第26話 春季大会3回戦②
5回から投げ始めた白田は、右サイドスローからのスライダーとシュートで横に揺さぶる得意の投球術で下位打線を2者連続三振に抑えるも、1、2番にはしつこくカットで粘られて連続四球を出してしまう。そして3番バッターはうまく打ち取ったと思った当たりが一塁を守っていた安達のちょっとした判断ミスでポテンヒットとなってしまい、いきなりツーアウト満塁のピンチを迎える。しかもバッターはまたもや4番の真山。
(水谷の勢いに乗っかって俺も抑えてやるぞって思ってた矢先にこのピンチかよ。しょうがない。俺も龍谷戦まで取っておこうと思ってたアレを解禁するか)
白田はキャッチャーの鶴田に合図を出した。
(白田、お前もか。まあこのピンチじゃ出し惜しみしてられないな)
白田が投げた初球は、ど真ん中に向かっていく。
(よし、甘い球)
真山がそう思ってフルスイングしたバットを避けるように球は沈んでいった。
(クソ、フォークボールか。厄介な球だがいきなりオーバースローで投げてくるとかよりはまだましか)
続く2球目は外角からボールゾーンに逃げていくスライダー。見逃しボール。
そして3球目は内角に食い込むシュート。真山はゴロを打たされてアウト。
(クソ! 打てる球だったのに一瞬あのフォークボールが頭によぎって反応が遅れた)
横の揺さぶりに加えてフォークという縦の変化が加わったまさに縦横無尽な投球術で、白田はその後も千葉修道打線に付け入るスキを与えず、8回までを無失点に抑えた。
一方打線の方はというと、安達のホームラン1本を含む3安打4打点の活躍と黒山のソロホームランで5点を奪っていた。
そして9回表。
(水谷も白田も無失点か。俺も負けてらんねえな)
水谷と白田の投球に触発された黒山は、一昨日に1人で10回を投げ切った疲れを全く感じさせない圧倒的な投球で3者連続三振に打ち取り試合を締めくくった。
千葉修道 0-5 船町北
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