031 魔道具選び。
本日2話目です。
小難しい理屈は知らないが、便利で使える物は使っとけとオッサンは言う。
「それにカード化出来ないと、場所を取って在庫を置けねぇだろ? 売れてから造る訳にはいかねぇしよ。 魔道具なんてモンは魔力と喰うからよ、一度に造れる数は限られるんだよ。」
えっ、もしかしてここに有るのみんなオッサン造ったのか?
「おいおい、魔道具屋やってて、他に誰が造るって言うんだよ?」
「仕入れて来て販売?」
「そんな儲かりそうも無ぇ事誰がするか!」
魔道具屋は魔道具を造るから、薬屋は薬をと言う事らしい。
「じゃあ~、野菜屋さんやぁ~、お肉屋さんもですねぇ。」
「…………さぁ、次は何を見るんだ?」
華麗にスルーしたよ、このオッサン。
とりあえず、コンロとオーブンと冷蔵庫、照明類にあとは、何が要るかな?
「水周りに関係はどうするんだ?」
ディーネがそう訊ねる、そう言えばお風呂のお湯やら水道関係が要るな。
流石は水の精霊だぜ。(関係無くね?)
「水の魔道具な、水を出すんならコレだな。」
一度魔力を込めると、後は大気中の魔素を水に変換して出続ける魔道具らしい。
「へぇ、オッサンは精霊の加護持ちかよ。」
「そうだぜ! と言っても水と風だけだがな。」
精霊魔法は精霊が力を貸してくれるって話だったからな、魔道具に精霊魔法を籠める事により、大気中の魔素を自動変換するそうだ。
「だから、水周り関係と魔道車とかは俺の自信作だ。」
一々、魔道具を使う度に魔力を大量に使う必要が無いんだと。
「精霊の加護を使って魔道具なんて出来るんだな。」
「お前ぇは魔道具の専門家じゃねぇんだからよ、細けぇ事は気にすんなって! 便利だなって位に思っとけよ。」
そういう物だと思っておこう。
ポーションと一緒で魔道具も造るようになれば覚えるだろうしな。
造る気なのか? と問われれば、折角のファンタジー造らずに居られようか!
「風呂は浴槽なんかはあるのか?」
浴槽に自体が魔道具になっていて、水を入れると適温に沸かしてくれるタイプと浴槽に直接入れて水を沸かすタイプと2種類あった。
「水に入れるタイプは邪魔になるって言う細けぇヤツが居るんだよ。」
ソフトボール位の大きさの丸型の魔道具だな……気になるのかコレが?
「あと、浴槽タイプよりも沸かす時間が少し掛かる。」
まぁ、浴槽の大きさも関係するんだろうしな。
あのログハウスには檜風呂が付いてるし、中に入れるタイプだな。
ログハウスのクセに広い浴槽だったよな?
ログハウスに付いていた浴槽は5人位が余裕で入れそうな大きさだった。
タンクの水は足りてたのか……?
そう思わずには要られない大きさだった……設計ミスじゃ無いことを祈ろう。
まぁ今回は魔道具で水を作るから問題は無いか。
「浴槽は結構デカいんだが複数の使っても大丈夫か?」
「問題は無ぇよ、でもよぉ水を出す魔道具を使うんだから、掛け流しでも問題無いんじゃねぇか?」
最初に沸かすのに時間がかかっても、一度沸かせば水を足す分なら時間はかからないそうだ。
「そんな売り逃すような事を言って大丈夫か?」
「そんな詐欺紛いの売り方が出来るかよ。」
売れれば良いという物でもないか。
やっぱりこの世界の人間の方が、人間が出来てるぜ!
言われた通り、水を沸かすタイプを1個購入と……もう生活用品はコレ位か?
「空調関係は要らないのか?」
空調……エアコンか!
「見かけねぇヤツだし、この街には来たばっかりなんだろ? この辺りは物凄げー暑い時期と寒い時期があるからよ、持ってた方が良いぜ。」
この世界にも四季があり、大体100日位で季節が替わるらしい。
「おいおい、暦も知らんのか? どんな秘境で暮らしてたんだよ?」
1年は400日で、春夏秋冬で月が替わるらしい。
月齢では無く、春の何日と言うような季節の曜日だそうだ。
因みに1日24時間なのは変わらない。
「季節のズレとかどうなるんだ?」
何を言ってるんだコイツみたいな顔をされたよ。
「季節は精霊が教えてくれるだろう。」
季節が大体100日と言うのも目安なので、例えば春が90日で、夏が110日になる事も珍しくないらしい。
四季の日数が変わっても1年400日は神様が決めた事なので変わる事が無いらしい。
昼夜が逆転する事は? と聞いたら『なんだそのファンタジーは?』と言われた。
ちっ、ファンタジーめ!
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