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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第5章 春季大会2回戦 船町北VS三街道
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第22話 船町北VS三街道⑨

「カキーン!!」


 打球は綺麗な放物線を描きながら、外野フェンスギリギリのところでライトを守っていた角田のミットに吸い込まれた。


「スリーアウトチェンジ!」


「おい細田! 何だよ今の球は! コースも甘いしスピードもキレもない。もう少しで二者連続ホームラン打たれるところだったぞ」


「ああ、悪いな太田……」


「おい細田、なんだよ死んだような顔して。まだ試合は終わってねえぞ。次は俺の打席が回ってくる。そこでホームランを打てば同点だ。早く立ち直ってもらわないと困るぞ」


「ああ、悪いな角田……」


(ダメだこりゃ。こうなったらこの回で逆転してサヨナラ勝ちするしかねえな。そのためにはまず俺の打席が回ってくる前に意地でも塁に出てもらわないと……)


「ストライク・ワン!」


「ストライク・ツー!」


「ストライク・スリ―!」


(三球三振……ていうかこのピッチャー、これで8者連続三振だ。そして俺が9人目。これはさっき細田が1年にホームランを打たれたのと同じ状況。これは俺がホームランを打つ展開しか想像できないな)


 黒山VS角田、本日4回目の対戦。


 1球目のカーブは大きく高めに外れ、続く2球目のスライダーはワンバウンド投球となりノーストライクツーボールとなった。


(おいおい、全然ストライク入らねーじゃねえか。フォアボールだけはやめてくれよ)


 3球目は外角低めのストレート。見逃しストライク。


(ほう、ストレートだけはまだコントロールできてるみたいだな。しかしさすがに球威とスピードは落ちてるな。これなら打てる)


 4球目は外角高めのストレート。空振り。


(全然球威もスピードも落ちてねえじゃねえかよ。さっきのストレートはコントロール重視で投げただけだったのか。さて、次はどうくる? 力のあるストレートか、それともコントロール重視のストレートか。相手はきっと9者連続三振を狙ってくるはず。ならば空振りが期待できる力のあるストレートで勝負してくる可能性が高い。よし、完璧な読みだ。お前のそのストレートを完璧に捉えてやる)


 5球目は角田の予想には全く出てこなかったまさかのカーブ。しかしその球は大きく外角に外れてボール球となった。


(あっぶねー。もう少しコースにきていたらバット止まらなかったかもな。だがこれでツースリー。さすがにもうコントロールのできてない変化球は投げてこないだろう。今度こそ力を込めた全力ストレートで勝負にくるはず。そしてそのストレートを、この俺が完璧に打ち返してホームランにしてやるぜ)


 そして、運命の6球目。黒山の投じた球は……。


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