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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第18章 1日だけの夏休み
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第202話 初体験

「ギュルルルル」


 その時、安達を腹痛が襲った。


「すみません、ちょっとトイレ行ってきます」


 足早にトイレに向かう安達。


(チャーハン一気に食い過ぎたな)


 安達がシャワーに入っている間に、チャーハンを作りながら考えた渾身の誘い文句を腹痛に邪魔されてしまった綾乃だったが、内心はホッとしていた。


(私、ちょっと焦り過ぎてたわ。まだ出会ってから30分も経ってないのに、いきなりはないわよね。AVじゃないんだから)


 その頃安達は、新しくリフォームされていた実家のトイレに驚いていた。


(うわーすごい。今までは和式のボットン便所だったのに、洋式になってる。バッティングセンター、よっぽど儲かってるんだろうな)


 トイレに座って用を済ませ、お尻を拭こうとしたその時、安達はそのボタンに気が付いた。


(これってもしかして、噂のウォシュレットって奴か)


 安達は生まれてこの方、ウォシュレットのトイレを利用したことがなかった。


(おしりはわかるけど、ビデって何だ? まあいいや。取り合えず、おしりを押してみよう)


 おしりのボタンを押すと、便器の奥から伸びてきたノズルが安達の肛門めがけて高水圧の水を噴射した。


「うわっ!」


 びっくりしてその場に立ち上がる安達。まき散る水。慌てて止めるのボタンを押す。


(ビックリした。水圧強過ぎだろ。えーと、ここで調節するのか。弱に変更して、これでよしと)


 再びおしりのボタンを押すと、さっきとは打って変わった優しい水圧に、ホッと肩をなで下ろす安達。


(あー気持ちいい。こりゃいいな)


 初体験のウォシュレットに感動した安達は、1分近くも続けたあとようやく水を止めて、お尻を拭いた。


(こんなの経験しちゃったら、もうウォシュレットのない世界には戻れないかも)


 水でびちゃびちゃに濡れた床をトイレットペーパーで拭き取りながら、安達は初めてのウォシュレットの余韻に浸っていた。




 安達がトイレに戻ると、そこにはもう綾乃の姿がなかった。その代わり、テーブルの上にはこんなメモが置かれていた。


『休憩時間終わったからバイト戻るね。デザートはお預けよ♡』




「あれ、加藤ちゃん早いね。まだ10分前なのに」


「混んでて忙しそうだったから、早く戻ってきちゃいました」


「仕事熱心だね。感心感心」


(ホントは弾君と顔合わせるのが気まずかっただけなんだけどね。弾君今頃、あの手紙読んでるかな? きっと焦らされ過ぎて、頭の中が私でいっぱいになってるはず。焦っちゃダメよ私。もっと焦らして焦らして焦らしまくって、他の女に目がいかなくなるくらい私に夢中にさせてやるんだから)


 一方その頃安達はというと、チャーハンを食べ過ぎて眠くったのか、自分の部屋に戻って爆睡していた。


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