042 ポーションを作ってみる。
欲しかった魔道具は購入したし、ランクアップも終ったので、とりあえず街に行く用事はない。
と言うかちょっとハデにやり過ぎちゃった感ハンパ無いので余り近寄りたく無い。
「ほとぼりが冷めるまでポーションの勉強でもするか。」
旅が目的なので街に拘らずに別の所に行ってもいいんだけど、まずは怪我とかした時の為にポーションを作れるようになりたかった。
初級ポーションの作り方の本を読む。
何々、魔道鍋に水魔法で作った水を入れて火にかける。
三種類の薬草を等しい分量を入れて溶けるのを待つ。
魔石の粉を入れて魔力を中に注ぎ込む。
「魔道鍋って普通の鍋じゃ駄目なのか?」
「普通のぉ~鍋ですとぉ、魔力を注いだ時に壊れちゃいます。」
魔道鍋ってのは魔力耐性があるって事か。
「薬草の等しい分量ってのも曖昧だな。」
「そこは個々のレシピっていうか経験ってヤツでやるんじゃねぇの?」
薬草の量で効き目も違うだろうし、魔力の量でも変わるんだろう。
魔力を多目に注げばそれだけ薬草の量は少なくて済むのか?
「魔力の量と言うよりぃ~、魔石の質の問題ですぅ。」
魔石によって込めれる魔力の量が決まるのか。
「例えば、魔力を多く込める為に高級ポーションに使えるような魔石を使っても出来るのは初級ポーションだ。」
初級ポーションのレシピで作るからどんな高級な素材を使っても同じって事だよな。
「大体、薬草の名前が番号になってる時点で察しろよ。」
薬草1~3だったな……確かにいい加減だ。
「中級からはちゃんと素材に名前があるからな。」
「勿論~、薬草1~3も基本のぉ薬草ですから~、使用しますけどねぇ~。」
基本薬草は1~10まであるみたいだ。
「まぁ初級ポーションは大体スライムの魔石を使うのが一般的だな。」
誰でも狩れるし値段も安いから重宝するそうだ。
初級ポーションの売値が小銀貨3枚位だから原価を考えるとイモ虫の魔石でも勿体無い。
「繁殖力も凄いしな。」
確かにぽこぽこ増えるよね。
俺の従魔も気が付いたら倍くらいになってた。
増えないように命令しとけば大丈夫らしいので、慌てて命令したのもいい思い出だ……遠い目。
「でもこのレシピを見る限りだと分量とかを試すだけで誰でも作れるんじゃね?」
水魔法の水も普通に売られてるし薬草もそこら辺に生えてる。
スライムの魔石も何処でも手に入るから難しい要素が見当たらない。
「そうでもないぞ、製薬とか錬金術のスキルを持って無いと失敗する。」
普通であれば、そのスキルを得るには調合を最低100回は成功させないとダメらしい。
「考えてもみろよ、調合は成功してるのにポーションは失敗してるんだぜ。」
調合は完璧でも最終的に失敗してるから、成功してるかどうかも判らない。
そんな失敗か成功かも判らないまま延々とポーション作り……どんな罰ゲームだよ。
「まぁ普通は薬師や錬金術師に弟子入りしたり、学校なんかでレシピを学ぶからな。」
それなのに俺は自力でやれって?
無理じゃね?
「今までのぉ、あなたのスキル獲得を聞いたらぁ~大丈夫じゃないかとぉ~思ったんですよぉ~。」
「弟子入りせずにやるヤツも居るからな! まだ試してもいない内から無理とか言うなよ。」
確かに一度位は試さないとな。
「そうだぜ、弟子入りするにも金がかかるし、時間もかかる。」
授業料変わりに入門料を取られるし、教えて貰うまでに下積み期間としてコキ使われるとか、こっちもある意味罰ゲームだよな。
「まぁ一丁やってみるか!」
まずは魔道コンロの上に魔道鍋を置いて、水魔法で水を入れる。
水が沸騰したら薬草を投入、同じ分量ってのも面倒だから採集基準の10本1セットをそれぞれ1セットづつ入れる。
すり鉢でスライムの魔石を粉にして……3種類の薬草だから3個使うか。
冷まして完成だ!
よし鑑定しよう。
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◆低級ポーション
回復量 HP50 MP50
体力、魔力を少量回復させる。
切り傷や打撲程度の怪我の回復。
病気の初期症状時の回復。
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「出来てるやんけ!」
適当に作ったポーションが完成してるよ。
ステータス見たらスキルもしっかりあるし!
「「本当にお前は何でもアリだな(ですぅ~)」」
現在のステータス
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◆ 名取 禅 25歳
人種 人間
職種 旅人(異世界の旅行者)
Lv 86
HP 591
MP 532
スキル
属性魔法 火・水・風・土・光・空間・複合
精霊魔法 木・水
世界地図
鑑定
転移
無限倉庫
解体
梱包
保存
錬金術(New)
製薬(New)
調合(New)
精霊の加護 木・水
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