表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/52

第34話「教会会談」

レオノール国領空

空を埋めつくさんと溢れた国際軍のゼノデオたちをスーパーソードライナー、AGX-Ⅲの攻撃が次々に撃墜していく。

グレートファイヤーグリフォンは、グリフォンソードと、グランドランサーを両手に持って凄まじいスピードでゼノデオを攻撃。

ゼノデオは反応する間もなく手足をもがれ、地上へと落ちていく。

四方から襲いかかったゼノデオに、グレートファイヤーグリフォンは射出したドローンビットのレーザービームによって退ける。

「(グレートファイヤーグリフォン)俺たちは宣言する! 新生グリティシア帝国はレイラ・レオノールを新国王に推挙する!」

「グリティシアだと?」

国際軍、レオノール同盟軍の両陣営の機体から困惑の声が上がってくる。

グレートファイヤーグリフォンは右手を翳して、広げた手のひらの上には火条アルテとレイラ・レオノールが立っている。

「私はアルテミア・グリティシア。新生グリティシア帝国の女王である。我が帝国はレイラ・レオノールをレオノール国国王と定め同盟を結んだ。

異を唱える者がおれば、我が国の帝王の化身、グレートファイヤーグリフォンが相手する。掛かって来なさい!」


***

国際評議場 4F 国際軍幹部会議室

国際防衛大臣レオス・アルベルト、国際外務大臣ランザ・ハーキン、国際官房長官渡辺ノブサダ、国際警察機構長官グールド・グレモリー、国際軍大佐直江カネツグらが集っている。

レオスは巨大モニターにかじりつくように焦燥する。

「グリティシア⁉︎ 救世の巫女がなぜ?」


***

「レイラ・レオノールです。私はここにいる友人たちとともにレオノール国の国王になることを決意しました。

もうレオノール国での争いはたくさんです。お願いです。武器を納めて下さい。私は平和がなるならばどのような場にでも立ってお話し致します。だからお願いです」

「退けッー!」と、レオスの声が国際軍のゼノデオの無線に響きわたる。

戸惑いながらゼノデオたちは飛行戦艦を伴って退却を始める。

レイラはホッと胸をなで下ろす。

そこへ「あなたたちーッ!」と、AGX-Ⅱダークソルシエールが襲いかかる。

AGX-ⅢがAGX-Ⅱダークソルシエールのランサーからの一撃をシールドで防ぐ。

「黒いAGX-Ⅱ⁉︎」

AGX-Ⅱダークソルシエールは素早く態勢を立て直すとショットガンで攻撃。

それをシールドではじき返してAGX-Ⅲも応戦する。

「この動きオリジナルのAGX-Ⅱ⋯⋯なぜ?」

織田ラルフは、かつて自分が乗ったAGX-Ⅱでプロトフやクトゥルーと戦っていたころをフラッシュバックする。

「一体⋯⋯」

ラルフが考えている間も無く、次から次へとAGX-Ⅱダークソルシエールのランサー攻撃が襲ってくる。


***

回想

桐川コーポレーション ハンガーデッキ

大破したAGX-Ⅱを前に桐川トウカと海賊の黒服の男と話をしている。

「ところでこちらの機体はなんですかな?」

「スクラップだ」

「もったいない。買い取らせて頂きましょう」

「ガラクタだぞ」

「ガラクタをお宝に変えるのも海賊です」


***

AGX-Ⅱダークソルシエールは左腕のシールドに魔法陣を展開してAGX-Ⅲのビームを防ぐ。

「魔法⁉︎ 科学への冒涜だ。こうなったら」

ラルフがレバーを引くと、AGX-Ⅲの4門のキャノンバスターと装甲が移動する。

マッシブな体型から細身の体型へと変わり、両腕と両足のくるぶしからビームソードが展開する。

「AGX-Ⅲフィーアソード!」

キャノンバスターがジェットブースターの役割に変わったことで爆発的なスピードでAGX-Ⅱダークソルシエールに

攻撃を仕掛ける。

2機はビームソードとランサーを激しくぶつけ合う。

そしてつばぜり合うと「そこまでだ!」と、ZX-Oキャプテンロイバーが、2機の間に割って入る。

「(月代サヨ)キャプテン⁉︎」

「なんだ?」

「なぜ邪魔を!」

「(キャプテン・バロック)落ち着け。レイラ姫、提案だ。会談をしよう」


***

レオノール国・王宮

「なぜあの場で会談など提案したッ!」と、憤慨した摂政ハザルド・ハンキが入ってくる。

ソファの上で足を組んで、ふんぞりかえったキャプテン・バロックは「してやられたんだ」と、キャプテン・バロックはリモコンでテレビに電源を入れる。

テレビには演説を行うザドクルム・レオノールの姿が映し出される。

「なぜあの男が王都に?」

「どうやらあのバカでかい戦艦(みこし)は囮だったようだ。本当の神輿は地下の隠し通路でも通って王都に入ったようだ。

見たところ、ここは経済団体のハルネオ・スタルクの屋敷だろ?」

動揺しながら、小刻みに頷くハザルド。

演説はレオノール国で経済活動を行うハルネオ・スタルク邸の庭先で行われている。

ザドクルムの演説に耳を傾けるモーニング姿の聴衆たち。

テレビには同じくモーニングを着てザドクルムの演説を聞くシェル・ルミナー、冠庭トオル、巻咲ミツハ、グラップ・ロッズナ、グランズ・ハルバンの姿が映る。

テロップにはザドクルム氏の演説に耳を傾ける皇室関係者とある。

「(キャプテン・バロック)サクラまで用意してえらいことだな」

「なぜ国際政府は、そうまでしてあの男を担ぐんだ。婦女子への暴行を繰り返して、関係を持った反社会的組織と人身売買、賭博の拡大を主導までした。見兼ねた父である先王によってこの国を追われた男だぞ。

この国の腐敗を招いた張本人だ」

「(テレビのザドクルム)民主主義を実現するため、王となることを決意した。私は、ここにいるハルネオ・スタルク氏ら経済団体とともにハイオネスク地域国の統一を強く支持する。

旧体制に固執する今の王政府に失望を禁じ得ない。今こそ、国民のためにしがみついた権力を手放すべきだ。固辞するならば、ここにいる我々が立ち上がらなくてはならない。国民よ一緒に新時代の扉を開けよう!」

「オーッ」と、歓声をあげる聴衆たち。

頭を抱えるハザルド。

「(キャスター)ハルネオ・スタルク氏の屋敷を暫定政府の拠点としたザドクルム・レオノール皇子は、演説で王宮の無血開城を訴えています。ラジオなどを通じてザドクルム氏の演説を耳にした国民たちは

王都内の各地でデモを起こしているとのことです」

テレビにはプラカードを持って叫ぶ男性たちや商店に火炎瓶を投げ込む若者たちの姿が映し出される。

「(キャプテン・バロック)果たして本当の国民はどのくらいいるのやら」


***

同・王都にある教会

入ってくる。火条アルテとレイラ・レオノールと護衛の柳生ロード。

ハザルドと顔を覆うようにターバンを巻いて日本刀を帯刀した護衛が待ち構える。

「お久しぶりです。ハザルド」

「お久しゅうございます。レイラ様。国を飛び出されたので、てっきりこの地は二度と踏まないものと思っておりましたよ」

「ラント皇子は息災ですか?」

「もちろん」

ロードは、ハザルドの護衛の人物と目が合う。その人物にただならぬ気配を感じ取り、警戒を強める。


***

教会の屋根の上で火条ツカサ、直江尊、天影台アカネの3人とキャプテン・バロック、そしてバロックと同じ仮面をつけたサヨと対峙する。

「よう! よく来たな高校生」

「(アカネ)海賊?」

「そうだ。俺が海賊ハウンドの船長キャプテン・バロックだ。お前たちとは安守のとこの神社でやりあって以来だな」

「(尊)ハウンド⁉︎」

「そして隣にいるお姉さんはプリンセス・マジーネ。俺の護衛だ。強いぞ」

警戒するツカサたち。


***

「はじめは信じがたかったがあなたは確かにアルテミア・グリティシア様だ。そのただならぬ腹黒さを漂わせた雰囲気。初めてお目にかかったときのままだ」

ハザルドはグリティシア王国の王宮で開かれた晩餐会に招待され、幼いアルテミアを見かけたときの情景を思い起こす。

アルテは髪をかきあげて「フン、そうかしら」と、不遜な態度で長椅子に座る。

間をおいて「え?」と、ハザルドの言葉に引っかかる。

「(レイラ)それでは始めましょうか」

「(ハザルド)始めましょう」

「ちょ、ちょっと待って⁉︎」

「(レイラ)あの子にはまだ早すぎます」

「(ハザルド)ラント様は国王が認めるほどの神童だ。問題はない」

「問題はあなたにあります。この国は腐敗しきっています。それを10歳の子に背負わせ、あなたが主導する。それではラントが歴史に愚王としてその名を刻まれてしまいます」

「私もずいぶんと嫌われたものですな」

「あなたは責任をとる必要があります。私を国王としてつかえて、私と一緒にこの国を立て直して頂きます。茨の道です。贖罪には重すぎるくらいでしょう」

「レイラ様は、この国をどうなさりたい?」

「私はハイオネスク地域国の統一に賛成です。ですが経済団体が主導する合併には反対です。ハイオネスク地域の6カ国の首脳による議会を作り、話し合いでハイオネスクの国を良くしていきます。

議長は星帝にやって頂く」

あざ笑うハザルド。

「あなたは何もわかっていなさすぎる。なぜ、この国が経済的困難を抱えてもなお軍事力強化に努めるのか?なぜ、この国がハイオネスク地域の統一を拒むのか? なぜ、この国が国際政府の介入を快く思わないのか?

それは"地球の記憶"を守るため。経済団体も国際政府もこの国にある"地球の記憶"を手に入れるため、口実として合併を進めようとしている。"地球の記憶"は決して悪意あるものの手に渡ってはならない。

この国、いや、この国の王は神より世界中を敵にまわしてまでも"地球の記憶"を守れと託されているのだ。だから国民を犠牲にしてまでも守りぬかなくてはならない!」

「(レイラ)⋯⋯」

「(アルテ)地球の記憶って⁉︎⋯⋯」

「(ハザルド)ましてや、"地球の記憶"に共鳴する救世の巫女たちがここにいる状況。あまりにも好ましくない」


***

教会の屋根の上

「お前たち、郊外にある研究所に行ったんだろ?」

「(尊)なぜそれを?」

「何か見つかったか?」

「(ツカサ)何もない。もぬけの殻だ!」

「(笑って)あるわけねぇよな。俺たちがしっかり片付けさせてもらったもんな。なぁお前たち、あの研究所で何の研究が行われていたか分かるか?」

「(ツカサ)は?」

「ゼロノイドだ」

尊とアカネは口を揃えて「ゼロノイド⁉︎」と、驚く

ツカサは、木田と闘った時のことを思い起こす。


***

回想

「(木田)人間だ?ハハハ、笑わせるな!あの学校の生徒たち全員、計画によって人工的に生み出されたゼロノイド。もとより人間じゃない!抜神攘夷の下、排したまでだ」

闘うクライスゾーン=木田春馬とゼロノイドに覚醒したツカサ。


***

「あの研究所は、かつて悪魔と称された天才科学者が使っていたものだ。その科学者と研究員たちは日夜研究に明け暮れた。人間の細胞に様々なタイプの悪魔と神のDNAを掛け合わせた。

はじめは、ヒューマンタイプにならない、自我が保てない、細胞の異常で1時間異常生命を維持できない、苦労の連続だった。金もずいぶんと掛かった。この国の大量破壊兵器開発に協力するかわりに

多額の国費を投入して貰った。国が傾くほどにな」

「(尊)バケモノの開発がこの国で行われていたのか⁉︎」

「(アカネ)尊ッ!」

しまったという顔をする尊。

「気をつけた方がいいぜ。その天才科学者が国に協力して開発した兵器は核兵器を超える代物ばかりだ。そんなのがこの国にゴロゴロしている。

天才科学者はマッドサイエンティストとして名を馳せ、違法な研究を繰り返しては生命を弄んだ。あげく祖国日本を追われレオノールへやって来た」


***

「レイラ様、"地球の記憶"ではなく、民を優先するのであれば、あなたはこの国の王にふさわしくない。私はかねてよりあなたが皇室にいることを認めることができなかった」

「どうしてハザルドは私を遠ざけようとなさるのですか?」

「そなたの父上だ! 先代国王の娘であり国王の妹であるそなたの母君は先代国王と私の反対を押し切り未婚の母としてそなたを生んだ。国際政府が父上の正体を知ればおもしろくは思わん」

「父上のことを知っているのですか?」

「ああ」

「どのようなお方なのですか?」

「言わん! 口にするのもはばかれるそんな存在だ」


***

教会の屋根の上

「嫌がるレオノールの若者に無理矢理ゼロノイド細胞を注入しては失敗。殺処分を繰り返した」

目隠しをされベッドに縛り付け付けられている若い男性や女性たち。必死に暴れて抵抗しているが白衣を来た研究員によって腕に注射を打たれる。

そのまま絶命する者もいれば、モンスター化して銃殺される者もいる。

「そんなことが行われていたのがあの研究所だ。なぁ、お前たちこれを拾わなかったか?」

キャプテン・バロックは一枚の写真を取り出す。

その写真はツカサたちが研究所で拾った音白リイサ(おとしらりいさ)が写ったものと同じ写真。

「天才科学者は、悲鳴をあげ助けてくれと叫ぶ青年たちの声になんとも思わなかったんだろうな。命をかき消される断末魔の叫びに心を痛めるどころか快楽を感じていた⋯⋯」



***

「アルテミア様は国を失ってからどう過ごされていたのですかな?」

「スメラギ国に身を寄せて、結婚という形で国籍を取得してから火条アルテと名乗っていました」

ハザルドは目を見開いて「火条⁉︎」と、驚く。


***

教会の屋根の上

拾った写真では欠けていて見れなかったもう1人の人物がキャプテン・バロックの持つ写真にはしっかり写っている。

その人物はツカサと瓜二つの容姿をしている。

「そうだろ⋯⋯"火条ツカサ"博士」

「⁉︎」と、目を見開くツカサ。


つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ