表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安達弾~打率2割の1番バッター~  作者: 林一
第13章 夏の甲子園千葉大会決勝 船町北VS龍谷千葉
124/479

第123話 情報戦②

 清村弟のスイングは、ボールのはるか上を通過していった。


「ストライク! バッターアウト」


(なっ、なんだ今のストレートは?)


 清村弟は電光掲示板を確認すると、138キロの文字が映し出されていた。


(全力のストレートがくるかと思いきや、まさかこんな遅い球がくるとは。完全に騙された)


「黒山、ナイスボール!」


 鶴田はそう言って笑みを浮かべながら黒山に返球した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「なあ鶴田、黒山の配球のことなんだが……」


 鈴井監督が鶴田にそう切り出したのは、春季大会が終わったあとの5月某日だった。


「ワインドアップから投げる時、ストレートの割合が多過ぎないか?」


「すみません。黒山のワインドアップから投げるストレートは強力なんで、ついつい頼り過ぎてました。もう少し変化球も混ぜるようにします」


「いや、ちょっと待て。しばらくはこのままでいこう」


「あのーどういうことですか? ていうか、しばらくっていつまでですか?」


「夏の甲子園の千葉大会で龍谷千葉と当たるまでだ」


「えっ?」


「あそこの高校は情報戦に長けてるからな。それを利用して、黒山がワインドアップで投げる時は絶対に全力のストレートがくるという嘘情報を掴ませとくんだ。これをうまく利用すれば、変化球じゃなくても、例えば遅いストレートなんかでも空振りが奪えるぞ」


「なるほど、面白そうですね」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 情報戦で一枚上手をいった鶴田、黒山バッテリーは、見事清村弟を三振に抑えた。


(カットボールどころか、ちゃんとしたストレートすら投げさせることができないまま三振を食らうとはな。こんな屈辱を味わったのは初めてだ。あいつら……覚えてろよ)


 その後も黒山は好投を続ける。5番田中、6番西村を三振に抑えると、続く3回裏も7番斎藤、8番片岡を三振に抑える。これで黒山は、初回から8者連続三振を奪う形となった。そして今打席に立っているピッチャーの村沢を抑えれば、スタメン全員からの奪三振となる。


(今日の黒山は出来過ぎなくらいの出来だ。9者連続どころか、27連続三振もいけるんじゃないかと思えてくるな)


 ストレートとカーブで村沢から2ストライクを奪った時点で、鶴田はそんな呑気なことを考えながらリードをしていた。3球目のストレートを、村沢に打たれるまでは……。


「カキーン!!!」

 

      123456789

  船町北 000

 龍谷千葉 00


---------------------------------------------------------------


小説の続きが気になるという方は、ブックマークや

下にある☆☆☆☆☆から作品への応援をいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ