第45話「不完全と完全」
スメラギ国・都心部
空中を浮遊する完全体となったオリジナルの火条ツカサ。
その姿は紅く、フェニックスの翼を模したようなマントに、頭部や腕といった全身のあちこちにフェニックスをイメージした意匠が取り入れられている。
完全体・ツカサは自分の体をじっくりと見回しながら「フェニックスか。この姿はクローンのもつイメージが投影されたものだな」と、観察する。
完全体・ツカサの下にあるのはオフィスビルや駅ターミナルといった交通機関がある主要区域。
ニヤリとした完全体・ツカサは、人差し指に小さくエネルギーを集中させビル群へ放つ。
上空から伸びてきた光の筋は、眩く広がってビル群を飲み込む。
光が消えると一面瓦礫が広がる世界に変わっている。
「ハハハハハハッ。これならかつての高天原を沈めるのは容易い。これを世界への見せしめとしてやろう」
そこへ100台以上にのぼる戦車と軍用ヘリの一団がやってくる。
***
総理官邸・総理執務室
スメラギ国内閣総理大臣グールド・グレモリーに状況報告をする官僚。
「首相、国際軍の配置が完了しました。指揮権をこちらに譲渡するとのことです。これより作戦の実行に入ります」
「わかった」
「ですが、軍事行動の指揮権をあのレオス大臣が、よく我々に⋯⋯」
「あの男は、私に逆らえんさ」
国際軍の軍事行動指揮権は原則、星帝または国際防衛大臣が所有し、派遣された国の首長には、災害救助、復旧活動の場合にのみ指揮権が譲渡できる。
今回のレオス・アルベルトの判断は異例である。
***
大破した軍用ヘリの山。
完全体・ツカサの指先から放たれるビームによって戦車たちが次々に破壊されていく。
「ふん、非力な」
完全体・ツカサが見やると、遠くの空に4つの光。
スーパーローズライナー、アームキャリバー、AGX-Ⅱダークソルシエール、AGX-Ⅳペルフェクシオンが飛んでくる。
***
回想
キサヒメ学園・地下秘密基地
アームキャリバーのコックピットを整備している織田ラルフ。
操作モニターの画面に違和感のあるアイコンを発見して「何だこれ?」とアイコンをタッチする。
するとアームキャリバーキャリバーの両目から光が出て、キャプテン・バロックのホログラム映像が映し出される。
「キャプテン⁉︎」と驚く月代サヨ。
直江尊、火条アルテ、黒雛かなみも集まってホログラム映像を再生する。
「生活案全部諸君、そして黒雛かなみ君、君たちがこの映像を見ているということは、私が地球の記憶による世界の改変に失敗し、死んだということだ。
そこで君たちにウルヴァからの最後のメッセージを託そう。オリジナルの火条ツカサを殺してくれ。ニャルラトホテプの計画を止めるんだ。
ニャルラトホテプは、移植に失敗した火条ツカサの記憶データを日本に持ち帰り、ツカサ機関を立ち上げてゼロノイド研究を続けていた。
このままでは地球が滅んでしまう。頼んだぞ」
***
「みんな、力攻めで一気に行こう」と、AGX-Ⅳペルフェクシオンを操縦するシューティングアーマーイノセントフォームの掛け声で一斉に攻撃を始める。
「ドリルハリケーン!」「ダークネスキャノン!」「行け! ドローンビット」「キャリバーキャノン!」4機の同時攻撃が完全体・ツカサに浴びせられる。
完全体・ツカサは、飛んでくるビームの隙間をすり抜けてかわしていく。
掠って腕にできた熱傷を見やる完全体・ツカサ。
「なるほどクローンを失いアーマードギアではもう俺に勝てないと踏んだか」
「みんなまだだ。アビリティマシンの武器なら、リボルブレイカー以上の威力だ。これでオリジナルツカサの細胞を燃やし尽くす」
と、AGX-Ⅳペルフェクシオンは、装備された10機全てのドローンビットを射出して、次々にビームを放っていく。
飛んできたドローンビットのビームを手で弾き返す完全体・ツカサ。
「ふん、それでアビリティマシンによる高出力の火力攻めというわけか。だが、当たらなければ意味がない」
完全体・ツカサは、飛び回って4機を翻弄する。
「(アルテ)やっぱり蚊のようにちょこまかして倒しづらい」
操作モニターに映し出されるオート照準が捉えきれないことに「わかってはいたけど⋯⋯」と、苛立つドレスヴァイスブラッディ。
「(サヨ)私に任せて」
AGX-Ⅱダークソルシエールは、魔法陣を展開して完全体・ツカサを潜らせる。
魔法によって完全体・ツカサは、4機と同じサイズまで巨大化する。
「今だ!」と、AGX-Ⅳペルフェクシオン、アームキャリバー、スーパーローズライナーが斬りかかる。
「くらえ!」と、正面から斬りかかるAGX-Ⅳペルフェクシオン。
後ろに下がって避けた完全体・ツカサに
「(ドレスヴァイスブラッディ)これで!」「火条ツカサ、私はお前を倒すために作られた」と、
アームキャリバーが側面からキャリバーソードを振り下ろす。
完全体・ツカサは、払いのけるように手で弾き返す。
「(アルテ)ツカサを返せぇ!」と、間髪を入れずローズソードを振り下ろすスーパーローズライナー。
完全体・ツカサは2本の指で白刃どりしてローズソードごとスーパーローズライナーを振り払う。
3機の剣撃がダメージに繋がらない。
「この程度か!」と完全体・ツカサは反撃に出る。
アームキャリバーとAGX-Ⅳペルフェクシオンを、エネルギーを纏った拳で殴り飛ばす。
そして背後からランサーで攻撃をしかけてきたAGX-Ⅱダークソルシエールを回し蹴りで地面に叩きつける。
立ち上がったスーパーローズライナーは、諦めず何度もローズソードを振るうが、完全体・ツカサに簡単にかわされてしまう。
「(尊)アルテ、体のコントロールを俺に任せろ!」
尊にコントロールが移ったことでローズソードの太刀筋が変わる。
それまで余裕な態度でローズソードをかわしていた完全体・ツカサの表情が強張る。
繰り出されるあざやかな剣裁きで、次第に完全体・ツカサの頬や腕に斬り傷が出来ていく。
不意打ちに左手のローズライフルを撃っては確実にダメージを与えていく。
「こしゃくな!」
「(アルテ)ツカサ! ツカサ! ツカサ!」と、剣撃を与えながら完全体・ツカサに迫っていく。
「呼びかけているのか?」
「(アルテ)ツカサ目覚めて私よ。ツカサ!」
「確かにうっとおしい女だ。だが、ムダだ。俺とクローンは一つとなり記憶だけを共有し、奴の人格は消滅した!」
スーパーローズライナーはチェンソーブレードを取り出してローズソードと連結させナギナタモードにする。
「(尊)何をするんだアルテ!」
アルテの強い思いが尊からコントロールを奪い、完全体・ツカサに斬りかかる。
「うおおおお!」
「真正面から? そんなもの片手で」
片手で止める前にチェンソーブレードの刃が完全体・ツカサの肩に食い込む。
「何⁉︎ 」
血しぶきをあげて回転するチェンソーブレード。
「うああああ! この女ッ!」
完全体・ツカサは、全身にマグマのようなエネルギーを溜めて一気に炎を放出して、スーパーローズライナーを弾き飛ばす。
アルテが無理矢理コントロールを奪ったことでスーパーローズライナーの制御機能が停止してその場に倒れてしまう。
炎と一緒に全身に帯びていたサヨの魔力が放出され完全体・ツカサは元の人間サイズに戻る。
「しつこい連中だった。これでお終いにしよう」と、右手を翳してエネルギーを集中させていく。
球状のエネルギーが次第に大きくなり、完全体・ツカサの2倍以上の大きさになる。
「終わりだ」と、完全体・ツカサが、倒れている4機にエネルギーを放とうとしたとき、エネルギーが"パンッ"と弾ける。
「何だ?」
完全体・ツカサは、右腕を見やると皮膚にヒビが入ってボロボロと剥がれていく。
そのひび割れが全身に発生して「何だこれは⁉︎」と、完全体・ツカサが呻き声を上げた瞬間全身を覆っていたゼロノイド細胞が弾ける。
そして現れた火条ツカサは"ハッ"と、意識を取り戻す。
「俺は何をやっていたんだ?」
「(アルテ)ツカサ!」
ツカサの全身は白いオーラで覆われている。
「どうなっているんだコレ?」
「それが全ての救世の巫女を手に入れた者に表れる力だよ」と、ブラックジョーカーとブラッドレールが現れる。
「グールド!」
「早く変身しなさい、火条ツカサ!」
倒れている4機もツカサに注目する。
「よっしゃ、ファイヤーアーマー、今度はどんな力を見せてくれる? 変身!」
火条ツカサはファイヤーアーマーへと姿を変える。
悠然と構えるが「⋯⋯アレ?」と、何も変化がないことに戸惑うファイヤーアーマー。
「どうなってんだ? 至って普通だぞ」
「それでいい」
弾けたゼロノイド細胞は集結してアルティメット・ツカサとなる。
「どうなっている? どうしてクローンが!」
「(ブラッドレール)戦いなさい」
「まあいいや。行くぜ!」と、ファイヤーアーマーはアルティメット・ツカサに殴りかかる。
アルティメット・ツカサがファイヤーアーマーの拳を片手で受け止めると、アルティメット・ツカサの手が砕ける。
「何?」
アルティメット・ツカサはもう片手の指先からビームを乱射して反撃に出るが、ファイヤーアーマーに当たったビームは弾けてダメージにならない。
「行くぜ、行くぜ」と、ファイヤーアーマーがどんどん殴っていく度、アルティメット・ツカサの皮膚が砕けていく。
「どうなっている⁉︎」
「覚醒、拡張、創造、革新⋯⋯それはいずれも生み出す力、それがひとつになったとき導き出されるのは破壊、無だ。神々の能力を打ち消すその無の力こそ。ロキが振るおうとしたラグナロクだ」
「(尊)そうか、終末が意味していたのは異能の力を持つ存在、神々の破壊。そして生み出されたのが力を持たない存在、人間! 決して完璧ではない不完全な存在。不完全に勝る完全はないからこそ、人間はこの世界の表舞台に生き残った。この地球の記憶を紡ぐために」
「(シューティングアーマーイノセントフォーム)そして、その不完全な部分を写し出すために僕たち悪魔が存在する」
「私が追い求めた異能なる力の極み。その答えが無だというのか? バカな。ではリイサが求めた新世界は⁉︎」
「ありふれた日常だよ! どこにでもある何の変哲も無い日々の生活さ」
ファイヤーアーマーの右腕の装甲が展開し、タービンがフル回転して炎を発生。人工的に生み出された炎は打ち消されない。その炎は拳に纏われアルティメット・ツカサの顔面へ炸裂する。
その場に膝をつくアルティメット・ツカサ。
全身にヒビが入り、ひとまわり小さくなった。
「このくらいならいいだろう。アルテ! かなみ!力を貸してくれ!」
「ツカサッ!」と、倒れた機体から飛び出して来たローズファリテとドレスヴァイスブラッディ。
ファイヤーアーマーは、救世の巫女の力を解除してバーニングフォームへと変化。
そしてローズファリテはローズカリバーに変形して、ファイヤーアーマーの左手に、ドレスヴァイスブラッディはドレスナックルに変形して右手に装備する。
「3人で行くぜ!」
ファイヤーアーマーバーニングフォームは、ローズカリバーとドレスナックルで、アルティメット・ツカサに怒涛のように攻撃を仕掛ける。
アルティメット・ツカサにはもう反撃するだけの力がない。
「これでトドメだ!」と、ドレスナックルにリボルカリバー握り、2つの大剣で「アーマードスラッシュ!」と、アルティメット・ツカサをクロスに切り裂く。
アルティメット・ツカサは、爆発して消滅する。
生活安全部一同が喜ぶ間も無く残ったスライム状のゼロノイド細胞が瓦礫を這いずって、戦車と軍用ヘリの残骸を取り込み巨大なモンスターへと変化する。
「しつこい俺だ」
「(シューティングアーマーイノセントフォーム)ファイヤーアーマー! グレートファイヤーグリフォンになって、アームキャリバーと合体して戦って!」
「そんなことできるのか⁉︎ わかった行くぜ! 超救援合体!」
合体シークエンスを経てグレートファイヤーグリフォンになると、アームキャリバーから胸パーツとウィングごとバックパックが分離する。
全身はキャノン砲キャリバーグラビティキャノンに変形してグレートファイヤーグリフォンの右肩にドッキング。そしてバックパックが2つに割れ、変形。
グランドメイスとグランドドリルが収納される。もう一方にはアームキャリバーの胸パーツがドッキングしたグリフォンソードが収納される。
この2つのパーツは武器の鞘を兼ねたジェットスラスターになる。
グレートファイヤーグリフォンの腰の左右にドッキングして完成する。
「グレートファイヤーグリフォンパーフェクトモード!」
グレートファイヤーグリフォンは右のジェットスラスターからハンマー状の武器=グランドニョルニルを取り出す。
グランドニョルニルの槌の部分はグランドメイスで反対側はグランドドリルになっている。
「カチ割れッ!」と、ゼロノイドモンスターの頭蓋をグランドニョルニルで叩く。
今度は槌部分を反対にして「そして貫け!」と、グランドドリル側で叩く。
ゼロノイドモンスターは呻き声を上げてひるむと今度は、左側のジェットスラスターからグリフォンカリバーを引き抜く
グリフォンカリバーはアームキャリバーの胸パーツが鍔部分になっていて刀身がない。
だが、グレートファイヤーグリフォンパーフェクトモードが「グリフォンカリバー!」と、叫ぶとビームでできた
光の刀身が天までの高さまで伸びる。
「切り裂け!」と、グレートファイヤーグリフォンパーフェクトモードが力いっぱいに巨大な刀身を振り下ろす。
ゼロノイドモンスター全身が真っ二つとなって光の中に消える。
***
「おのれ、次の体を手に入れて必ず復活してやる」と、瓦礫を這いずる小さなスライム状のゼロノイド細胞(オリジナル火条ツカサ)。
そのとき、剣先がゼロノイド細胞に突き刺さる。
その剣を握るのはブラックジョーカー。
「グールド・グレモリーどういうことだ⁉︎」
「貴様は用済みだ。クローンが4人目の救世の巫女の力を手に入れる前に吸収して入ればこうならなかったものを」
「なんだと⁉︎」
呻き出すゼロノイド細胞
「こ、この力は⋯⋯お前もすでに救世の巫女の力を⁉︎」
"ハッ"と、するゼロノイド細胞。
「だからお前は不死に等しいニャルラトホテプを倒せたのか⁉︎」
「貴様がクローンを吸収し、究極のゼロノイド細胞となった貴様を、私が倒してこの体に取り込むつもりだった」
「ヒーロー部を作らせ、ゼロノイドモンスターとの戦いから生き残った実験体を俺の身体にするお前の計画はこのためのだったのか⁉︎ いったい何のために? お前の目的は何だ?」
ブラックジョーカーの全身が青いオーラを帯びる。
「お前がなぜゼロノイドの力を⁉︎」
「私はナチュラルのゼロノイドだ」
「⁉︎」
「ぐはぁッ!」と、声を上げ火条ツカサの自我は消滅する。
「もう何の価値もないが、私のアーマードギアに取り込ませてもらおう」
ゼロノイド細胞は剣を伝い、ブラックジョーカーの上半身覆う。
ブラックジョーカーは、ブラックジョーカーバーサーカーフォームへと変貌を遂げる。
林田誠一郎がやって来る。
「今回の計画、私の予測に若干のズレが生じていた」
「(林田)まだ、力の安定が不十分ということでは?」
「私の予測に何者かの干渉があった⋯⋯」
「未来予測にですか? まさか」
ブラックジョーカーバーサーカーフォームから変身を解除してグールド・グレモリーの姿に戻る。
グールドの両眼は虹色に光っている。
***
首都国ドルス・ドルス国際評議場 屋上
背を向けて柵に寄りかかり、屋上から見える景観を眺めているロード・スクリーム。
そこへ「ロード!」と、ドルス署捜査一課の黒崎京馬 (キョーマ)がやってくる。
***
回想
日本国・東京都・ツカサ機関地下施設
記録映像で当時、ヒーロー部とこの場所で何が起こったのか確認したキョーマと柊紫月とアイン博士。
「あッ! そうだ。火条ツカサが体を手に入れた日。見知った顔がもう1人ここを訪れていたな」
「(キョーマ)え⁉︎ どんな?」
「防犯カメラに映っているかもしれん」
と、アイン博士は記録映像が保存されたファイルをクリックする。
表示された映像には南川雲水に、案内されながらあとをついて行く男の姿がある。
その男は防犯カメラの方に振り向きその顔を見せる。
サングラスを掛けたその男の顔に「‼︎」と、なるキョーマと紫月。
***
首都国ドルス・ドルス国際評議場 屋上
「お久しぶりですね。キョーマさん」と、振り返るロード。
サングラスを掛けた顔でニヤリと、不気味な笑みを見せる。
「わざとだろ?」
やれやれとしたそぶりをみせるロード。
「橘ミナト、いや、火条ツカサがスメラギ国へ逃亡するのを明るみにするため、そしてそれを俺たちに捜査させるため、関係者である
南川雲水、菊糸公和、又白麟太郎の3人を殺害した。そうだな?」
不敵な笑みをこぼすロード。
***
回想
ドルス国・とある廃工場
南川、菊糸、又白の3人は特殊な銃型の武器を構えて橘ミナト(オリジナル火条ツカサ)を取り囲んでいる。
「ゼロノイドモンスター捕縛フィールドか。貴様らは俺を崇拝していたんじゃないのか?」
「(南川)ええ。もちろん。だが、あなたの人格は不要。過去の人物だからこそ崇め奉られるもの。生きておられては組織が成り立ちません。建前として」
「なるほど。究極のゼロノイドである俺の体にしか興味無いってわけか。舐められたもんだな。だけどこの体が完成した今、ツカサ機関も俺にとって不要の長物だということ忘れるな」
エネルギーを右手に集中させるミナト。
身構える南川、菊糸、又白の3人。
そこへ銃弾の雨が降り注がれる。
慌てて資材の陰に隠れる南川、菊糸、又白の3人。
拳銃を持った黒いスーツにサングラスの屈強な男たちが近づいて来る。
「誰だ、お前たちは⁉︎」の、南川の問いに答えず問答無用に3人を射殺する男たち。
「なんだ?」と、隠れた資材の隙間から見ているミナト。
ミナトは、このまま隠れるようにして廃工場をあとにした。
***
首都国ドルス・ドルス国際評議場 屋上
「管理官から公安局の局長になったらしいな」
「この立場になって分かる。あなたは上司への態度がなっていない」
気づくと、銃口をキョーマに向けた黒いスーツにサングラスの屈強な男たちが、キョーマを取り囲むようにゆっくりと近づいてくる。
「よせ!」と、ロードが一言発すると男たちは、構えていた拳銃を降ろす。
「わざと証拠を残して俺をここまで辿り着かせた。お前は何がしたいんだ?」
「立土岐さんに、あなた⋯⋯警察は政治家の駒じゃない。それを証明するためです」
その場をあとにしていくロードの背中にキョーマはぶつける。
「ロード、俺は必ずお前を逮捕する!」
背中を向けたまま手を振るロード。
***
スメラギ国・都心部
夕日を見つめているツカサ。
「ツカサー!」と、アルテと生活安全部の一同たちがやって来る
「なぁ、アルテ」
「ツカサ?」
「俺と離婚してくれ」
「⁉︎」と、驚くアルテと生活安全部の一同。
つづく




