表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/46

041 心の平穏が……。

 翌日ギルドに行ってランクアップを受けた。


「改めておめでとうございます。 これで皆さんもギルドランク3、上級の下(じょうのげ)のランクとなります。」


何もしてないのにいきなり下の下の下(ゲのゲのゲー)から上の下かよ……。

パワーレベリングでもそうだが、俺はスライムとイモ虫しかマトモに倒してないぞ……おかしくないか?


俺の葛藤を他所に話は進む。



カード更新のために預かると言って俺達からカードを回収して別の係りに手渡してから、こちらに一枚の紙を持って戻って来る。


「それではこちらが依頼達成料です。」


俺達の前に達成料を書かれた明細が出される。

お金は買取所に明細を出せば貰えるらしい。


でも明細を見ると達成料が小金貨3枚……300万円?


多くね?



「緊急依頼は冒険者全員に対して出ますので、おおよその人数で予算が組まれます。」


大体一人辺り銀貨1枚で計算されて、300人分で予算が出てたらしい。


「実際は300人になる事は無いんですけどね、街を護る兵士も居ますし。」


メインは兵士で救援的役割が冒険者って事か。

それで一人辺りの金額にしたら安いが、魔物はそのまま倒した者に権利があるから、そちらで帳尻を合わせて貰うのが普通らしい。


今回は俺達の総取りとなるからこの金額か……前の素材販売のお金がまだ700万円以上残ってるから、今回のと合わせれば金貨1枚になるのか……。


いっせんまんえん……向こうの世界でこれだけ稼ぐならどれだけ売れば良いのかな……これ税抜き後の金額だぜ?


所得税は差し引き払いで申告不要!

確定申告しなくて良いなんてどんな天国よ?



「今回の活躍の割りに少ない報酬だと思いますが予算の上限ですので……。」


いやいやいや、俺はあの場所で立ってただけだから!

何もしてないから!


こちらの世界に来てこの街まで歩いて来ただけで金貨1枚以上貰ってるから!


普通は金貨は使われて無いって言ってて1枚ではあるけど金貨持ちだよ?


考えてもみてよ、向こうの世界より安い家電(魔道具)を揃えれば光熱費は魔力だからタダ! 食費は都心辺りに比べたら安いし、地方並みの物価だよ⁉


家も持ってるから宿泊費なんてのも要らないし!

シルフィの領域だから税金なんて存在しないし。


良いよね! 住民税も固定資産税も無い生活!



普通に考えたら1日小銀貨1~2枚あれば余裕で生活出来るよね。

えっ、そう考えると大銀貨5枚もあれば生活出来ちゃうの?

50万円だよ?


東京の最低賃金時給958円として8時間労働で週休二日の盆暮れ正月にゴールデンウィーク入れて大体120日位の休日としても約189万円か……休みの日に内職するか、共働きじゃないと苦しいな!


キツいぞ! 光熱費と税金‼


そんな感じなのに50万円……今回のお金で20年は余裕で暮らせる計算か。


しかも肉は魔物を狩ればタダだし、野菜も贅沢言わずに森で野草を採集すればタダ⁉


お金は魔物の素材販売で稼げるし、病気や怪我はポーションで治る。


向こうの世界より断然こっちが良くね?


小説打ち切られたらこっちに移住しても良いかもしれない。



そんな現実逃避な事を考えているとカードが出来たみたいだ。


「こちらが更新されたカードです。」


おや? カードの素材が変わってないか?

門の所で発行して貰ったヤツとギルド発行のカードが同じだったから気にしてなかったが、鉄板っぽいカードから金のカードになってるよ。


「カードはステータス表示を見なくても認識出来るようになってるんですよ。」


ランク1~3が上級でゴールド(金)

ランク4~6が中級でシルバー(銀)

ランク7~9が下級でブロンズ(銅)

ランク10が見習いのアイアン(鉄)


そんな感じでカードを見れば大体のランクが分かるそうだ。

ただ色分けの為にその素材が少し入ってるだけで、殆んどカードの構成素材は変わらないから本当に見かけだけらしい。


本当に何もせずにランクは上がるわ、金は貰えるわ……。

俺のチキンなハートが悲鳴をあげる。



俺は小市民なんだよ……。


「フロアさん、昨日言ってたお弁当注文して下さい。 リーさん達はここに居る皆にお酒とツマミでも出して下さい。」


俺の奢りだ~~! と叫んで皆に振る舞う。


これで少しは俺の心が軽くなる~。


「えっ? ゼンさん本気ですか?」


「「「フロア! 余計な事は言わない! よっ、お兄さん太っ腹!」」」



『『『『兄ちゃんゴチになるぜ!』』』』



とりあえずフロアさんに大銀貨5枚分カードから引き出して渡した。

多分1年生活出来る金額だから大丈夫だろ?


「足りなかったら後日請求して下さい。」


「いやいや、余りますって! 何ですかこの金銭感覚の無さは?」


余ったら孤児院に寄付と言うことで、後は四人に任せてギルドを後にした。





これはもうさっさと拠点に戻ろう。

現在のギルドランク



ーーーーーーーーーー

◆ ゼン


Lv 86

種族 人間

冒険者ランク 3

ーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーー

◆ シルフィ


Lv 181

種族 小人族

冒険者ランク 3

ーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーー

◆ ディーネ


Lv 130

種族 小人族

冒険者ランク 3

ーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ