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003 責任者出てこい!

 目の前に現れる半透明のスクリーン。

紛れもなくラノベ的ファンタジーの定番。

ステータス画面が表示されていた。


「マジか……って異世界の妄想家って何よ⁉ 俺は小説家であって夢の中住人では無い! 無いよね?」


それにLv1だし、スキルも無ければ、HPもMPもどう見ても低いよね⁉


「それで何の説明も無く森に放置! 作者誰よ? こんなネタを認めた責任者出てこい!」



叫んだ所で状況は何も変わらない。


「普通はチートで俺TUEEEEEーーー! じゃないのか?」


どう考えてもこれから異世界で生きるには無理筋だよね。


「例えば異世界なら魔法とかさ~、『ファイアボール!』 」


手のひらの上に野球のボール位の大きさ火の玉が浮いているようにイメージする。


「……出たよ⁉」


イメージ通りの火の玉が手のひらの上にぷかぷかと浮かび上がっている。


そのまま前に飛んで行くイメージを思い浮かべながら手を前に出す。


火の玉は真っ直ぐに飛んで行き、目の前の木にぶつかって消える。


木を見ると火の玉が当たった所が少し焦げているが、木を抉るとか薙ぎ倒すとか、燃やし尽くすなんて事は無かった。


「うん! 余り威力は無いと! 使えるのか? 微妙だ……」



俺は再びステータスを表示させて確認する。


「MPが50だったのが40になってるな、アレでMPポイント10消費するのか。」


良く見るとスキルの所に『火属性魔法』と表示されている。


「マジか……それじゃアレだ。 『ウォーターボール』」


同じ様にイメージして今度は水球を作り出す。

こちらも何の問題も無く作り出す事が出来て、10ポイント消費していた。


「後の定番と言えば『ウインドカッター』 『アースウォール』 」


火と水とくれば風と土だろう。

問題無く作り出す事が出来た訳だが…………。


「うぇっーーーつ、き、気持ち悪い……眩暈がする。頭が痛てーーーー!」


何か二日酔いの時みたいな最悪の感覚。


「これはもしかして魔力枯渇状態ってやつか?」


MP消費10の魔法を4回しか使ってないのに、こんな状態になるってどう言う事だ⁉ 本当にこんな設定作った責任者出てこい!



そんな事を考えつつ、俺は倒れて気を失った。



どれ位経ったのだろうか?

俺は目を覚まして辺りを見渡した。


「やっぱり夢でもドッキリでもないか……。」


ポケットの中の携帯電話を取り出して時間を見る。

家を出る時に確認した時間から4時間位が経っている。


「時間的に気を失ってたのは3時間ちょいか、気分は悪く無いな。」


再びステータスを確認するとMPは元に戻っている。

と言うよりも60になっている。


「これはMPが10増えてるな……使う事によって魔力が増えるって事か?」


それにキチンとスキル欄に風属性魔法と土属性魔法が追加されていた。


「うーん、なんたるイージーモード。ラノベなら読者からクレームが来るレベルだな! リアルだと助かるけど!」


とりあえず、魔法が使える事と魔力を増やす方法は分かった。


「でもアレだ、あの苦しみは体験したいもんじゃ無いな。 MPポイントの消費をしっかり把握しないといけないな。」


気分が悪くなった挙げ句に意識を失うなんて、異世界のこんな森の中で何があるのかも分からないのに不用心過ぎるやろ。


「まぁ使わないと増えないのなら、使わないと言う選択肢は無いな、次は光かな? 『ライト』」


「よーし問題無し! 光属性もゲット! 次は……。」


次は何にしようと考えた所でふと思い付く。


「こんなに簡単に魔法が使えるんだから……。」


魔法はイメージしたらそのまま使えたから、魔力の問題もあるけどイメージすれば……。


「俺はしっかりと確実にイメージして魔法名を唱える。」





………………

……………………

…………………………


俺はマンションの自宅の寝室に居た。


「戻れた……。」


そう思った瞬間、俺はベットに倒れこんだ。



現在のステータス



◆ 名取 禅 25歳


人種 人間

職種 異世界の妄想家


Lv 1

HP 30

MP 60


スキル 

属性魔法 火・水・風・土

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