028 依頼を受けてみる。
本日2話目です。
先日感想を頂いた方の指摘を
この話で誤魔化してみたり……(・ω・)ノ
俺達は、初依頼としてギルドの依頼は、期間の定められていない、常時依頼を受ける事にした。
勿論、常時依頼なので正式に受注をギルドにする必要はなく、達成出来たら受付に行って常時依頼の達成を申告して手続きすれば良い。
それ以前に、狩った素材をまず依頼状と照らし合わせてから受付に持って行くと言う初歩的な事さえもしてないけどな!
いいんだよ……俺が楽しければなんだって、決して忘れていた訳じゃ無いんだからね!
まぁあの買い取りの金額と、その場の雰囲気に流されてしまったが、冷静になったら、俺は別に冒険者で上を目指している訳じゃ無いと気付いたのだ。
「ラノベ脳で思わず、冒険者は上を目指すもの! って思い込んでたわ。」
小説なら冒険者になって、魔物とガチバトルを繰り返しながら上を目指すってのが定番だからな、危ない危ない、俺は別に目指して無かったよ。
そもそも、冒険者ギルドに登録したのは素材の買い取りをして貰う為だ。
「低ランクでも買い取りは変わらないみたいだからな。」
例え低ランクでも何を持ち込もうと買い取ってくれる。
高ランクじゃ無いのにこんな魔物を狩れる訳が無い! なんて仮に周りに思われても、『別にそれがどうかした?』である。
依頼報酬で金を得るなら高ランクの方が依頼内容的に高額になるけど、素材の買い取りだけで、小金貨になるのに受ける必要無くね?
まぁ持ち込みの素材も在庫の有無で価格も変動すると思うけど、無理する理由にはならないかな。
でもまぁ一度も受けないと言うのも悪い気がしたので、付き合い程度には受けようかと思った訳だ。
それで決めたのが『薬草の採集』である。
低級ポーションの素材になる薬草を、10本を1セットとして計算して何セットでもOKという、緩い依頼だ。
でもこの薬草採集の依頼だが、1セットで大銅貨1枚の報酬である。
こんな依頼を受ける人が本当に居るのか?
依頼ボードに貼られたこの依頼を見て疑問に思ったがフロアさんの答えは簡単だった。
「この薬草は街を出てすぐの所に沢山生えていますから、簡単に誰でも出来ますので。」
冒険者登録に年齢制限は無いので誰でもなれるが、小さい子供に危険な事はさせられないので救済措置的に出されてる依頼らしい。
「依頼主は街の代官様ですしね。」
怪我をして働けない人とか、浮浪者や孤児などのスラムに住む人が餓えないようにするための対策なんだそうだ。
「大体1食当りは大銅貨5枚位で食べれますし、屋台の肉串なら1本大銅貨1枚ですしね。」
1食当り500円ならワンコイン定食か。焼き鳥もコンビニとかで100円位で買えるから、向こうの世界と変わらんな。
「ちょっとした子供のお小遣い稼ぎや両親のお手伝い感覚でもありますよ。」
家族が多くなったら食費も嵩むから、家計を支えるお手伝いって所だな。
「でも、誰でも簡単に出来る依頼なら、すぐにランク9に上がれるんじゃないのか?」
そこは昇級試験の時にキッチリと選別するらしい。
「試験条件に自己レベル10以上で、最低限の装備を整えてる事。」
この条件がクリア出来て初めて試験を受ける事が出来る。
「試験内容も試験官と一緒に森に入って10回魔物を狩る事ですからね。」
依頼を受けた冒険者が試験官という名目の護衛になり、引率して森での狩りを教えると言うのが、ランク9に上がる試験の実態みたいだ。
「ある程度大きくならないと、レベル10なんてならないし、森の浅い所に出る魔物なんてゴブリン位ですしね。」
浅い所ならゴブリンも少数でしか出ないから問題無いのか。
「最低限の予防はしますが、本来冒険者は自己責任ですからね。」
なるほど、無謀なヤツまで面倒は見ないと言うのは納得だ。
「そう言った点では、あなた方の格好は落第ですよ!」
普段着だもんな。
「それとこの依頼を受けるなら注意として、何セット持ち込もうと一度の持ち込みで1回ですからね。」
10セット持って行ってもダメって事か。
「なら、1セットを10回に別けて持ち込んだらどうなるんだ?」
「それならばOKです。 ですから注意事項なんです。」
きっと纏めて持って行って1回分しか達成が認められなくてトラブルになるんだろうな………。
「正直、私達も思うんですけど規則ですから。」
この救済措置的な依頼も、この辺境伯領独自の政策なので、他ではこう言うトラブルは無いらしい。
「それでも、弱者にも手を伸ばしてくれる領主様には感謝です。」
うん、この領地に住む人は随分と恵まれてるんだろう。
為政者がしっかりとしてるなんて……向こう世界と比べるだけ空しいな。
「それに比べて、自分勝手なアイツらは滅びればいいんです!」
また、フロアさんがダークモードに………本当に何をやったんだソイツら。
まぁいい。
折角の異世界の街だ。
まずはそちらを楽しもう!
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