に落ちるタイプのスローカーブ」


「そして3球目は初球と2球目の中間くらい。これを打ち上げて内野フライでアウトか」


「同じスローカーブでも、微妙に投げ方を変えてるみたいだな」


「山田の奴、前よりも進化してやがる」


「これはますます打つのに苦労しそうだな」


 しかし、そんな進化した山田のスローカーブを、三街道の3番バッターはうまくすくい上げてレフト前ヒットにした。


「三街道のバッター、普通にレベル高いな」


「あれでまだ1年とか信じられねえな」


「そしてここで迎えるは4番の角田か」


「三街道の打線で細田兄以外では唯一の3年生。そして現在ホームランを今大会トップ清村弟の8本に次ぐ7本を打っている典型的なホームランバッター。三街道のチームホームラン数が12本だから、1人でチームの半分以上のホームランを打っていることになるな」


「いきなり正念場だな。果たして山田は角田相手にどう勝負するか?」


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