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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第18章 1日だけの夏休み
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第199話 5か月ぶりの帰省

 2016年。8月31日。練習試合14連戦からの1日挟んで9連戦という過酷な日程を乗り越えた船町北高校野球部員達は、ラスト1日、完全オフの夏休みを各々満喫しようとしていた。


「川合、本当にディズニーランド行かなくていいたいか?」


「俺は今日1日寝てるわ」


「安達もいいたいか?」


「行きたくても金がないからな」


「そうたいか。じゃあお前らの分まで楽しんでくるばってん」


 川合と安達を除く1年生部員達は、揃ってディズニーランドへと遊びに出かけた。


(さてと、じゃあ俺も今日は1日寝てようかな)


「ガーーーーゴーーーーガーーーーゴーーーー」


(うわ、川合の奴もう寝始めた。相変わらずうるせえイビキだな。これじゃあ寝れねえよ。しょうがない。せっかくの休みだし、久しぶりに実家にでも帰るか)


 こうして安達は、約5か月ぶりに実家のバッティングセンターへと帰省することにした。




(うわっ、なんでこんなに人がいるんだ?)


 久しぶりに帰ってきたバッティングセンターには、大勢のお客さんが詰めかけていた。


「おお弾! 久しぶりだな」


「親父、何でこんなに繁盛してるんだよ」


「何でって、全部お前のおかげだよ」


「俺のおかげ?」


「あの、すみません。もしかして、安達君ですか?」


「えっ? そうですけど」


「キャー! 本物だわ。握手してもらってもいいですか? あとサインも」


 突然の見知らぬおばさんからのお願いに戸惑いながらも、握手とサインに応じる安達。


「あの、俺もいいですか?」


「僕もお願いします」


「私も」


「俺も」


 夏の甲子園千葉大会での大活躍により、安達は高校野球好きの中では知る人ぞ知る有名人となっていた。それに伴って、前にユーチューバーがアップしたバッティングセンターでいい当たりを打ちまくる当時中学3年生の安達の動画が、凄まじい勢いでバズっていた。アップした当初も再生数が1万回を超えるプチバズリをしていたその動画は、たったの1か月足らずで一気に再生数100万回を突破し、その動画を見た人達がこぞってこの安達バッティングセンターに訪れるようになっていた。


 数十人に及ぶお客さんからの慣れない握手対応やサイン責めに追われた安達は、こんなことになるなら帰省するんじゃなかったと少し後悔しながら、逃げるようにバッテングセンターの中にある居住スペースにしている部屋へと向かった。


(はーこれでやっと落ち着ける。取り合えず、シャワーでも入ろっかなー)


 汗で濡れたTシャツを脱ぎながら、脱衣所のドアを開ける安達。


「キャー!」


 安達が目にしたのは、シャワー上がりのバスタオル1枚姿の若い女性だった。


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