表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第5章 春季大会2回戦 船町北VS三街道
18/479

第17話 船町北VS三街道④

「安達! ちょっとこい!」


 あっさりと打ち取られてベンチに戻ってきた安達に、鈴井監督は怒っていた。


「安達! お前なんで初球から打ちにいったんだ?」


「甘い球がきたんで打てると思って……」


「あのな安達、普通の相手ならそれでいいかもしれないが、今日の相手は細田だぞ。身長が2メートル近くある普段対戦しない特殊なタイプの相手に初球から打ちにいくなんて完全に悪手だぞ。初打席は相手の球をしっかり見て球筋を見極めていかないとダメだろ」


「はい、すみませんでした」


「どうせさっきの守備のミスでも引きずって焦ってたんだろうが、そんなことを打席にまで持ち込むなよ」


「はい」


「野球は切り替えが大事だ。逆にこの打席のミスも次の守備に持ち込んだら承知しないからな!」


「はい、気を付けます」


 その後、細田、黒山の両校エースは好投を続けていき、両者1人のランナーすら出すことを許さないまま試合は続いていった。


 4回裏ワンアウト。初回にスクイズを決めた角田に、この日2回目の打席が回ってきた。


(初回は監督の指示で仕方なくバントをしたが、今回はやっとちゃんとした勝負ができそうだ)


 そんな角田に黒山が投じた初球は、外角低めギリギリのストレート。初回に角田がスクイズを決めたのと同じ球に、角田は全く手を出せなかった。


「ストライク!」


(焦るな焦るな。甘いコースにきたら決めてやる)


 しかし、その後も2球目は内角高めぎりぎりのストレート、そして3球目は外角低めギリギリのストレートと角田に甘いコースの球がくることがないまま三振となった。


(うん……今回はしょうがないな。次だ次々)


 5回表ノーアウト。鈴井監督のアドバイスもあってか初打席の時と比べて冷静に打席に入った安達は、じっくりと球筋を見極めることに専念した。1球目の内角低めのストレート、2球目の外角低めのストレート、3球目の真ん中高めのボール球のストレート、そして4球目の真ん中低めのカーブ。見逃し三振。

 

 こうして安達は細田に、2打席連続で打ち取られた。


     123456789

 船町北 0000

 三街道 1000


---------------------------------------------------------------


小説の続きが気になるという方は、ブックマークや

下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ