040 ランクアップ?
いきなりフロアさんは何を言ってるんだ?
俺達はランクアップするような事は何もしてないぞ?
それにランクアップはヤバそうだから無しにしようと思ってたのに。
「今回の街の防衛が認められて決定したみたいですよ。」
魔物が溢れて街に危険が迫った時は、防衛と討伐の依頼が自動的と言うか、事後に出されるそうだ。
「魔物が街に迫ってるのに依頼が出てからしか行動出来ないなんて致命的ですからね。 暗黙の了解的に街に居る冒険者に知られてる討伐依頼です。」
でも実際に戦ったのはスライムであり俺達は何もしてないと言い張ってランクアップ回避を図る。
しかし、従魔は操る人の武器であり手柄である点と、パーティーでの討伐が認められる為、俺達三人が対象になると言われてしまった。
「冒険者のみなさんはランクアップする事に一生懸命なのにゼンさん達は嫌なのですか?」
「ランクアップすると色々と制限が付きそうで嫌なんだよな。」
俺はランクアップして、旅というか街の移動とかに制限がかかったりするが嫌なんだと率直に言う。
ランクアップして旅に支障が出るなんて意味が無いからな!
「なんでランクアップすると移動に制限がかかるんですか?」
えっ違うの?
俺は高レベルの人間による街の防衛力……まぁぶっちゃけ戦力だな。
そこら辺の話をする。
「勿論、高レベル者ほど、高い戦力と言うのは間違いありませんが、それで防衛力として街に拘束されて移動出来ないなんて事は無いですよ。 冒険者って基本的に自由人でしょ? そんな事をしようとしても誰も言う事なんて聞きませんよ。」
自由すぎるのも困るんですけどねぇ………。
い、いかんまたフロアさんがブラックモードに!
冒険者は街の入ると、まず初めにギルドで買取りなんかをするから、その時点で街に居る冒険者を把握出来るので一々所在確認なんてしないし、強制依頼なんかも無いそうだ。
「街に居る冒険者さんに個別に指名依頼はありますけど、強制依頼では無いです。」
依頼を受領するかどうかは個人の判断でいいそうだ。
「依頼を受けてかかるのはその人の命って事が多いですからね。 無理矢理死んでくださいってお願いは出来ないですよ。」
その人のレベルに合わせた依頼を出すようにはしているけど、勝てもしない魔物を倒してくれなんて言える訳が無いと言い切る。
「今回も事後依頼にはなりますが、討伐のお願いであって強制ではありません。」
たとえそれで街が被害にあって、街の人が死傷してもそれが結果であり受け入れる事だと。
「誰彼が居なかったから、戦わなかったからとか、責任転嫁こそ無責任ですからね。 勿論、高レベル者に期待する事はありますよ。 でも期待するだけです。」
それでは受けても良いかな?
「それでは明日にでもギルドに起こし下さい。 すぐに手続きしますので、依頼達成料もバッチリお支払いしますよ!」
依頼達成料と聞いてお姉さんズの目が『キラン』と輝く。
「ゼンさ~ん、高級お肉が沢山入荷してるの。 美味しいからギルドの食堂で食べて行ってね!」
元は俺の肉ですけど!
「高級で美味しいお酒も一緒にどうです? 朝からでも大丈夫ですよ。」
朝から酒を薦めるな!
「お嬢ちゃん達も食べたいよね? 高級ジュースと一緒のお肉は最高よ。」
今現在、肉は食べてるから! なうだから!
「「「兄ちゃんゴチになりまーす!」」」
お前らも今食ってるだろ!
孤児院の子供達もお姉さんズに乗せられてるよ。
そこまで俺が面倒を見る謂れは無いな!
「こらこらみんな、食堂で食べたいなんて厚かましい事を言っちゃ駄目だよ!」
さすがはフロアさん! やっぱり常識人は判ってらっしゃる。
「みんなが食堂に行ったら入り切れないでしょ? お弁当で我慢しなさい!」
お前もか~!
「「「「ノルマがキツいんです。 テへッ♪」」」」
コイツらあかんわ………。
院長さんはクスクス笑いながら見てるだけだし!
「冗談も程ほどにしなさいな。」
暫くして漸く院長さんがみんなを嗜めてくれる。
「「「私ら本気だし!」」」
おいおい、お姉さんズめぇ……。
そんなこんなでワイワイと時間を過ごしてから俺達は帰る事にした。
みんなは遅いから孤児院に、泊まって行けばいいと薦めてくれるが、他にも用事があると誤魔化して辞退した。
向こうの世界の様子も確認しないといけないしな!
泊まっても良かったが転移の事は知られたくない、孤児院みたいに人が多いと見られるかもしれないからな。
極力危険は避けるべきだ。
俺達は街から少し離れた所まで行って転移した。
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