024 最初は冒険者ギルドに行こう。
どうにか街に入る事が出来たけど、先立つ金が無い。
まずは、冒険者ギルドに行って登録してから素材の買い取りをして貰わねば!
「冒険者ギルドならここを真っ直ぐ行ったら、剣と盾の看板が見えるからよ、すぐに分かるぜ!」
間抜……マヌーケ兵長が親切に教えてくれる。
本当に休みの日に街で会ったら酒を奢ってやろう。
「言われた通りに来てみたんだが・・・」
建物の入り口の上にネオンサインで『ピッカピカ』とド派手に、【WelCome!to冒険者ギルド】と光輝いていた。
「めっちゃ輝いとる! 分かりやすっ! 言われた看板小っさ! 分かりにくっ!」
物凄い自己主張の激しい看板に隠れて、半分外れかけた剣と盾の看板があった。
何か、ボッタクリの店のような怪しい雰囲気というか……詐欺くさい匂いが……とても胡散臭い。
「まぁ一先ずは入らないと始まらない……。」
胡散臭い感じだけど冒険者ギルド……お約束の新人の洗礼なんか……
「いらっしゃいませ~♪ ようこそお越し下さいました! ご主人様~♪」
「今日は何になさいます? フランクボアのステーキなんてオススメですよ! 良く冷えたワインと一緒にどうです? それともワイルドにエールを一樽イッキ⁉」
「お嬢ちゃん達は高級葡萄ジュースなんてどうかしら?」
まんまボッタクリの店かいっ!
なんか、露出多めで胸を強調したお姉さんズが、俺達を取り囲む。
腕に当たる胸が………至福です!
「い、いや、ギルドに新規登録しに来たんだが………。」
お姉さんズはそれを聞くとアッサリと離れて行く。
「チッ、新人の貧乏人かよ……」
「あ~あっ、愛想振り撒いて損しちゃったよ。」
「ホラよ、紛らわしいヤツはアッチだよ!さっさと消えな!」
シッシと手を振りながら、受付の場所を教えてくれる……お約束の新人の洗礼より酷くないか?
気を取り直して受付カウンターに行く。
「すみません……ウチは歩合給な物ですから……ノルマがキツいんです。」
受付カウンターの所に居たお姉さんが謝ってくる。
冒険者ギルドの職員が歩合給って………ノルマ⁉。
「とりあえず、俺達3人新規登録で、後は素材の買い取りをお願いしたい。」
お姉さんは分かりましたと記入用紙を出し、登録後にあちらが買い取りカウンターになるから行って下さいと隣の部屋を指差す。
「買い取りは金額交渉とか、いくら儲かったのかなど、少々人目を避けた方がいい場合も有りますので別室になっています。」
なるほど納得だ。
さて、記入用紙だけど……日本語で書いてあるね……ってか良く考えたら言葉も日本語で通じてるよね? 今更だけど可笑しくね?
「何か分からない事が……あっ、もし文字が分からないんでしたら、代筆も出来ますよ。」
俺が用紙をガン見して固まってたから誤解したようだ。
「いや、分かるから大丈夫。」
良く目を凝らして見たら、日本語の文字に重なって、ウッスラと知らない文字が浮かんで来る。
自動翻訳か? 文字も言葉も不思議パワーで解決か⁉
イージーモード万歳! とりあえず深く考えたら負けだ。
そう言うもんだと理解しよう。
「名前は……ゼンと、人種は人間、職種?旅人か?」
書くのはコレだけか……人種を変態、職種を通り魔とか書いたらどうするんだ?
「えっ?通り魔の変態さんなんですか!」
「冗談に決まってるだろう。」
「申告した通りになりますよ なさいますか?」
「するか! 記入した通りでお願いします。」
受付のお姉さんはカードを取り出して鑑定盤に嵌め込む。
「まずは、このカードに血を1滴付けから鑑定盤に手を乗せて下さい。」
そう言って針を俺に手渡す。
言われた通りに血をカードに付けて手を鑑定盤に乗せる。
鑑定盤が青白く光った時に先程記入した紙を血の付いたらカードにくっ付ける。
青白い光が、カードに集まると共にくっ付けた紙が燃え上がる。
ちょっとビックリしていると、お姉さんが「この火は大丈夫熱く無いですよ。」と言ってくれる。
いや、初めに言ってくれんとビックリするって!
イケズやわ~、ホンマ敵わんわ~。
なんて言いつつも登録が完了した。
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