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ミニヨンウォーズ 教室の皇女と高校生ヒーローの3人  作者: ドットオー
第1章生活安全部編
14/52

第14話「守り抜け!我が学園」

キサヒメ学園 4Fの教室


ギャングたちによって校舎が包囲されたことで、騒然となる教室。

窓外の様子を伺う月代サヨとウルヴァ。

そこに直江尊と天影乃アカネがやってくる。

「尊君、入って来れたのね」

「ああ、地下基地のアビリティマシン射出口付近からなんとか。それよりサヨ先生、生徒全員を地下基地に避難させて下さい。

ここは、俺一人で奴らを片付けます。アーマードギアならやれます」

「アーマードギアでも、この数はしんどいぞ。見たまえ後方にプロトギア部隊が確認できる」

ウルヴァが、見つめる先に10体のプロトギアとルークの姿がある。

「問題ありません。俺がなんとかします」

「尊、孤軍奮闘とは見上げた覚悟だが、戦略としては最低だ」と、突然男の声が尊の背中にぶつけられる。

尊は振り返ると「司令!」と、驚く。

尊の養父にして上官の直江カネツグが現れる。

「んなもんは破れかぶれの奴がするもんだ。だけどお前らはまだ違う。戦える、勝つために手段を選ぶな」

「ですが司令、無下に戦えば学園の生徒に危害がおよびます」

「勝てばいいだけの話だ。そうなれば、誰にも危害はない」

カネツグは、ウルヴァの顔を見やる。

「老いたな。戦えない生徒を連れて安全なところに避難してくれ用意してあるんだろ?」

「ああ」

「この教室を司令室に俺が必要な指示を出す。戦える生徒には、俺が指示する地点に机や椅子を使ってバリケードを作らせる

尊、お前は奴ら全員をこの校舎の中に誘い入れろ。そしたら校舎ごと爆破だ。一網打尽これに尽きる」

言葉を失う尊たち。

カネツグはフっと笑って「なんてな。これは最終手段だ、俺に使わせるなよ」

「はい!」


***

あちこちの廊下や階段に机を積み重ねてバリケードを作る生徒たち。


***

尊は、カネツグの前にキサヒメ学園の敷地内地図を広げる。

「司令、我々の手勢は野球部、バスケ部、ラグビー部、弓道部、我々生活安全部を含めた17の部活と生徒会です」

「おもしれぇ部隊じゃねぇか。これなら充分以上に戦える」と、カネツグはニヤリとする。

「尊、まずはお前の戦いをして来い。何か考えがあるんだろ」

「はッ!」


***

スメラギ国国会議事堂 本会議場


グールド・グレモリーによって提出された内閣不信任案の決議の時間が近付いている。

続々と入ってくる、スメラギ国の国会議員たち。

「パフォーマンス、パフォーマンス」と、内閣総理大臣席から議場を見下ろす、安守公彦総理。


***

廃工場


拳と拳をぶつけ合い凄まじいスピードで動きながら戦うクライシスゾーン=木田春馬とゼロノイドに覚醒したファイヤーアーマー=火条ツカサ。

ファイヤーアーマーの攻撃に押され始めるクライシスゾーン。

木田の渾身のパンチを片手で受け止めたファイヤーアーマーは「感覚が研ぎ澄まされる。思考もクリアだ。これなら成績が上がる」

と、そのままクライシスゾーンの拳を掴んで投げとばす。

「ふざけるな!」と、素早く態勢を整えてファイヤーアーマーに反撃をする。

だが、クライシスゾーンの攻撃はことごとくファイヤーアーマーに受け止められる。

マスクの下の木田の表情に焦りが出てくる。

「あの日のこと、決して許しはしない」

「お前こそ私怨にとらわれているじゃないか、お前もあのイカれたお姫様とかわらない」

「たくさんの人間を殺したんだ。怨まれて当然だ」

「人間だ?ハハハ、笑わせるな!あの学校の生徒たち全員、計画によって人工的に生み出されたゼロノイド。もとより人間じゃない!抜神攘夷の下、排したまでだ」

と、高笑いをあげるクライシスゾーン。


***

回想

燃え盛る炎の中、瓦礫の下敷きになるリイサの前に対峙する木田とツカサ、そして2人の間にプロトファイヤーアーマーの姿がある。

プロトファイヤーアーマーはツカサの方に振り向く。


***

「うおおお!」と、ファイヤーアーマーの渾身の一撃がクライシスゾーンの顔面を捉える。

そのまま光の速さで地面へと叩きつけられるクライシスゾーン。

ファイヤーアーマーは荒い息を整えながらゼロノイド覚醒状態から元に戻る。

土煙が晴れると変身が解除された木田が大の字で倒れている。

そこへ桐川トウカの声で「いつまでやっている。お前は目的を忘れたのか?」と大型ロボット=ZX-O(ゼクス-オー)が上空から降りてくる。

木田は目を開けて「人使いの荒い奴らばかりだと」、起き上がってすぐさまZX-O(ゼクス-オー)に乗り込む。

「まだ、暴れたりねぇんだ!来いよ化物!」コックピットの木田はレバーを引く。

ファイヤーアーマーは「救援合体!」と、叫んでファイヤーグリフォンの姿になってZX-Oと対峙する。


***

キサヒメ学園理事長室


フェリス・グレモリーは、外の騒ぎなど無いかのように机に向かって淡々と業務を続けている。

「理事長、そろそろ外の方なんとかして頂けませんか?」と、尊が入ってくる。その手には拳銃。

「直江君、今忙しいから出て行きなさい」

「教えて下さい。あなたのお兄さんは何が目的なんですか?」

「知らないわ」

フェリスに銃口を向け拳銃を構える尊。

「答えられないなら、あんたも敵とみなしここで始末する」

「私に危害を加えるとタダではすまなくてよ」

尊の背後の方には剣を持った箔馬騎士が立っている。

「答えて下さい」

「分からないわよ! あの人が私の兄になったときから!ずっと遠くを見ている。私なんか見えてない、今日のことであの人の考えていることがさらに分からなくなった」

尊は、拳銃を胸元にしまい、箔馬の肩をポンと、叩く。

「この人は、俺たちの総大将だ。お前がしっかり守ってやれ」

「もちろん。それが僕の役目ですので」

理事長室を後にする尊。

フェリスは、深いため息をついて過去を思い返す。


***

フェリスがまだ名門学園の小等部だったころ、父アール・グレモリーが今日から"私の秘書だ"とグールドを引き合わせる。


***

「マサユキよ。お前に私から命がある」

「なんでしょう?お嬢様」

フェリスは、顔を赤くして「保科マサユキ!お前は私の夫となり、グレモリー家を支えるのだ」

「お嬢様、私は家族としてお嬢様やお父上様を側でお守り致します」

「本当か?」と、満面の笑みのフェリス。

「はい」


***

数日後

アール・グレモリーはフェリスに告げる。

「フェリスよ。マサユキは今日からグールド・グレモリーと名のり私の後を継ぐ。

お前の兄だ。しっかり妹として支えるように」

言葉を失うフェリス。

「フェリス。これからよろしく頼むよ」


***

キサヒメ学園理事長室

「マサユキ…………」フェリスの目から涙が溢れる。


***


校舎に掛けられた時計の針を見つめてニヤリとするルーク。

「時間だ、行けー!」の掛け声でレッドワイズの構成員たちが一斉に

校舎へ攻めかかる。

「さぁ、高校生たち、僕の楽しい、楽しい人の殺し方授業のはじまりだよ。撲殺、刺殺、斬殺、絞殺、圧殺どれから教えてほしい?」


***


校舎に侵入した構成員たちは、先ず廊下を塞ぐバリケードに気づく。

「子供騙しが」と、構成員の一人が近づいて行くと、

「弓道部放て!」との尊の掛け声とともにバリケードの格子状の隙間からたくさんの矢が飛んでくる。

矢が命中した構成員たちは次々にその場に倒れる。

バリケードの反対側では、尊と3段打ちの態勢を取った弓道部員たちがいる。

「次の矢、準備!躊躇するな、矢の先端は相手に当たっても死なないように、手を加えてある。放て!」

倒れて行く構成員たちを確認しながら的確に指示を出す尊。

「当たっても死ぬことはないが、強力な睡眠薬で3日は眠ったままだ」

屈強な構成員の男は、倒れることなく「こんなもの!」と、足に刺さった矢を引き抜く。

だが、悲鳴をあげその場に倒れ悶え苦しみだす。

「ムダだ。矢には漆が塗ってある」


***

2Fに侵攻した構成員たちの前に再びバリケードが立ち塞がる。

今度は、ピッチャーマシンによるマシンガンのような速球が

構成員たちを襲って撤退を余儀無くされる。


***

情報を得た別部隊の構成員たちはバリケードを避けて侵攻を開始する。

これまでの苦戦が嘘のようにスムーズに3Fへと進む。

不思議なことに別々の方向から攻めてきたはずの部隊たちが4Fに上がる一つの階段に固まる。

構成員たちは、そんなことは気にもせず功名心に駆られて我先にと階段を駆け上がる。

4Fのターボファイターの合図で消火栓による放水攻撃が構成員たちに浴びせられ

将棋倒のように階段上でなだれ落ちていく。



***

2Fへ逃げて来た構成員たちは一つのバリケードの異変に気づく。

バリケードの反対側では「生徒会長まだ来ないよ」,「まずいよ」,「どうしたらいいの?」と、焦る生徒たち。

攻撃が無いと気づいた構成員たちは、ドスの聞いた声を上げながらバリケードを壊しはじめる。

怯える生徒たちーー

そこへ「ごめん、遅くなった」と、ターボファイターが駆けつける。

恐怖で尻をついて動けなくなっている生徒たちが凝視する先を見やると、

そこには、バリケードごと、構成員たちを凍り漬けにするアーマードギア=ブリザードゾーンの姿がある。

「ここは私に任せて次へ行って」

「あなた、まさか⁉︎」

「早く行きなさい!」

ターボファイターはブリザードゾーンに促され、その場を離れる。

ブリザードゾーンがバリケードの方に振り向くと、隙間から驚いた様子で立ち尽くすシュナイド・ロズベルの姿がある。

「クイーン…………」

「…………キング」

バリケードの隙間越しに顔を見合わせる二人。


***

キサヒメ学園地下秘密基地

ベンチに座って待つサヨとウルヴァ。

聞こえてくる衝撃音と振動に天井を見上げるサヨ。

心配するサヨにウルヴァはそっと声をかける。

「大丈夫。生徒たちなら守ってくれる」

涙を堪え頷くサヨ。


***

学園制圧の遅れにしびれを切らしたルークたちプロトギア部隊は昇降口に向かって

攻めかかってきている。

その昇降口前では馬上にてソードアーマーは未使用だった3番のブレイブカリバーモードを

装着して陣羽織を羽織った武者のような姿でプロトギア部隊を待つ。

ソードアーマーを視界に捉えたルークは狂気の笑みをこぼして「僕の獲物だー!」と叫び

ギアコマンダーをかざしてストームゾーンに変身する。

ソードアーマーも馬でプロトギア部隊の中に突進して、部隊を混乱させる。

2Fの窓から野球部、テニス部、ラグビー部、バスケ部などによってガソリン入りのボールが投げ付けられ次々に

プロトギア部隊に命中する。

そして火のついた矢をアーチェリー部が一斉に放つ。

火だるまとなるプロトギアたちは、悲鳴を上げのたうち回る。

防火仕様となっているアーマードギアだが、着慣れない彼らは、装着を外そうとパニックになる。

煙を吸い込んだと錯覚した装着者は意識をパタパタと倒れる。

馬から降りたソードアーマーは、大剣ブレイブカリバーを展開してストームゾーンに挑む。

ストームゾーンは、両手に小型の剣を持って素早い攻撃でソードアーマーに斬りかかる。

ブレイブカリバーの刃でストームゾーンの剣撃を防ぐのが精一杯のソードアーマー。

「どうしたの?そんな重たい剣じゃ、誤算だったんじゃないの」

「よくしゃべるガキは、一太刀で充分だ」

その瞬間、一閃がストームゾーンを切り裂く。

一瞬の間合いをついたソードアーマーが、ストームゾーンを倒した。


スメラギ国国会議事堂 本会議場


不信任案の趣旨弁明をする時間になってもグールドが姿を現さず、議場が騒然となる。

安守総理のところにスマホを持った秘書官が慌てて駆け寄る。

「これを」と、向けられた画面を覗くとグールドの動画が映し出されている。

同時に議場内にグールドの音声が流れる。

「議場にお集まりの皆さん、そして国民の皆さん。議場に足を運ぶことができず申し訳ございません。

私は安守内閣の不信任の理由として重大な事実を伝えなくてはなりません」


***

街頭の巨大モニターに映し出されるグールドの姿。

行き交う通行者たちは、足を止めグールドの演説に耳を傾ける。


「安守内閣,つまりスメラギ国政府は、国際政府並びに国際軍と連携して、地球に迫る巨大隕石の破壊を計画していました。

ですが、隕石を破壊するために建造されたスーパーレールガンは、先日謎のロボットの襲撃を受けて破壊されました。

衝突すれば、地球の約4分の1が消滅!スメラギ国政府は国民どころか世界中にこの危機を伝えず、避難指示も出さないまま

今日(こんにち)までに至ります」


***

街頭の巨大モニターの下で聞き入っていた通行者、そして本会議場の議員たちもグールドから告げられた事実にざわめき出す。


***

「そこで私は決意しました。私が駆るこのアビリティマシン"セデスネスカイザー"と救世の巫女アルテミア・グリティシアの力が宿る

この大いなる剣"ファルシオン"で私自らが政治家の責務として隕石を破壊して参ります」

セデスネスカイザーは、全長より倍くらい大きい巨大な剣の柄部分に右手と右足で掴まった状態である。

刀身は無く、鍔の部分取り付けられた宝石のような装飾の中に祈りのポーズをした、火条アルテの姿が確認できる。


***

戦うZX-Oとファイヤーグリフォン。

ファイヤーグリフォンは、グリフォンソードを振り回すも、ZX-Oに擦りもしない。

「クソッ!」と、焦りを滲ませる。

「どうした、どうした、お前の攻撃は全て読めるぞ」

ZX-Oの2丁の銃型武器から放たれる銃撃が全てファイヤーグリフォンの全身に被弾身動きが取れなくなる。


***

「このファルシオンは、救世の巫女の力が解放したとき、1000mに及ぶ巨大なエネルギーの刃が現れ隕石を切り裂くことができます。まさしく救世の巫女の力が世界を救うのです。我々はこれより命を懸け宇宙へ!」

ファルシオンから炎が上がりゆっくりと地上を離れ、セデスネスカイザーを連れ飛び立つ。


***

スメラギ国国会議事堂 本会議場


怒りを露わにする安守総理に秘書官が報告を続ける。

「総理、どうやら野党だけで無く、わが党の中からも賛成に回るものが出るとの情報が入っております」

「愚かな!すぐに便乗する野党のバカさはいつものことだが、我が党の連中は何を考えている!若さにほだされおって」


***

ファイヤーグリフォンは、全身の装甲にヒビが入り、関節部分の電気ケーブルは切れビリビリと放電した状態で片膝をついて身動きが取れないでいる。

「ク、クソッ!」

「これでとどめなぁ化物」と、ZX-Oがゆっくりと近づいてくる。

そのとき、爆撃がZX-Oに被弾する。

怯んだZX-Oは上空を見上げると両翼に大きなキャノン砲を備えた戦闘機が飛行している。

そして、その機体を追うようにAGX-Ⅱが飛んでくる。

「なんだアレは⁉︎」

「ツカサー!」と、叫ぶコックピットのラルフ。

そして「ツヴァイファイター、ドッキングアップデート!」と叫んで

キャノン砲を備えた戦闘機=ツヴァイファイターはAGX-Ⅱの背中に合体して両翼のキャノン砲はAGX-Ⅱの両肩に合体する。

「AGX-Ⅱツヴァイキャノン!!」

パワーアップしたAGX-Ⅱは悠然と大地に降り立つ。

「ツカサ、ここは僕に任せて早くアルテのところへ」

「だけどこれは俺の因縁だ」

「僕を信じて」

ハッとするファイヤーグリフォン。

「ツカサの因縁は僕たち生活安全部の因縁だ。もちろんアルテの因縁もね」

「わかった。任せたぞラルフ」

「おい、待て化物!」

飛び立つファイヤーグリフォン。

「ZX-O。ロールアウトしたてのツヴァイキャノンを試すには不足のない相手だ」

「貴様、よくも俺の楽しみの邪魔を!ぶっ壊してやる」と、飛びかかるZX-O。

AGX-Ⅱは素早く反応する。背中のツヴァイファイターがブースターパックの役割をして通常の倍の速度で移動。

そして「AGX-Ⅱ斬撃アクション!」を繰り出して、ZX-O左腕と右足を切り落とす。

身動きの取れなくなったZX-OにAGX-Ⅱツヴァイキャノンは2門のキャノン砲の咆哮を向ける。

エラー表示が溢れるコックピットで木田は脱出を試みるも装置が作動せず焦る。

キャノン砲の咆哮にエネルギーが集まり始める。

「ツヴァイキャノン発射!」

凄まじいエネルギーが放たれ木田はZX-Oごと光の中に消える。

その様子を離れた高台から見ていた桐川は「今後継続するラインナップはAGXシリーズに決定だ。

仲間の火力不足を補うための武装か、ラルフの発想がAGXシリーズを見事昇華した。

ZXシリーズの予測システムグローバルモニターはAGXシリーズへと引き継がせよう」


***

大気圏を突破して宇宙へと抜けたセデスネスカイザー。

「アルテミア、君の方は異常はないか?」

「はい。こちらは大丈夫です。急ぎましょう」

ブースターを全開にして一気に月を超えるまで進む。

「見えて来ました!」

迫り来る巨大隕石を視界に捉えたセデスネスカイザーとアルテ。

「ここならファルシオンの刃が届く。頼むぞアルテミア」

アルテは手を合わせ祈る。

アルテの全身が光に包まれファルシオンの刀身が発現する。

「我々が世界を変える」

そのとき、ファルシオンの起動が停止し、発現した刀身が消えてしまう。

「⁉︎どうして」と戸惑うアルテ。

そしてファルシオンが次第に氷はじめる。

「これは⁉︎」と、異変に気づいたセデスネスカイザーに通信が入る。

「ごきげんよう政治家さん、どうだい俺に足止めくらった気分は?」と、アルテのコックピットのモニターに

ブリザードゾーンの姿が映し出される。ファルシオン内部の心臓部を凍り付けにしている。

「貴様!クッ」

「あんたの思うようにはさせねぇ。あんたら政治家さんたちが造ったしばりにあらがうのが俺たちアウトローだからな」


***

回想

ブリザードゾーンから変身を解除した氷城冷菓は、シュナイドに駆け寄る。

「いなくなってしまってごめんなさい。事情は知ってる」

「クイーン、俺は」

「あの男からレッドワイズを取り戻して、これで私たちの目指してきたことを実現して」

と、冷菓は戸惑うシュナイドの手にギアコマンダーを預ける。

シュナイドは震える手でギアコマンダーを見つめる。

「ああ…………俺は必ず、俺たちを疎んできたこの社会を壊してみせる」


***

「このはぐれ者が!貴様のせいで世界が危機に」

「悪いな。世界を救うのは、あんたたち政治家じゃねぇ。俺たちはぐれ者だ!」

「愚かな」

「証明してやる。あんたのロボットごと凍らせてこのまま隕石と衝突させる」

「無い頭で考えてきたみたいだが、巻き添えを喰らうつもりはない」

「悪いな。こっちは脱出する手段は確保してある。あんたは死んで精々英雄にでもなってくれ。手ぐらい合わせてやるよ」

ブリザードゾーンは出力を上げ一気に氷の勢いを上げる。

「次だ!」と、ブリザードゾーンが振り返ると"ドス"と、腹部から鈍い音がする。

ブリザードゾーンの腹部には剣が奥深くまで突き刺さっている。

その剣を握るのはシルバルド。

シルバルドは剣を横に引き抜きブリザードゾーンは力無くその場に倒れる。

「申し訳ございません。アルテミア様の護衛でありながらこのような輩を見過ごしてしまいました。私の失態にございます」

「かまわん。それより次の客だ」

ファイヤーグリフォンがものすごい勢いでセデスネスカイザーに向かってくる。

「グリフォンソード!」

「ドラゴンソード」

2機は赤と紫の光となり縦横無尽にぶつかり合う。

「うおおおおおお!」

つばぜり合うセデスネスカイザーとファイヤーグリフォン。

ファイヤーグリフォンのボディの装甲が次第に剥がれ飛んでいく。

「グールドォォオー!」と、ファイヤーグリフォンは爆発。

吹き飛ばされるセデスネスカイザー。

そして爆発の光の中からライドファイヤーが飛び出して

セデスネスカイザーの腹部に突撃、浮遊するファルシオンにセデスネスカイザーを叩きつける。

「クッやってくれたな。私はもう動けん、地球を頼む」

「頼まれずとも俺たち生活安全部が地球を救うに決まっているだろ」

「救世の巫女を連れて行け」と、ファルシオンのアルテが入った宝石を剥がして

ライドファイヤーの手に託す。

「ツカサ、私…………」

「大丈夫だ。俺たちは生活安全部、仲間の問題や悩み、悲しみは生活安全部全員で解決する」

アルテの目に涙が溢れる。

「その前に隕石ぶっ壊して地球に帰らないとな」

「ツカサー!」との通信音声に振り返ると、AGX-Ⅱツヴァイキャノンとウィングライナーが向かってくる。


***

キサヒメ学園 地下秘密基地

「ウルヴァさん、あの子たち宇宙に行っちゃいましたね。どこまで行っちゃうんでしょうね」

サヨの肩にもたれかかるウルヴァ。

「ウルヴァさん?」

穏やかな表情で眠るウルヴァ。

「寝ちゃった。ウルヴァさんの育てたあの子たちならしっかりやってくれます」


***

AGX-Ⅱツヴァイキャノンが変形を開始する。

2門のキャノンが連結し一門になり、AGX-Ⅱ巨大なキャノン砲=グラビティキャノンに姿を変える。

「ファイヤーグリフォンの火力不足を補うために造ったけど、ここで役に立つとは」

ライドファイヤーがグラビティキャノンを担いだ状態でウィングライナーの上に乗る。

そしてグリップ部分をしっかりウィングライナーの上部に固定して

「ファイヤーグリフォンは無くなっちまったけどこれなら大丈夫だ」と、態勢を整える。

グラビティキャノンの標準を迫ってくる隕石に合わせ、ライドファイヤーはトリガーに手をかける。

「さすがにグラビティキャノンでもこの規模の隕石を完全に消滅させることは難しい。地球に影響を与える大きさの隕石が残らないといいんだけど」

「大丈夫だ。救世の巫女の力がある。なぁ、アルテ!」

「はい!」

ライドファイヤーはグラビティキャノンにアルテの入った宝石を付ける。

「行くぞ!」

アルテが手を合わせて、ライドファイヤー、グラビティキャノン、ウィングライナーが光に包まれる。


***

スメラギ国 国会議事堂 本会議場


手を合わせ祈る安守総理。

「頼むぞ、生活安全部」


***

セデスネスカイザーも生活安全部一同を見つめて祈る。

「頼んだぞ。生活安全部」

「今だ!」と、ライドファイヤーがトリガーを引いて強大なエネルギーがグラビティキャノンから放たれる。

エネルギーは隕石にぶつかり、宇宙は白い光に包まれる。


***

数日後

テレビや新聞紙にある文字が踊る。

"グールド内閣発足"














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