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~第一話  幕開け~

ある惑星の上を飛行していた一隻の大型船が異常に気付いた。


 「ク、クロラフォルト艦長。救難信号です。」

 「どこからだ?」

 「それが・・・・」


 急に黙った通信士に早く報告するよう催促した。


 「どうした、早く言ってくれ。」

 「は、はい・・・」


 通信士は救難信号の情報が信じられないという顔をして、救難信号の情報が嘘か真かが分からず周りに聞

こえてしまうと動揺を招きかねないので、クロラフォルトに直接耳打ちした。

 通信士から聞いた情報にクロラフォルトも驚いていた。

 

 「本当なのか?」

 「はい、救難信号はそこから来ています。古い文献を先ほど確認したところ、その場所に関する座標があったので確認してみたところ、一致していました。」

 「ふむ・・・。分かった。報告ありがとう。引き続き信号をキャッチし続けてくれ。」

 「了解しました。」


 クロラフォルトはどうしたものか、と考えこんでいた。


 (あ~、こういうのは一回本部を通してから「ここ」に行くべきなんだけど、事情が事情だし・・・。)

 

 考えこんでいると何か閃きまた考えこんだ。


 (そうだ!久しぶりにあいつらを外に出そう!。最近ずっと移動ばっかだったからね。ストレス発散として動かすか。)


 そう考えると自分専属の護衛を探し歩き始めた。少し歩くと、黒いスーツ姿に、片手に薄く大きい端末を見ながら仕事をしている女性を見つけた。


 「ちょっとちょっと、そこの護衛君。ちょっと頼みがあるんだけど。」

 

 そういうと、ひとりの女性が振り返った。


 「艦長・・・。私の名前は、椎木しぎ みさお です。いい加減覚えてください・・・。」


 と椎木は呆れた声で言った。


 「分った分った。」


 と、にやにやしながら椎木の話を軽く受け流し本題に入った。

 

 「つい先ほど、面白い情報を通信士君が持ってきたんだよ」

 「なんですか?」

 「それはだな・・・」


 クロラフォルトは周りに誰もいないことを確認してから小さな声で言った。


 「え・・・。そ、それは、本当なんですか!?。」

 「いや、まだわからない。座標は一致しているが、そこが本当にそうなのかは分からない。いかんせん実物の画像がないからね。」

 「でも何故そこから救難信号が?」

 「さぁ、それは分からない。でもこれからその謎を解く為の準備をするから手伝ってくれ。」

 「分りました。」

 「早速で悪いんだがこのカードを北東A-5製造区画にいるクライラス・アルキンっていう人に渡して来てくれ。」

 「分りました・・・。」


 と椎木が言うと、彼女はクロラフォルトから手渡されたカードをじっと見つめていた。


 「あの、艦長。」

 「ん?どうした?」

 「この白いカード初めて見たのですが。」

 「だってこのカードは各艦の艦長、もしくはこの艦と同様の店と艦が一体型の店長兼艦長にしか渡されてないからね。そもそも、『このカードは自分が一番信頼する護衛の者。自分が一番信頼する者に対して渡してはいけない。またそれ以外の者もしかり。』っていう本部からのお達しでね。でも今は状況が状況だからそんな悠長なことは言っていられない。」

 「でも・・・。いいんですか?本部からの命令なんですよね。」

 「大丈夫大丈夫。私これ二回やってるから」


 と、クロラフォルトは手をひらひらさせながら笑って言った。


 「クライラスはこのカードの存在は知ってるし、手順は分かってるから、私がさっき話したことを全部彼に話すだけで十分だ。」

 「はあ。それで、残りの一回は?」

 「残りの一回は、この艦の誰かにやらせても大丈夫なのかを試してみただけだ。」

 「ええ~・・・・。そんな理由でこれ使っていいんですか?」

 「報告書と書けとか言われてないし」


 という言葉を聞いて呆れて椎木は「はぁ・・・」とため息をついた。


 「分りました。それでは行ってきます。」

 「ああ。いってらっしゃい。」


 と、椎木との会話を終え、椎木の姿が見えなくなったところで、その場で小型端末を取り出し電話をかけ始めた。


 「はい。どちらさま?」

 「やあ。久々だね。アルキン」

 「そうだなクロラフォルト。お前からの電話なんて珍しいな。どうしたんだ。」

 「今そっちに私のお気に入りの護衛君の椎木を向かわせたから。用件は彼女が話してくれるよ。」

 「分った。」

 「それじゃあ。」


 とクロラフォルトが言うと、クライラスは慌てて「まっ、待ってくれ」と言った。


 「ん。どうした?」

 「どうしたじゃない。お前何を隠してる?大体こういう事をする時は何か隠してる時だ」

 「お~鋭いね~」


 と彼女は言うと


 「ん~。今すぐには言えないけど、これだけは言っておくよ。」


 というと彼女は間をあけて言った。


 「これから面白くなるぞ」


 と彼女は言って一方的に電話を切った。

 すると彼女はクライラスと通話を終えるとすぐに違う番号にかけた。


 「やあやあ。今ちょっと大丈夫かい?」

 「どうも、クロラフォルト。大丈夫だよ。」

 「悪いね。今から少し作ってもらいたい物があるんだがいいかな?」

  ・・・・・・

 

 と彼女が違う番号に掛けて話している間に椎木は北東A-5製造区画のクライラスのいる建物の前についた。


 「こんにちわー。クライラスさんはいますか?」

 

 と、椎木がクライラスのいる建物の中に入り、少し大きめな声でクライラスを呼んだ。すると「お、来たか。」と小声でクライラスはつぶやき、椎木と同じぐらいの声で返事をした。


 「すまないが、いま手が離せないんだ。悪いがこっちに来てくれないか?」

 「分りましたー。」


 という椎木の声が聞こえてからほんの少ししたら、椎木がクライラスのところに来た。クライラスは作業を止め、どういう用件かを聞いた。


 「椎木さんが来るのはクロラフォルト聞いてるよ。で、用件ていうのは何だい?」

 「はい。先にこのカードを渡してから話そうと思います。」


 彼女はそう言い彼にクロラフォルトから預かった『白いカード』を手渡した。

『白いカード』を手渡された彼は急に笑い出した。


 「くっくっくっ・・・・・あっはっはっはっはっ!」

 (なるほど。面白くなるというのはそういうことか。クロラフォルト。)


 と急にクライラスが大声で笑いだしたので椎木は驚いた顔をしていた。


 「ど、どうしたんですか?急にお笑いになられて。」

 「す、すまない。なんでもないんだ。用件のほうを話しておくれ。」

 「は、はい。では・・・。」


 こほんと小さく咳払いをし話し始めた。


 「この情報はまだ不確定要素が多数含まれていますので、先ほどお渡ししたカードと関係のあるお方にだけお話しください。それは以外では他言無用でお願いいたします。」

 「わかった。」


 とクライラスは言い、椎木は艦長から聞かされた話をすべて話した。


 「ふむ・・・・。ありがとう。事情は概ね理解したよ。報告お疲れさま。」

 「はい。それでは失礼します。」


 と彼女は言い、クライラスのもとを去っていった。椎木が去っていくのを確認するとクライラスも電話を掛け始めた。


 「もしもし、ウルウォルトはいるかな」

 「俺だけど。」


 と若い声とそっけない返事が返って来た。


 「ウル坊、面白い話が来たんだ」

 「なんだよ、面白い話って。またあんたの武器の調整にまるまる二日~三日つぶされるのは嫌だぞ。」

 「違う違う、そんな話じゃない。君に仕事の依頼だ。正確には君たちだけどね。」

 「あ?どういうことだよ。」

 「今俺の手には『カード』を握っている。さて、なんのカードか分かるか?」

 「『カード』?・・・。」


 とウルウォルトは少し考えると小さな声で「あっ」といった。クライラスにはその声が聞こえたらしく、


 「お、気付いたようだな」


 と言って来た。


 「なるほど。んで?次の仕事場はどこだ?惑星墓地か?ナバスサルトリアか?できれば惑星墓地はやめてくれ。」

 「久々の仕事で興奮するのは分かるが、最後まで人の話をきくんだ。」

 「わるい。」

 「別にいいさ。」

 「んで、仕事場はどこなんだ?」

 「いいか?よく聞いてくれ?次の仕事場は・・・・」


 とクライラスはもったいぶって間をあけて次の仕事場を言おうとした時、クライラスとの会話を終えてすぐに違う番号に掛けていたクロラフォルトもそろそろ話が終わりそうになっていた。


 「クロの話を聞く限りそれを作るには大きめの土地とそれなりに強度を持った惑星じゃないとだめだよ?」

 「そうなんだよ。今、君が言ったとおりの条件が必要だ。だが、その条件が揃っている惑星を私は知ってる。聞きたいか?」

 「うん、すごく興味があるよ。」

 「その場所はな・・・」


 クロラフォルトとクライラスはわざとタイミングを計ったかのように同時に通話相手にこう言った。

 


 

 「「地球だ」」



第1話です。同じ日にプロローグと第一話をだそうと思っていたのでよかったです。ちなみにクライラスはおじいさん設定です。57歳です。元凄腕兵士で、冬に外で焼いたネギを食べるのが大好きなおじいさんです。(*'ω'*)

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