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プラマイゼロ  作者: のらくん
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昆虫世界の文明生活

現世に於いて、地球年10年が経過した。


ここで、遅れ馳せながら私の現世の状況を説明しよう。


現世に於ける文明ヒエラルキーの最上位に位置する種族に転生したお陰で、社会保障、医療保障、行政サービス、教育、その他各種サポートを受けられるため、居心地の良い生活を送っている。


なお、現世に直接の親は居ない。


誕生から10年の間、私の成長をサポートしてくれたのは地球で言うところの児童施設だが、特別な事ではなく、これが一般的な保育教育制度である。


さらに言えば、地球に於ける霊長類に相当する種族でもない。


地球人の常識では表現出来ない種族になる。


強いて言えば、地球上の昆虫に近い。

飛蝗や蟷螂が近いと思う。


とは言え、文明ヒエラルキーの最上位に位置するだけ有って、手先が器用で二足歩行に進化しているのは、地球に近い環境だからだろうか。


細かい生活環境を説明し始めると、それだけで小説が一冊書けてしまいそうなので、詳細は割愛するが、日常の生活環境は、高度に発達した想定のSF映画相当だと考えれば、あまり遠くない。


但し、恒星間航行は未だ達成していないレベルにある(燃焼の反作用による原動機を用いた所謂ロケットから、核融合推進に移行しようという時期にある)。


この辺り、現在の地球の一世紀から半世紀程先の科学技術レベルにあると考える。


地上移動手段は、完全自動運転の浮上式乗り物を用いており、交通禍を排除することに成功している。


しかし、ある理由で航空機の運用は憚られる様で、研究は行われているものの、交通機関としては用いられていない。


宇宙船は発達しているのだが。


食事の楽しみは、無い。


栄養の摂取に関しては極端に合理化されていて、地球で言うところのサプリメント等の錠剤状の栄養食品を摂取するのみ。


他の世に於いて食事の楽しみを経験してきた私にとっては、寂しい限りだ。


なお、水に関しては上水設備の発達により、現在の日本レベルの清浄さで、給水設備から直接摂取出来る。


・・・・・。


現世に於いて、地球年30年が経過した。


言い忘れたが、この種族の寿命は平均で地球年200年である。


私の場合、ほぼ無限の生存経験を持つが故に、要職に就くことは無理が無い状況にある。


但し、それと引き換えに、私の立場を良しとしない存在達にとっては、私は非常に邪魔な存在となる。


結論的には、私は暗殺されてしまった。


地球年で35歳の時であった。


経験を生かせないパーソナリティを恨んでも、後の祭りである。


・・・・・。


続く。

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