表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/52

第36話「門番」

レオノール国・王都

王宮の地下から出現した怪物"門番"。王都を見下ろすほどの高さにそびえ立つ白い巨体。

雄叫びをあげながら体にある複数の丸い青い宝石のような鉱物から次々にビームを放って王都の街を破壊していく。

ビームの1つは、ザドクルム・レオノールの行軍の近くに着弾。

その爆風でザドクルム、帯同していたシェル・ルミナー、冠庭トオル、巻咲ミツハ、グラップ・ロッズナ、グランズ・ハルバンたちは吹き飛ばされる。

門番は、全身に青白いオーラを纏い再び雄叫びをあげ大地を揺らす。


***

路地を走る、レイラ・レオノール、火条アルテ、柳生ロード。

レイラは青白いオーラを纏う門番の姿に足を止める。

「あれが"地球(ほし)の記憶"の力⋯⋯」


***

王都の中心部から10㎞離れた採掘場から門番の姿が確認できる。

「おー!、しっかり制御できているじゃねーか」と、笑顔を見せるキャプテン・バロック。

サスケも「すげー」と、口を開けて驚く。

「いったいあれはなんなの? 私の魔力でいったい何が起きたの⁉︎」と、月代サヨはキャプテン・バロックに問いかける。

「"門番"だ。地球の記憶を守るために存在する守護神。かつてレクイエムを企てたロキが、救世の巫女の力を使って

地球の記憶を手に入れようとした。神々はロキから地球の記憶を守るために、救世の巫女の力に反応して目覚める守護神を生み出したんだ」

サヨは、"ハッ"と、教会にて耳につけた無線機から聞こえてきた摂政ハザルド・ハンキの「"地球の記憶"に共鳴する救世の巫女たちがここにいる状況。あまりにも好ましくない」

という言葉の意味を理解する。

「あいつは地球の記憶のエネルギーを取り込んで暴れる。想像以上の凄まじい力だ」

「(サスケ)キャプテン、さっきの制御ってどういうことすか?」

「火条博士だ。博士は、"門番"を目覚めさせ、それを開発した制御装置と合体させることでコントロールする。レオノール最強の防衛システムにして核以上の破壊力を持った世界に2つとない抑止力。

それだけじゃない。博士は、門番から地球の記憶のエネルギーを採取して究極のゼロノイドを作ろうと企んでいた」

「じゃあ、キャプテンは火条博士の兵器を起動させるために私を利用したの?」

「落ち着け、プリンセス・マジーネ」

「(サスケ)プリンセス?誰?」

「俺の目的はその先にある。世界を変革させる。そのためだ」


***

門番の頭部に取り付いた制御装置の中、動物の体内のようで、コックピットのような空間にいるハザルド。

ハザルドは両手に操縦レバーの役割をする光の球を握りしめ、不敵な笑みでモニターに映る、破壊された王都を眺めている。

「何が統一だ。何が同盟だ。この力があれば、うわべのきれいごとなどいらない。ハイオネスクに必要なのはレオノールによる支配。そしてラント王の威光だ」

門番は再び大きな口を開けて雄叫びをあげる。

全身の青い鉱物からビームが放たれ空に散らばってグルドラシル、ムルタル、クンレイン、ラシームド、ロクサルの5ヶ国の領土に被弾する。


***

採掘場

双眼鏡を覗くキャプテン・バロック。

「摂政は、せっかく作ってやった4ヶ国同盟を反故にしてレオノール国単独でのハイオネスクの支配を選んだか。後戻りはできないな。

あの男とはこれで手切れだ。さっさとお宝を手に入れて経済団体と戦争を起こすぞ。プリンセス・マジーネ」

と、キャプテン・バロックは扉の方へと歩く。

サヨは追うようにそののあとについていく。


***

グルドラシル国・首都

門番のビームが直撃した一画には爪痕が残る。

地面はえぐれ、そこに建っていたビルの瓦礫は融解して溶岩石のように赤く光っている。

非人道的な行為と非難する声明を発表するグルドラシル国首相のオルデオ・ミルトの姿を街頭のテレビやスマホの動画で見入るグルドラシル国民たち。


***

「我々はすぐに報復をする」オルデオ首相の言葉に、経済団体保有軍 の駐屯地 ハンガーデッキに待機する整備士と軍人たちが慌ただしくなる。

ラドルフ司令官(元大佐)が檄を飛ばすなか、戦闘機形態のデオドラスが次々に滑走路に並んで行く。


***

レオノール国・王都

門番の頭部にミサイルが次々に被弾。

戦艦から射出されるフライトモードのAGX-Ⅲ。

そしてスーパーソードライナー、ファイヤーグリフォンが上空から現れる。

巨大ロボットでも門番の前では飛び回るハエくらいのサイズにしか見えない。

それでも、右肩のドリルをフル回転させて、放つスーパーソードライナーの「ドリルハリケーン!」、AGX-Ⅲの「フィーアバスター!」、ファイヤーグリフォンの「グリフォンソード!」

3機の必殺技が門番に炸裂する。だが門番はビクともしない。それどころか傷ひとつなく、ダメージを負った様子も無い。

「(ファイヤーグリフォン)なんて硬さだグリフォンソードで斬れない!」

「(スーパーソードライナー)止まるな。続けるぞ!」

「(ファイヤーグリフォン、AGX-Ⅲ)了解!」


***

グランズによってザドクルムは瓦礫から引っ張り出される。

周囲を見渡すと、体の一部だけが残った兵士の遺体に「ヒィッ!」と、声をあげ後退る。

「皇子、今は逃げましょう」

声も出ず震えながら小刻みに頷くザドクルム。


***

門番のビームの乱射に避けるしかなく苦戦を強いられる、ファイヤーグリフォン、スーパーソードライナー、AGX-Ⅲの3機。

そこにミサイルやビームが飛んできて次々と門番の頭部に着弾、悲鳴のような鳴き声をあげて怯む。

3機が振り向くとそこに現れたのはAGX-Ⅱ隊長機、ノーマルタイプ、ツヴァイキャノン、ツヴァイブレードのシェル隊の4機。

「(ファイヤーグリフォン)こいつらは!」

「(織田ラルフ)AGX-Ⅱ部隊だ」

「(スーパーソードライナー)国際軍か⁉︎」

「(トオル)今はいがみあっている時じゃない。一緒に制圧にかかるぞ!」

「(一同)オーッ!」

「(ファイヤーグリフォン)こっちも負けてられねぇ!来いッ!グランドザウラー!」

戦艦から射出されるジェットモードのグランドザウラー。

「超救援合体!」

飛んで来たグランドザウラーは6つのパーツに別れ、変形したグランドザウラーのパーツが

ファイヤーグリフォンの両腕、両足の裏、背中にドッキング。

グランドザウラーのウイングパーツが最後に胸飾りとしてドッキングしファイヤーグリフォンの頭部に

金の飾りがついて完成する。

「グレートファイヤーグリフォン!」

「僕も!」と、ラルフはレバー引いて、AGX-Ⅲの4門のキャノンバスターと装甲が移動する。

マッシブな体型から細身の体型へと変わり、両腕と両足のくるぶしからビームソードが展開する。

「AGX-Ⅲフィーアソード!」

グレートファイヤーグリフォンはグランドランサーとグリフォンソードを両手に装備して門番に挑む。

スーパーソードライナーもライナーブレードとナギナタブレードで門番を攻撃。

AGX-ⅢとAGX-Ⅱ部隊も連携して門番に攻撃を加える。

グレートファイヤーグリフォンはドローンビットを展開。

胸パーツから放たれる「ブレストバーニングバーン!」とドローンビットのビームで畳み掛ける。

だが、門番もビームを乱射して反撃、グレートファイヤーグリフォンたちに次々に被弾する。

その中でトオルが操縦するAGX-Ⅱノーマル機はバスターライフルを構えながら軽やかにビームをかわして正確な射撃で門番の体に命中させていく。

「(ミツハ)さすがトオル!」

「(グラップ)中尉殿!」

「(シェル)冠庭君すごいです!」

ザドクルムを連れて逃げるグランズもノーマル機の戦いに感心する。

「やはり只者ではないなトオル」

「(ラルフ)くやしいがAGX-Ⅱの性能を最大限に引き出している」


***

戦艦の管制室でグレートファイヤーグリフォンたちの戦いを見守るレイラ、フェリス・グレモリー、天影台アカネ、氷城冷菓、泊馬騎士たち。

「(フェリス)そろそろ教えて頂けませんか?地球の記憶とはなんなのですか?」

「(レイラ)……地球の記憶は、地球の創生から現在に至るまでの地球の歩みを記憶したものです。そして過去の記憶からいくつもの分岐を辿り未来を予測することさえできます」

「(フェリス)それって!」

「(レイラ)地球の記憶を手にしたものは過去、現在、未来を支配し歴史を改変することができます。地球の記憶は分岐で生じるタイムパラドックスエネルギーを内包しています。

それがあのような凄まじい破壊をもたらすのです」

「(フェリス)それでなのね。レオノール国がこれまで他国と関係を持つことを拒んできたのは」


***

AGX-Ⅱノーマル機は門番の頭部まで接近、バスターライフルを構えて射程に収める。

その時、門番の体に複数の穴が空いてミサイルのような飛翔体が飛び出す。

グレートファイヤーグリフォンたちに次々に被弾。

AGX-Ⅱツヴァイキャノンと隊長機が墜落。地面に叩きつけられる。

「(トオル)隊長、ミツハ! こいつ戦いながら進化を! クッ、生命体だということを忘れていた」

追い討ちを掛けるように門番の右手が襲いかかる。

薙ぎ払われたグレートファイヤーグリフォンたちも地面に叩きつけられ、かわしたAGX-Ⅱノーマル機も左脚を破壊される。

叩きつけられたAGX-Ⅱツヴァイブレードは下半身が大破、同じく隊長機も着地した右上半身が大破し再起不能となった。

シェルとグラップは機体から脱出。だが、ツヴァイキャノンに乗るミツハの反応がない。

ノーマル機も着陸、トオルは機体を降りてツヴァイキャノンのコックピットを開ける。

中で気絶しているミツハを救出して、シェル隊は戦線を離脱する。

同じく叩きつけられて地面に倒れるグレートファイヤーグリフォンの側に「ツカサ!」と、ローズファリテが駆け寄る。

「(グレートファイヤーグリフォン)クソッ!何か決め手に欠ける。他に手はないか」

と、上半身を起こして辺りを見回すと、倒れているAGX-Ⅱツヴァイキャノンが目にとまる。

ツヴァイキャノンは、他の機体に比べて損傷がない。

「そうだ! グラビティキャノンだ」

「(ラルフ)そうか、その手があったか」

「アルテ、操縦を頼む」

「了解!」と、ローズファリテはAGX-Ⅱツヴァイキャノンに乗り込んで起動させる。

「変形、グラビティキャノン!」と、両肩のキャノンが連結してAGX-Ⅱツヴァイキャノンはグラビティキャノンに変形する。

グレートファイヤーグリフォンの右腰にドッキングして装備が完了する。

だが、グレートファイヤーグリフォンはその場に片膝をついて動けなくなる。

「クソッこんな時にエネルギー切れか!」

「どうしたらいいの!」と、コックピットを叩くローズファリテ。

「そうだアルテ、救世の巫女の力を貸してくれ」

「私の? 」

「頼む」

「やってみます」

手を組んで祈りのポーズをするローズファリテ。

全身から緑のオーラが発生する。

ローズファリテのオーラがグレートファイヤーグリフォンの中の火条ツカサ(精神体)に注ぎ込まれる。

ツカサは目を開けて髪が青白くなり逆立つ。

ゼロノイド覚醒体となったツカサ。グレートファイヤーグリフォンも青白いオーラに包まれる。

「これで戦える」

グレートファイヤーグリフォンは飛び立ち、ビームをかわしながら凄まじいスピードで門番の頭部まで到達。

門番の目の前でグラビティキャノンを構える。

「これで終わりだ!」

「(ハザルド)いくら足掻こうが地球の記憶の前では、どのようなものであろうが非力!」

「グラビティキャノン!」引き金を引いて強大なビームが放たれる。

防ごうとする門番の右手を砕き、制御装置を貫く。

まさかと、驚くハザルドは「レオノールに栄光あれ」と、叫んで光の中に消滅する。

制御装置を破壊された門番はそのまま光の粒となり消える。

力尽きたグレートファイヤーグリフォンは上空から落ちて行く。

次第にグランドランサーのパーツは外れ、ファイヤーグリフォンはライドファイヤーと3機のアビリティマシンに分離、そして

ライドファイヤーからも分離したツカサは意識を失ったままゆっくりと落ちてくる。

ローズファリテは、ツカサをキャッチして抱きしめる。


***

「まさか、天才科学者火条ツカサが自分が作った兵器と戦うことになるなんて博士自身想像してなかったろうな」と、こぼすキャプテン・バロック。


***

変身を解除したアルテ。ツカサはアルテの膝の上で穏やかな表情を浮かべて寝ている。


つづく










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ