013 力の譲渡って出来るの?
やっぱり、ネトゲとかでペットに選ぶならコイツよね!
って言うような癒し担当の涙腺型な『ぽよんぽよん』な擬音が似合うアイツが目の前に現れた。
「おかしな形だな、まぁ区別がついて分かり易いかもしれないけど。」
「何かぁ~、『ぷにぷに』しててぇ~、カワイイですぅ~! こっちの方が好きかもぉ~。」
「それは言えるな。」
それには俺も同意だ。
魔力を注ぎ込む時にこの形をイメージしたのが原因かな?
もしかして狂暴なオオカミみたいな魔物を従魔にする時に子犬的なワンコをイメージしたらその姿になるのかな?
今度、機会があれば是非とも試してみよう。
兎も角として、この姿は大歓迎だ。
「まぁ形は兎も角、早速指示を出してみろよ。」
水の精霊に言われるままにスライムに指示を出す。
言葉で命令すれば良いだけなので簡単だ。
「この刈り取った草を食べて処理してくれ! 後、刈り残した草は残しておけよ、伸びた分は食べてOKだ。 この長さを維持させてくれ。」
『分かりました。』と返事するように『ぷよんぷよん』と体を動かして刈り取った草を吸収し始める。
「結構吸収が速いな。 お前の力の影響かな?」
そんな事を言われても分からん。
ステータスを見ても何も出てないしな。
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◆ 【従魔スライム】
Lv 3
HP 10
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名前が従魔スライムになってるだけだ。
更に名前の所をタップして説明文を見ても前に見たのと変わらない。
「従魔スライムってなってるけど、他は変わりはないな。」
そう言えばこの泉の所に来た時は、全然ステータスチェックしなかったな。
もし鑑定してたら、従魔スライムって表示されていたかも……確認は大事だな。
「前にも言ったけど、私らは鑑定なんてスキルは持ち合わせて無いからな。 意見を求められても困る。」
「でもぉ~、便利そうですよねぇ~。」
確かに便利だし重宝しているな。
内容が不親切な時があるけど……。
「確かに便利そうだ。 使えるヤツが全く居ない訳じゃないから、手に入れる方法はあるのかもしれないな。」
レアスキルなのかな?
俺はアッサリ手に入れたからレアかどうかは分からないけどな。
「そぉだ~、私ぃ~、こんなの持ってますよぉ~、スキル球ぅ~。」
スキルキュウ?
卓球のボール位のガラス玉……水晶か? ああっ、球ね!
なんだそれは? スキルって言うからスキル取得に何か関係あるのか?
「珍しいモン持ってるじゃん!」
珍しいのか……。
「それはなんだ?」
「コレはぁ~、持っているスキルを転写してぇ~、他の人に分け与える事が出来るぅ~、アイテムですぅ。」
「スキル持ちのヤツが、スキルをこの水晶に発動させれば転写する事が出来るのさ。」
そんなチートなアイテムがあるのか!
「クリスタルゴーレムがぁ~、極稀に落とすアイテムですぅ~。」
「そんなの良く持ってたな!」
「私の領域にぃ~、無断で入って来てぇ~、荒らしてたのでぇ~、お仕置きしたらぁ~、落としたんですよぉ。」
クリスタルゴーレムなんて名前からして強そうな魔物を倒す事が出来るのか。
絶対に怒らせないようにしよう。
「スキル球はいいが、鑑定なんてレアスキルを分けてくれるのか?」
「別に転写って言う位だし、無くなる訳じゃ無いんだろ? 二人になら加護とか貰ってるし、別に構わないぜ。」
レアスキルって感覚も無いしな!
イージーモード万歳!
「ラッキー! なんか私らの方が得してないか?」
「実体化もさせて貰ってますしぃ~、本当に感謝、感謝ですよぉ~。」
スキル球に鑑定を転写して木の精霊に手渡す。
手に握り込んだスキル球が光を発して、木の精霊の体を包み込む。
「無事にぃ~、鑑定スキルゲットしちゃいましたぁ~。」
本当にイージーモードだな。
スキル転写は一度しか出来ないみたいだけど、スキル球自体は何度も使えるみたいだし。
俺も欲しいぞ、スキル球!
もう一度同じ様にスキル球に鑑定スキルを転写して、水の精霊も鑑定を無事ゲットした。
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