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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第26章 夏の甲子園千葉大会準決勝 船町北VS千葉修道
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第282話 初球 

 絶対王者の龍谷千葉がまさかの敗北を喫し異様な雰囲気が残る球場にて、夏の甲子園千葉大会準決勝2試合目、船町北VS千葉修道が行われようとしていた。


 船町北高校スターティングメンバー


 1 星(中)

 2 野口(二)

 3 安達(一)

 4 山田(右)

 5 石川(三)

 6 佐々木(遊)

 7 滝沢(左)

 8 西郷(捕)

 9 吉田(投)


 千葉修道スターティングメンバー


 1 野宮(中)

 2 越智(右)

 3 立花(二)

 4 真山(一)

 5 石塚(左)

 6 滝村(三)

 7 野島(遊)

 8 小林(捕)

 9 中原(投)


 試合開始直前、船町北高校のオーダーを見た伊藤監督は、すでに勝利をほぼ確信しながら上機嫌でミーティングを行っていた。


「てっきり相手の先発は比嘉でくると思っていたが、幸いにも吉田が先発してくれるようだ。吉田は前回の対戦で、うちが滅多打ちにしてやったお得意様だ。今日も容赦なく徹底的に打ちまくれ。目標は10点差以上引き離しての5回コールド勝ちだ。中原には明日の決勝でも投げてもらう予定からな。明日に向けて中原の肩を守るためにも、早めに大量得点を奪って控え投手に交代できるくらいの余裕がもてる試合展開にしてほしい」


「はい!」


「先頭バッターは野宮か。初球でも甘い球がきたらフルスイングで振っていけよ。幸先よく先頭打者ホームランでも打ってチームに勢いをつけてくれ」


「はい!」


 1回表。千葉修道の攻撃。伊藤監督に言われた通り、初球から打つ気満々で打席に上がる1番バッターの野宮。そんな野宮に対して、キャッチャーの西郷はストレートのサインを出す。


(投球練習の感じだと今日の吉田先輩、かなり緊張してるっぽいたい。昨日は武者震いとか言って強がってたばってん、やっぱり吉田先輩、春季大会でのトラウマがまだ残ってるっぽいたい。でも大丈夫。制球は今一つばってん、ストレートのキレ自体は悪くないたい。よほど甘いコースにでもいかない限り、大きい当たりは打たれないはずたい)


 吉田は西郷のサインにゆっくり頷くと、西郷は外角低めにミットを構えた。吉田は大きく振りかぶると、比嘉のミット目掛けて球を投じる。しかし、吉田の指先から放たれた球は、外角低めに構えた西郷のミットよりも中よりの高め、丁度打ち頃のコースへと向かっていた。


(来た来たキター!)


 野宮は待ってましたと言わんばかりにフルスイングする。


「カーン!!!」


 ボールの下を叩いて高く高く舞い上がった野宮の打球は、ショート佐々木が定位置でキャッチした。


「アウト!」


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