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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第22章 春季大会3回戦 船町北VS千葉修道
252/479

第244話 機動力野球①

 初回に続いて、2回3回と中原は無安打無四球の投球を続けていた。それに負けじと比嘉も、最初のツーベースヒットを打たれて以降は無安打無四球の投球を続けていた。


 そして4回表。打者が一巡して、1番バッターの星に打順が回ってきた。


(こいつのフォークボールはかなり厄介だ。監督の言う通り、ストレートに絞って……)


 初球、中原の投じたストレートが星の内角にきた。


「カキーン!!」


 うまく逆方向へ飛ばした打球は、レフト前に落ちるヒットとなった。


(1番出したくないランナーを出しちまったな。でも、中原のクイックはかなり速いぞ。そう簡単に盗塁を許してなるものか)


 キャッチャー小林は中原に1度牽制を挟ませた後、初球にストレートを投げさせた。その瞬間、星がスタートを切る。


(させるか!)


 キャッチャーはセカンドへ素早く正確な送球をするも、星は悠々と2塁を陥れていた。


(中原のクイックは悪くなかった。俺の送球だって。それなのに、あんなに楽々と決めやがって……バケモンかよ。まあいい。バッターに集中だ)


 小林は気持ちを切り替えて、中原に2球目ストレートのサインを送る。しかし、中原が投球モーションを始めた瞬間、またもや星がスタートを切る。


(いい加減にしろよ!)


 小林はサードへ送球するも、星はまたもや盗塁を成功させた。


(送球が少し高めだったか。いや、どっちにしろギリギリセーフのタイミングだったな。足が速いとは聞いていたが、まさかここまでとは。まあいい。おかげでストライクを2つも奪えた。確かこのバッター、前の打席ではフォークをセーフティーバントで当てようとして空振り三振していたな。取り合えずフォークを投げておけば抑えられるはず。スクイズの可能性も低そうだ。まさかさっきバントを失敗したばかりの奴に、スクイズのサインは出せないだろう)


 しかし、この時鈴井監督はそのまさかのサインを出していた。


(野口はチーム1バントが安定している。初回はフォークにバントで空振りしていたが、例えまたフォークを投げられたとしても、あいつが2度も同じミスをするはずがない)


 野口への3球目。中原は内角低めへフォークボールを投げる。その瞬間、サードランナーの星はスタートを切り、野口はバントの構えを見せた。


(げっ、スクイズかよ。当てるなよ! また失敗しろ!)


 キャッチャーのその願いは、野口には通じなかった。


「カーン!」


 地面スレスレに落ちる難しい球を、何とか前に転がした野口。球を捕ったキャッチャーは、本塁を諦めてファーストに送球した。


「アウト!」


 4回表。星のヒットからの2連続盗塁。そして鈴井監督からのまさかのスクイズのサインに、見事答えた野口の活躍により1点を先制した船町北。だがこの回の船町北の攻撃は、まだまだこれだけでは終わらなかった。


      123456789

 船町北  0001

 千葉修道 000


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