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安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第13章 夏の甲子園千葉大会決勝 船町北VS龍谷千葉
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第135話 生存本能

(3年前の千石との対戦では、3打席目でサードゴロを打ってアウトになった。でも今の俺の足なら、あれは内野安打にできる当たりだった。しかし、今対戦している黒山はあの千石以上の投球をしている。普通のヒットどころか、内野ゴロを打つことすらままならない。このままいけば、確実にアウトになる。そうなったら、果たして監督は俺に4打席目も打たせてくれるだろうか?)


 清村兄の脳裏には、3年前の千石との対戦の4打席目で代打を出されてしまったことがよぎっていた。


 龍谷千葉高校は、今の森崎監督体制に代わって以来、ホームランを狙えるパワーヒッターだけを集めた超重量打線が代名詞となっていた。そんな中、ホームランを打てない清村兄がスタメンに選ばれたのは例外中の例外であった。ではなぜその例外が許されていたのか。それは、清村兄がチームナンバー1の打率と出塁率を残していたからだ。しかしこの試合では、ヒットも出塁も未だに0。もはや自分がこのチームにいる存在意義は残っていないのではないか。清村兄の心には、そんな不安が急激に押し寄せていた。


(未だにノーヒット状態が続く黒山相手に得点を狙うとしたら、1番手っ取り早いのはホームランだ。ホームランが打てない俺に代打を出される可能性は十分に考えられる。ホームランが打てない俺がこのチームで生き残る唯一の手段、それは……誰よりも多く塁に出ること)


 黒山がキャッチャー鶴田のサインに頷く。


(今の黒山から塁に出るには……セーフティーバントしかない。でも確か、春の大会で対戦した時もセーフティーバントで出塁してるし、多分警戒されている。船町北は守備の固いチームだ。そう簡単に成功はできないか)


 黒山が投球モーションに入る。


(いや待てよ。守備の固いチームの中に、唯一の例外がいる……ファーストの安達だ)


 黒山が球を投じた瞬間、清村兄はバントの構えを始める。


(一塁方向に転がして安達に拾わせれば、一瞬もたつくはずだ。その隙に俺の俊足を飛ばして絶対に塁に出てやる……このチームで、生き残るために)


 黒山の投げた球は、内角よりの地面スレスレに落ちるカーブだった。見逃せば完全にボールだが、セーフティーバントは1度警戒されるとさらに成功率が落ちてしまう。清村兄は強引に当てにいった。


「カーン!」


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