026 素材を買い取りしてもらいます。
本日3話目です。
「すみませ~ん、ダウトさん。 買い取りお願いします。」
ダウトって名前が怪しいんですけど~。
さっきのマヌーケ兵長もそうだけど名前に悪意が無いか?
「はいはい、フロアさんが案内して来るなんて珍しいですね。 普段は過度の接客は趣味じゃ無いって仰ってるのに。」
「……ノ、ノルマがキツイんですっ!」
何か二人にしか分からない事を話しているが、買い取りをして欲しいな。
「ああ、申し訳ありません。 では素材を見せて頂いて良いでしょうか?」
俺はイモ虫の魔石のカードを出す。
「ブルーキャタピラーの魔石ですか。 解体のレベルは高いようですね。 コレでしたら小銀貨1枚と大銅貨5枚出しましょう。」
あれ?
門の所で聞いたよりも大銅貨5枚も多いぞ?
解体のレベル? やっぱり買い取りに影響するのか?
「おや、何やら納得出来ないようですね。 門の所で聞いた値段と違う……とか?」
何よ? 何で分かるんだよ⁉
「その顔『ダウト』ですよ。 分かり易すぎです。」
(顔色何かで思ってる事を言い当てるのか! 名前を聞いてぶっちゃけナメてた。)
「ああ名前ですね、通り名ですよ。 私を一番理解して貰える名前でしょう?」
(だから、なんで何も言ってないのに分かるんだよ!)
「私に対してはそう言う物だと理解して下さい。 まず、ブルーキャタピラーの魔石が小銀貨1枚と言うのは税金を乗せた上の最低額です。 見る目の無い人でも損しない金額と言う訳ですね。」
「まぁ、タチの悪い商人は別ですが。」
素材の品質は善し悪しは含まずに査定するから、門のでは最低額を提示するそうだ。
聞いて無いぞ……マヌーケ。
それで解体のレベルは、取得するカード種類とは別に品質も関係するらしく、カードに写ってる素材の絵柄がクッキリ写ってる程、高品質なんだそうだ。
「因みに、同じカードで品質が悪いのはこうなります。」
ダウトさんは買い取りカウンターから、同じカードを出して見せてくれる。
ブルーキャタピラーの魔石の名前は同じだが、カードに写ってる魔石はピンボケしたみたいにブレて見えた。
「コレが最低品質ですね。 これ以上悪くなると解体失敗でカード化はされないでしょう。」
カード化されるギリギリレベルでこれなのか。
「ピンボケから始まって、絵の輪郭のボヤけ具合で品質が分かるのです。」
そうなのか……言われて見て改めて思い出すとシルフィから貰ったカードは絵が少し滲んでいたような気がしてたんだよな。
今は俺のスキルを転写してるから問題無いけど、以前はLv5だったよな。
「その点、このカードは一切の滲みがありませんので、最高品質として査定されています。」
おおっ……さすがチートな俺!
「買取りは以上で良いでしょうか?」
1枚しか出さなかったから、もう無いのか聞いている。
普通は最初から纏めて出すんだろうな……フロアさん、あからさまにガッカリした顔しない!
「すみません。 良く分からなかったもので……これをお願いします。」
俺は換金用に(ミズとミドリ2匹が)倒していたカードを出した。
枚数が多かったので種族別に紐で結んでいるが全部で千枚以上ある。
「ま、枚数が結構ありますね……拝見します。」
流石にこの枚数にビックリしているようだ……フロアさんも口を閉じて下さい。
「こ、これは……ブラッドウルフですか……ゴブリンは良いとして……」
ああ、オオカミは群れで襲って来たから大漁なんだよな。
ゴブリンも同じなんだけど、扱いが可哀想だ………。
「ゴブリンの中に然り気無くキングやナイト、メイジが混じってるじゃないですか!」
居たのか……ミズとミドリが一網打尽にして、一ヶ所に集めたヤツを纏めて解体したから、確認してなかったぜ……だってゴブリンだもん。
「ゴブリンでも違いがあるのか……。」
俺の小説でも違ってたけどね。
こっちも同じかどうか分からないしね。
「そりゃ、違いますよ。 決まってるじゃないですか。」
でも、数が多くてもしっかりと1枚1枚確認するんだね。
当たり前だけどね……俺なら途中でテキトーに流しそう。
「それでは査定出来ましたので確認願います。 カード枚数も確認願いますね。」
ブラッドウルフ
魔石 銀貨1枚が102枚
毛皮 銀貨3枚と小銀貨5枚が102枚
肉 小銀貨1枚が102枚
血 小銀貨3枚が102枚
牙 小銀貨1枚が102枚
骨 小銀貨1枚が102枚
ゴブリン
魔石 小銀貨1枚が467枚
ゴブリンメイジ
魔石 小銀貨5枚が32枚
呪術杖 銀貨1枚が16枚
ゴブリンナイト
魔石 小銀貨5枚が48枚
青銅の剣 銀貨1枚と小銀貨3枚が39枚
ゴブリンキング
魔石 大銀貨5枚が1枚
王杖 銀貨6枚が1枚
「締めてカードが1216枚ありました。」
「合計金額が、大銀貨72枚と銀貨9枚に小銀貨6枚です。」
あ………………うん、ヤっちゃったねこれは。
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