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第37話「捨て駒たちの悪あがき」

レオノール国・王宮

白いドレスに身を包み、王宮へと入っていくレイラ・レオノールの背中を見つめ火条アルテは思い返す。

「摂政ハザルド・ハンキの暴挙によってハイオネスク地域に破壊と恐怖をもたらした地球の記憶の"門番"を生活安全部が倒して3日、レイラ・レオノールは王宮に入り、暫定政権を樹立。

ハイオネスク地域の5カ国は非人道的な兵器を使用したとして批難と怒りの声をあげるが合併推進派のレイラに政権が変わったことによりその振り上げた拳を一旦おさめる。

しかし、ラント皇子を支持する保守派とレイラを支持する合併推進派が再び対立。保守派によるテロが頻発していた」

王都内のあちこちで爆発が起こり、王宮からも立ち込める煙が確認できる。

それを見つめるレイラの表情は曇っている。


***

3日前

アルテの膝の上で穏やかな表情を浮かべて意識を失っている火条ツカサ。

そこへ複数のデオドラスが次々に舞い降りる。

着陸で発生する強風でツカサとアルテは吹き飛ばされる。

アルテが「ツカサーッ!」と、叫ぶ中、瓦礫の上に大の字で倒れるツカサをデオドラスが手で拾い上げそのまま飛び立ってしまう。

「(アルテ)経済団体に連れ去られたツカサの行方は未だにわかっていない。王都に軍を投入した経済団体もそのまま実行支配することはせずハルネオ・スタルク氏を特使としてレイラと合併の交渉を開始した」


***

3日前・採掘場

巨大な石の扉の前に立つ、キャプテン・バロック、月代サヨ、サスケ。

キャプテン・バロックは翡翠でできた勾玉を取り出して扉に向かって翳す。

だが、勾玉にも扉にも反応がない。

「どうやら偽物を摑まされたか」

「マジすか?」と、驚くサスケ。

サスケは、海賊ハウンドと生活安全部が衝突していたあの日、華僑院神社(安守の屋敷)に忍び込んで祭壇から勾玉を持ち出していた。

「(キャプテン・バロック)あの男にしてやられた」

「(サヨ)それが鍵だったの?」

「ああ、アマテラスの勾玉って言ってな。地球の記憶の鍵は、高天原、今のスメラギ国で所有していたんだ。レオノール国が他国の関係を絶ってきている中で

スメラギ国だけが友好関係にあったのは、門を守るものと鍵を守るものとの関係にあったからだ」

「どうします? キャプテン」

「まあいいさ。あの男を待とう。グールド・グレモリーを」


***

現在・王宮

王宮の応接間で向かい合って話し合うレイラとハルネオ・スタルク。

レイラの背後には後見人として同席するアルテが立っている。

「(アルテ)ハルネオ氏は、国際軍の指名手配を解くこととレイラを国王と認めることを条件に合併を要求。しかし、レイラはこれまでの主張通り経済団体主導の合併に反対の意思を示したため、ハイオネスク地域の安定にはまだ時間が掛かりそうな状況である」


***

グルドラシル国・政府官邸

国際防衛大臣レオス・アルベルト、グルドラシル国首相のオルデオ・ミルト、国際外務大臣ランザ・ハーキンは

前政権を否定するレイラ・レオノールが政権についたことにより、経済団体側が報復処置に出るための大義名分を模索していた。

オルデオは「こんな時に革命だとッ!」と、読んでいた新聞の記事に激昂して新聞をくしゃくしゃにして床に叩きつける。

新聞には隣国ロクサル国でひとりの下級兵士による革命が起きて現政府が失脚。新政府はグルドラシルとの同盟を解消、合併に反対を表明したと書かれていた。

ランザは命からがらレオノール国を脱出したため憔悴しきった様子で話す。

「(ランザ)ハルネオの交渉が難航しているようだ」

「(オルデオ)もう我慢できん!さっさと武力行使するべきだ」

「(レオス)ダメだ。レイラ・レオノールを戦争行為に結びつけるには、交渉が破断し、経済団体に反抗の意思を示してもらわなくてわ」

「(オルデオ)我が国は甚大な被害と犠牲者が出たんだぞ! 早く事を起こさなくては私に対する不満が高まる」

「(レオス)ならば、他に手はあるのか!」

「(ランザ)そうだ! ザドクルム・レオノールはどうなった? 」

「(レオス)今、国際軍が護衛しながらレオノール国国外へ脱出しようとしている⋯⋯そうか、星帝がまつりあげたあの男がレオノール国政府に始末されたとなればレイラ政権が国際政府に対し反抗の意思を示したと判断できる」

「(オルデオ)なるほど!」

「(ランザ)だが、それだと国際軍の兵士にも危害が及ばんか?」

「(レオス)それでいい。国際軍の兵士に犠牲者が出たとなれば、我々の大義はより強まる。元々、戦力外通告を渡した奴らだ。ついでに処分ができて好都合だ」

「我々ヘイムダルがレオノール国を平定する⋯⋯」と、ほくそ笑むランザ。

「(レオス)経済団体の主導権を我々ヘイムダルの手に」


***

レオノール国の隣国、ロクサル国にある港。

巨大貨物船から物資が降りてくるのを待つ、桐川トウカと黒崎京馬(キョーマ)

キョーマはキョロキョロと辺りを見回し、「懐かしいな」と漏らす。

「4年前に駐留してたことがある」

「ほぉ、一階の刑事さんが一体どうしてこんなところに?」

「関白豊臣ヒデヨシが国際政府に反旗を翻して軍事衝突したときがあっただろう。その時にハイオネスク地域が戦場となった。

俺は、この辺りの治安維持のために組織された特別警察隊に参加させられた。ようは軍への出向だ。隊長は渡辺ノブサダ氏だった」

「あの国際官房長官が」

「ああ」

「なるほど、婿養子に出されて渡辺と名乗っているとはいえ、織田ノブナガの弟。織田家と豊臣家でぶつけ合わせてたってわけか」

「まさか俺が戦場でお巡りさんするとは思ってもみなかった。たくさんの仲間は殉職して、維持すべき市民の日常はことごとく武力で破壊された。俺も警察官として誇りを見失った」

キョーマは左手首につけた、壊れた腕時計を見やる。

「それは?」

「ドルスを出発する前に当時保護して一緒に暮らしていた少年に貰ったんだ」

キョーマは、腕時計を見つめて「ラルフ⋯⋯」と、零す。


***

レオノール国・王宮

警備をしている柳生ロードのスマホに着信が入る。

画面には非通知着信の表示。

「はい。もしもし⋯⋯」

「ロード・スクリーム巡査部長だな?」

「!」

「国際官房長官の渡辺ノブサダだ。グールド・グレモリーが"地球の記憶"を狙っている。彼の陰謀を食い止めてほしい」

「⋯⋯」


***

レオノール国・王都郊外にある山林

ザドクルム・レオノールは冠庭トオルの肩を借りて息も絶え絶えに歩く。

「待ってくれもう動けん」

「皇子もう少しです。もう少しでグルドラシルの国境です」

後ろを歩く、シェル・ルミナー、巻咲ミツハ、グラップ・ロッズナ、グランズ・ハルバン、グランズの部下3人は小銃を構え警戒する。

すると、木々の向うから銃弾が飛んでくる。

その場に身を伏せるトオルたち。

草を掻き分け姿を現したのは5体のオートマトン。

「(グランズ)あれはヘイムダルのオートマトン!」

「どうなっているんだ⁉︎」と、顔を見合わせて騒つくグランズの部下たち。

「(トオル)そうか俺たちは切り捨てられたんだ」

「(シェル)そんなぁ」

「(ザドクルム)どういうことだ!経済団体がどうして俺を殺そうとするんだ!」

「(トオル)簡単なことだ。あなたを担ぐことではなく、あなたが死ぬことに価値があると判断されたんだ」

「(ザドクルム)な、なんだと⁉︎」

オートマトンに装備された機関銃から銃弾が乱射される。

トオルは腰を抜かしたまま、ほおけているザドクルムの首えりを掴んで走る。

「とにかく逃げるんだ! グルドラシル国に入れば、あなたの役割は変わるはず。命は狙われない」

「こいつで!」と、ミツハは取り出した手榴弾をオートマトンに投げつける。

大きな爆発で半壊したオートマトン。

「やった!」と小さくガッツポーズするミツハ。

「まだだッ!」と、トオルが叫ぶとオートマトンのモノアイが光って機関銃を乱射!

「(トオル)レイラ・レオノールの一味たちのときと同じだ」

トオルは、レクシオの工場で生活安全部がオートマトンと戦っていた時の様子が頭をよぎる。

その時突然、その場にばたりとトオルは倒れる。

「(ミツハ)トオル!」

「(シェル)冠庭君!」

トオルの肩から血が流れてくる。

銃弾の一発がトオルに被弾していた。

「(グランズ)トオル、しっかりしろ!」

「トオル、トオル」とミツハはトオルを抱き起こす。

トオルは目を開け、涙を流すミツハの頬を摩る。

「大丈夫か? ミツハ⋯⋯」

「何を言っているのトオル⋯⋯今はあなたの方が」

「あの日と同じだ。つらいこと思い出させてしまったかもしれない」


***

ロクサル国・港

キョーマは廃墟同然の3階建ての建物を見て、「あの当時のままだ」と零す。


***

4年前・ロクサル国・港

3階建ての建物前には十数台の軍車両とパトカーが止まっている。

この建物は国際軍が戦争孤児たちの面倒をみるための育児施設として利用していた。

女性隊員が血を流して倒れている。その傍にはライフルを持った男。

男の腕には国際軍のシンボルマークが入った腕章がついている。

ミツハは2歳〜6歳の子供たちに覆いかぶさって守っている。

「大丈夫だから、大丈夫だからお姉ちゃんが守るから」

「巻咲隊員そこをどけ!」と、男がライフルの銃口を向ける。

「ダメッ! あなたこそ何やっているの!」

「俺の仲間が子供兵の自爆テロに殺された。こいつらもこのままにしておいたら必ず俺たちを殺しにくる。どけッ!」

「絶対ダメッ! 思いとどまってジャック」


***

建物の表には対策本部が設置されている。

武装した兵士たちが銃を構え突入の体勢を整えていた。

その中にトオルの姿もある。

思いつめた表情でヘルメットを被る。


***

1時間前

「ジャックの奴なんてイカれたことを」と、兵士の1人が頭を抱える。

トオルのところに1人の兵士がやって来て肩をたたく。

「あの中にお前のフィアンセがいるんだろ。この任務から降りた方がいい」

「構わなくていい。俺は軍人だ元より覚悟はできている」

そこへ上官がやってくる。

「本部からの命令だ。今回は軍人が起こした不始末だ。これは軍で処理しなくてはならない。あってはならないことだ。よって人質共々、犯人を始末する」

「!」


***

トオルたちのところに「待ってくれ!」と、キョーマがやってくる。

「なんだこいつ?」「警察隊の奴だ」「警察か?」と兵士たちは騒つく。

「人質の救出、被疑者の確保が最優先だ!」

トオルは兵士の間を掻き分けてキョーマの前に立つ。

「S級兵士の冠庭だ」と、周りが騒つく。

「我々は目標を駆逐する。それが軍のやり方だ」

「立て篭もりは警察が対処する事案だ。警察のやり方でやらせてもらう」

「相手は我々がマークしていた豊臣側の兵士だ。今朝も仲間をやられている。だから警察の出る幕ではない。下がれ!」

「優先すべきは人命だ! あんたらの報復じゃない」

「我々の優先事項は、軍人の誇りだ!」

「これだから軍人は嫌いだ」

「なんだと?」

「そこまでだ。黒崎隊員」と、ノブサダが現れる。

「隊長!」

「向こうの上官と話がついた。我々はこれで撤収させて頂く。失礼した」と、ノブサダは深々と下げる。

ノブサダはキョーマを伴ってその場を離れる。

ライフルを持った男が奇声を発しながら本部に向かって発砲をはじめる。

パトカーに乗り込むノブサダとキョーマ。

「どうしてですか隊長⁉︎」

「被疑者は国際軍の兵士とのことだ。このことを軍は公にしたくない。分かるだろ。マスコミが騒いでバッシングが起こる。それが軍の士気に影響する。ひいては戦況が覆りかねない。だから取引に応じた」

「現場に政治を持ち込むんですか?」

「事態を一刻も早く終息させるためだ。どうやら立て籠もっているあの男。悪魔に使役されている。心が不安定になっているところをつけ込まれたみたいだ」

ライフルを持った男の目は真っ黒く瞳は赤い。

「先ほどの軍人の咄嗟に出た方便も結果間違っていなかった。この気に乗じて、七本槍の加藤キヨマサに攻め込まれても厄介だ。早急な解決のために致し方ない」

キョーマは「クソッ」と、握った拳でドアを叩く。


***

「人命が優先だ」と、キョーマの言葉に心が揺れ動くトオル。

炸裂した閃光弾の光とともに部隊が突入。

隊員は真っ先にライフルを持った男の頭を撃ち抜いて射殺。

それを見てミツハがひと安心した矢先、別の隊員が子供たちの射殺を開始。

何が起きているのか分からない。助けに来たはずの仲間が子供たちを殺す光景に

「やめて!」と、叫ぶミツハ。

ミツハを後ろから1人の隊員が首えりを掴んで引きずり出す。

隊員がマスクを外すと、その隊員はトオル。

胸から下げたネックレスの指輪を握りしめて何か覚悟を決めたトオル。

トオルはライトを取り出して外のパトカーに光をあてる。

モールス信号のように小刻み点滅を繰り返す。

気づいたキョーマは、建物の裏口から侵入する。

キョーマが光が出ていたあたりの部屋に入る。

トオルは「この女を頼む」と、再びマスクをつけて

ミツハをキョーマに託す。

トオルはミツハが抱いている3歳くらいの女の子を取り上げて「軍のためだ」と、そのまま拳銃で射殺する。

ミツハは、「!」と、目を見開いて固まってしまう。


***

病院のベッドで窓外を見つめるミツハ。

「俺は口論になった警察官にミツハを託した。ミツハは、精神的にショックを受けて入院。その日以来、幼児退行化が見られたミツハは現場を離れ、AGX-Ⅱのテストパイロットに決まるまでの4年間。事務の仕事に勤めていた。

俺も命令に背き、切り捨てたミツハを助けたことで降格処分。俺も自ら志願して経理課に移動した。そして彼女との婚約を解消した」


***

涙を流すミツハの頬を摩るトオル。

自力で起き上がり「またお前をあんな顔にさせるわけにはいかない。あのロボットを倒してグルドラシルに帰るんだ」

「(グランズ)無茶だ!トオル。あれは種子というヘイムダルが開発したクトゥルーの核で機動している。機械の皮を被ったモンスターだ」

「(トオル)だけど倒さなくては俺たちは帰れない」

「(シェル)その身体で何を言っているんです!」

「(グランズ)無理だ。人間には倒せない。クトゥルーを倒すには魔力が必要だ」

その言葉に絶望を感じたザドクルムは悲鳴をあげて飛び出す。

「待て!」

全速力で走るザドクルム。

「逃げるんだ。俺一人だけ助かればそれでいい。あいつらのことなど知るか!」

オートマトンがトオルたちにジリジリと迫ってくる。

「(グランズ)やはり目標はザドクルム氏だけじゃないようだ」

「(シェル)私たちも逃げましょう!生きて帰るんです」

「(トオル)シェル隊長⋯⋯」

「(シェル)これは隊長命令です」

「(ミツハ)ここへ来てはじめて聞いた⋯⋯隊長の命令⋯⋯」

「(シェル)うるさいです。いつも冠庭君に仕切られるようなシェル隊長ではないんです」

「(トオル)俺たちがここで死ぬことで国際軍に有利に働く、そんな戦況のようです。隊長」

「(シェル)それがどうしたです」

「(トオル)俺は、自分を殺し、主人に仕える。軍の意思に従うことが軍人の誇りだと考えてきた⋯⋯」

「(グランズ)君は本当に根っからの軍人のようだ」

「(トオル)かいかぶるな。結局は果たせたことがない。あの時もそして今も。謀反の汚名を着せられたとしても、今は生きたい。ここにいる仲間と」

「(シェル)大丈夫ですよ。上官の命令は絶対です。謀反人は上官のこの私ですよ。逃げのシェルと言われ、あなたたちの上官にまで上り詰めたこの私です。任せて下さい」

「(ミツハ)え? 任せて大丈夫な言葉なの? 」

「(グラップ)ハハハッ、相変わらず面白い隊長であります」

「(シェル)いいですか?作戦はこうです。相手の目ん玉をまずぶっ潰して、あとは一目散にバラバラに逃げるのです。そしてほとぼりが冷めた頃に顔を出す。私はそうやって出世してきました」

「(トオル)可愛い顔してエグいな」

「(シェル)そんな褒めないでくださいよ。冠庭君」

「(グランズ)褒められてないぞ」

「(シェル)さてと、冠庭君走れますか?」

「(トオル)長くはないが奴らを撒くくらいならなんとか」

「(グランズ)トオルは、私が担いで走る」

「(トオル)いい、俺は大丈夫だ」

「(グランズ)遠慮するな。黙って俺に担がれな(ウィンク)」

背筋を凍らせながら頷くトオル。

「(グランズ)それでは国境沿いの街で落ち合おう」

「おう!」と、一同は頷く。

「(シェル)全員生きて会いましょう」

グランズの部下たちは立ち上がって「弾幕は俺たちが張ります。隊長やシェル隊の皆さんは先に行って下さい」

「お前たち⋯⋯」

グランズは涙目で「分かった」と、トオルを背負って走り出す。

トオルは心の中で"生きろ"と唱える。

数百メートル走った林道でグラップは立ち止まる。

「私はここで別れるであります。皆さんは先に行くであります」

「分かった」と、グランズたちは行く。

「さてと」と、グラップは振り返り仁王立ちで構える。

トオルは、グラップの背中を見ながら"生きろ"と唱える。

2機のオートマトンがグラップの前にやってくる。

グラップは手を大きく広げて「ここから先へは行かせないであります」

オートマトンはガトリングを展開して乱射。

グラップは銃弾を全身に浴びせられてもそのまま仁王立ちで立ち続ける。

「逃げるであります。みんな」


***

フラフラになりながら走るザドクルム。

木々の間から飛び出してきたオートマトンがザドクルムを押し倒して馬乗りになる。

「よ、よせ!殺すならあっちにいる軍人だろ!助けてくれ!助けてくれッー!」

オートマトンはガトリングに装備を切り替えてザドクルムの腹部に乱射する。

「ぎゃぁあああ!」


***

"生きろ""生きろ""生きろ"と、川沿いをひとり進むトオル。



***

傷口の痛みに耐えながら歩くトオル。

「生きろ、生きろ。生きて伝えるんだミツハに。もう一度果たせなかった約束を叶えようと」


***

ロクサル国・港

事件のあった3階建ての建物を見つめるキョーマ。

「(桐川)警察と軍人は相容れないもんなんだな」

キョーマは「ああ」と、頷く。



***

グルドラシル国・国境沿いの街

雨がしきりに降っている。

トオルが広場まで歩いてくると、そこには血を流して倒れているミツハがいる。

その場に膝をついて天に向かって叫ぶトオル。


つづく


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