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プラマイゼロ  作者: のらくん
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私の無限転生物語

今度は、どんな世だろう?


・・・・・。


数限り無い転生を繰り返し、


ありとあらゆる世を経験し、


ありとあらゆる生命体を経験した私は、どういう訳か全ての記憶を維持している。


但し、都合良く忘れる事も出来るので、大まかな記憶になってはいるが。


もう何度目かの転生だったかも忘れた。


今度生まれたこの世は、居心地の良いところだろうか?それとも、居心地の悪いところだろうか?


そして、私は、どんな種族になったのだろうか?


そして・・・、今度は誰が、何が、死んだのだろうか?


・・・・・。


生命が、その合計数は常に一定で、ある天体の、あるシステムによって、その振り分け先が管理されていることが分かったのは、いつの事だっただろう。


さて。


小はファージ、原生動物、細菌等々から、大は惑星、島宇宙、星間物質等々まで、およそ生命と区別可能な存在の合計数は、世の始まりから常に一定であり、変化しない。


敢えて差異が発生するとすれば、進化の度合いの差のみ。


ダイソンスフィア、軌道エレベータ、恒星間航行、不老不死、クローン、重力制御、無制限即時情報伝達等が、宇宙に於ける有り触れた技術である事に気づいたのは、地球基準で何億年前だろうか?


現在の地球は、霊長類が文明ヒエラルキーの最上位に居る(と、勘違いしている)が、霊長類以外の種族が地球を含む数多の天体に於ける文明ヒエラルキーの最上位に位置する世も、数え切れない程だ。


生命の総数が一定なのは、さて置き、生体として発生する確率(以降、誕生と称する)と終了する確率(以降、死亡と称する)はランダムだと、現在の地球人類は認識しているだろう。


しかし、果たして本当にそうだろうか?


電子顕微鏡スケールの生命から、動物、植物、星間システム生命体、島宇宙、等々、生命を形作る仕組みは現在の地球人類の認識に於いても無限に存在し、生と死の確率等、議論する事すら無意味なランダム現象だと考えがちだ。


しかし、ランダムに見えているだけだと考えられないだろうか?


それこそ、あるシステムの制御が緻密かつ正確であるからこその成果なのだ。


つまり、あるシステムの制御は、現在の地球人類の技術基準では計り知れない、途轍も無い制御ロジックの成せる技なのだ。


一つ、あるシステムの一端を開示しよう。


そのシステム配下に、生命バンクとでも言うべき生命管理保存システム(以降、ライフシステムと称する)が存在する。


ライフシステムの管理の基本原則は、プラマイゼロである。


つまり、一つの誕生は、同時に一つの死亡と直結している。


何某何介さんが死亡したら、何某何子さんが誕生する。


インフルエンザウィルスが一つ、空気清浄機で駆除されたら、シロナガスクジラの赤ちゃんが誕生する。


アンドロメダ銀河に属する或る惑星が崩壊したら、惑星一つと、崩壊した惑星に存在していた生命体の数分、どこかで生命が誕生する。


こんな具合で、ライフシステムによる生命管理は、パーフェクトに稼働している。


まずは、このライフシステムが管理していることによる、事象の一端を、私の経験に基づいて、語って行こう。


果たして、今度の世の文明ヒエラルキーの最上位は、どの様な種族なのだろう?


・・・・・。


現世に於いて、現在の地球で言うところの凡そ3年(以降、地球年と称する)が経過した。


私は、その特殊能力のお陰で、どの様な世に転生しても、短期間のうちに、概ねスムーズに新しい世に馴染める。


経験上、転生した世に於ける文明ヒエラルキーの最上位に誕生しないと、私の生存期間が恐ろしく短期間に終わる事は、ご想像の通りである。


現世に於いて地球年3年を永らえたと言う事は、概ね幸運だったと考えられよう。


しかも、私の属する種族は、その科学技術力によって現世に於ける文明ヒエラルキーの最上位に位置しており、はみ出した生き方を選択しない限り、種族の寿命を全う出来る可能性は充分な様だ。


・・・・・。


続く。

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