第13話「争いは日常のために」
スメラギ国 軍事施設 夜
静まり返る施設内で、突然、軍事車両などを格納する施設が次々に爆発。
赤い炎を上げ燃え盛る。
全身に赤いラインが入った大型ロボット=ZX-O(ゼクス-オー)が上空からバスターライフルを使って次々に砲撃を繰り返す。
ZX-Oは施設中央付近にある巨大なキャノン砲のような武器の存在を確認するとすぐさま、そのそばに着地する。
ZX-Oが近づくとそのキャノン砲は18mあるZX-Oの3倍近くの大きさであることが分かる。
ZX-Oを操縦する木田春馬は凶悪に満ちた笑顔を浮かべると「簡単なお仕事だ」と、キャノン砲の破壊を始める。
スメラギ国総理官邸 執務室
執務室の大きな扉が開いて直江尊が入って来ると
「来たか」と、安守公彦総理が出迎える。
尊は、安守に促され応接用のソファの前まで進むと
「遅かったな」と、先にソファで待つ男に声を掛けられ驚く。
「司令⁉︎」
男は、国際軍第一特選部隊の司令にして尊の養父の直江カネツグ。
「お言葉ですが、これでも10分前到着です。司令が早すぎるのでは?」
「俺は、30分前行動が基本だ。いつになったら覚える」
「司令は、そろそろ気分で行動時間変えるのを改めて下さい。周りが迷惑です」
「悪かった」
「以前、同期が1日前からスタンばっていたことがありましたよ」
「そりゃあタダのバカだ」
「そろそろ話をはじめていいかな?」
「ハハハ、すまなかった総理。愚息との再会が嬉しくてついな。はじめてくれ」
「まあ、1日前からここに居座られていたのでお気持ちはお察し致します」
「おい!言うなよ」
尊はカネツグに呆れつつ、「そろそろ本題に入って下さい」と、安守に促す。
安守はテーブルの上に数枚の写真を広げて「では、さっそく先日のことだが我が国の軍事施設が所属不明の人型ロボットに襲撃を受けた」
と、ZX-Oが写る写真を指差す。
「このロボットの目的は、スーパーレールガン。見事に破壊された」
「何?ワルキューレの矢計画が失敗したということか?」
「そうだ。巨大隕石の接近が一週間前に迫っている。スーパーレールガンが無くては破壊は不可能だ」
「まずいな、世間に公表せず極秘裏に進めている計画だ。地球に衝突すれば、地球の約4分の1は消滅。
今さら避難も間に合わん。世間は大混乱に見舞われる。これはスメラギ国の科学力と国際軍の軍事力を結集させて行う国際政府最大の重要プロジェクト。
なぜもっと早く報告しなかった?」
「すまない。情報収集に時間が掛かった。しかも政権中枢にいた者の犯行となれば慎重にならざるおえない」
「なるほど、この計画を知る人物は限られる」
「まさか、亡くなった華僑院前総理の意思ということは?」と、尊が割って入る。
「それはない。隕石の衝突によってもたらされる終末はあのお方が望むものとは異なる」
「尊、そのつもりだったらスメラギ国が計画に参加するはずがない」
「確かに…………」
「はじめにこの機体を所属不明と話したが本当は目星がついている。これは桐川コーポレーションが開発した機体。
つまり、オーナーのグールド・グレモリーが何かよからぬことを企んでいるとみている」
「グールド・グレモリーが?華僑院は死んだのになぜ、このようなマネをする必要があるんだ?これじゃ終末計画を阻止した意味が」
「おそらく奴も、隕石の衝突は本意ではないはず。何か手立てがあっての行動だ。目的があるとすれば…………"総理の椅子"」
「終末計画を阻止した今、あの男が総理になる意味がない」
「大義があろうが無かろうが一度は座りたいと思うのが政治家だ。そこで頼みがある。君たち生活安全部にグールド・グレモリーの企みを阻止して貰いたい」
「俺たち生活安全部の活動を国は既に把握しているというのか?」
「もちろんだ。アビリティマシンとかいうロボットで街中を暴れてくれている上、はじまりの男ウルヴァが関与している。監視対象でないはずがない」
「断ればただじゃすまないと?」
「断ることができればな。君たちもこのまま地球に隕石を衝突させるわけにはいかないだろ?とにかくだ、グールドがどのような計画を企てているか見えないのが苦しいところだが頼む。
隕石の破壊も君たちが所持しているアビリティマシンの力に頼るしかない」
尊はしばらく考えてから「わかった。引き受ける」と返答する。
「安心した」と、尊の手を掴み握手する安守。
「こっちもこの国の総理になったのがあなたで安心した」
「お褒めに預かり光栄だ。引き続き化物の監視の方も頼む」
「火条…………ツカサ…………」
***
とある山中の建物
建物の外では複数台のパトカーが止まっていて、警官たちによって
"KEEP OUT"の規制線が張られている。
施設内のあちこちの壁に人が潜り抜けられるほどの大きな穴が空いていて
その周りには複数のイシュタルトの信徒たちが倒れている。
何かしらの研究が行われていたような痕跡のある一室を探索する、火条ツカサ、天影乃アカネ、火条アルテの姿がある。
アカネは「直江尊とラルフが忙しくて来れないからと、手伝いとして駆り出されたものの…………」と、数時間前のことを思い返す。
***
回想 キサヒメ学園 生活安全部部室
「あ"あ"あ"あ"あ"!」と、ノートパソコンの前で頭を抱え大きな悲鳴をあげるラルフ。
普段聞いたことのない彼の声量にツカサ、アルテ、月代サヨ、ウルヴァの一同が驚く。
「ど、どうしたのラルフくん」と、サヨが心配の声をかけると
「AGX-Ⅱのカスタムアップユニットの設計データが消失…………あと少しでレール部の強度を保ちつつ、スライダー部の薄型化形状が仕上がるとこだったのに」
と、難解な回答に慰めの言葉を消失するサヨ。
一緒に事件現場へ出動しようとしていたツカサたちもノートパソコンの前で爪を噛みながらぶつぶつと複雑な言語をつぶやく
ラルフの姿に狂気を感じ、そっと部室の戸を閉じる。
***
ツカサは、生徒会室前の廊下でアカネに「頼む」と、頭を下げて尊とラルフの不在による助っ人を頼み込む。
アルテが殺気立った視線を送る中、アカネは、頬を赤らめながら
「生徒会の仕事があって忙しいのだ。だ、だが生徒のた、頼みとあっては仕方ない引き受けてやる」と、快諾する。
***
とある山中の建物
「お前たちはいつもこんな凄惨な現場に遭遇するのか?」
「こんなのは初めてだ」
ツカサたちの目の前に意識無く血まみれで倒れているイシュタルトの信徒たち。
「まるで化物が暴れたようだな」
「ツカサ! あっちにも通路があるので行きましょう」と、不機嫌なアルテが移動を促す。
通路にも同じように信徒たちが倒れていて、壁には大量の血痕が付着している。
この光景を目の当たりにしたツカサは、血まみれで廊下に転がる中学生の男女たちの遺体の姿を重ねる。
痛そうに頭を押さえるツカサ。
「ツカサ、思い出しているのか?」
「ああ」
「こんなときにすまないが、父から聞いた話がある」
「校長が?」
「木田春馬が出所したらしい」
「⁉︎」
***
回想
燃え盛る炎の中、瓦礫の下敷きになる少女を引っ張り出そうとしている中学生時代のツカサ。
「ツカサ、私はもういいから逃げて」
「リイサを置いて行けるか!」
ツカサの背後に立つ人影、それに気づいたリイサ。
「ツカサ!」
ツカサは振り返ると、凶悪の笑みを浮かべた木田の姿がある。
***
とある山中の建物
顔に冷や汗が出るツカサ。
「どうしてあの男が…………」
「分からない。だが臆するなツカサ」
ツカサは、ハッと何かに気づいて倒れている信徒に駆け寄る。
信徒は小さな幼女で微かに意識がある。
「おい!しっかりしろ」と、声をかけるツカサ。
うなされているようだが呼吸がしっかりしていることに安心するツカサとアカネ。
***
市街の病院
集中治療室前の廊下のソファに座って幼女の治療が終わるのを待つツカサとアカネは
3年前の中学生時代のことを思い出す。
***
回想 ツカサとアカネが通った中学校
校舎裏の壁をよじ登って構内に侵入を試みるツカサ。
「また遅刻かツカサ」と、仁王立ちのアカネが待ち構えている。
「やべ!ここもバレたか」と、壁を飛び降りて逃げるツカサ。
「お前は何度遅刻を繰り返せば気が済むのだ!今日こそお前を父の前に引きづり出してやる」
「やめろ!校長恐いんだよ」
走り回る2人を3階の窓から眺めている、リイサ。
「懲りないのよね。ツカサ」
***
休み時間で、廊下は談笑する生徒たちで賑わっている。
そこに銃を持った男たちと木田が現れ銃を乱射する。
「いけ!ここにいる者たちは人ではない、化物だ。抜神攘夷の名の下殺せ!」
男たちは、躊躇すること無く銃で生徒たちを撃っていく。
そして、刀を持った男たちが逃げる生徒の背後から次々と斬りつけていく。
***
市街の病院
「不本意ながら私はあの時、ツカサの遅刻癖に救われた」
「そう思うなら遅刻ぐらい大目に見てくれよ。高校生になってもガミガミ」
「当たり前だ!お前のしつけはリイサに託されたと思っている」
「リイサ…………あいつを助けてやることができなかった。他の仲間たちも。学校なんて退屈でくだらない日常に飽き飽きしてたけど、奪われて
みると、尊いもんだって気付かされた」
「だから生活安全部か?」
「ああ。あの時俺を助けてくれたのは紛れもないヒーローだった」
***
回想
燃え盛る炎の中、瓦礫の下敷きになるリイサの前に対峙する木田とツカサ。
その間に突然現れる、黒いアーマードギア。その姿はファイヤーアーマーに酷似している。
***
「あの日からはじまってたんだな。お前のヒーローとしての戦いは」
「そうだ。はじめはウルヴァのおっちゃんからアーマードギアなんて貰ってはしゃいでいたけどな。生活安全部作るのにも苦労したぜ。お前に頼み込んでもなかなか許可くれなくて」
「当たり前だ。設立理由"ヒーローになる"で許可を出す生徒会長などいない」
「キサヒメ学園の生徒たちの日常は俺たちが守るそれが生活安全部。ヒーローの役目だ」
「行くのか?」
「ああ。戦ってくる」
***
未明の廃工場
見えない衝撃に弾き飛ばされるイシュタルトの信徒たち。
そして、壁を突き破ってまで叩きつけられる信徒。
駆けつける、ファイヤーアーマーとターボファイター=アカネ。
広い工場の施設内に激しい衝撃音が鳴り響いている。
「どこだ?」と、辺りをキョロキョロと確認するファイヤーアーマー。
そこへ先行して着いていた、ローズファリテが「こっちです」と、案内する。
案内され広い駐車場のようなスペースに抜けると、たくさんの信徒たちが意識無く倒れている。
「どうしてこんな…………」思わず口元覆うターボファイター。
ローズファリテが辺りを見回して確認していると光線が直撃する。
「アルテ!」
ファイヤーアーマーたちが光線が飛んで来た先を見やると、そこには病院に担ぎ込んだ信徒の幼女が
右手に魔法陣を展開して激しい憎悪の目をして立っている。
「この悪魔!よくも、仲間や父を!」と魔法陣から放つ光線を乱発する。
「あの子はどうして私たちを攻撃して来るのですか?」
ターボファイターが、素早く幼女の前にたち攻撃を制止させると、
「アルテ、もうよせ」と、ファイヤーアーマーは両腕のアーマーを展開させてローズファリテに向かって身構える。
「火条アルテ、ここまでだ」ターボファイターもローズファリテに向かって身構える。
「何をしているのです。ツカサ、アカネ、敵はあの子です」
「火条アルテ、貴様なんだろ?昼間の施設やここでも! 彼らをやったのは?」
「なぜだ、アルテ⁉︎」とファイヤーアーマーも問いかける。
「はじめて訪れたはずの施設の間取りになぜ貴様は詳しい?」
「何を仰っているのですアカネは⁉︎」
「答えろ!」
ローズファリテは、仲間に取り囲まれる状況に戸惑っていると
「もう華僑院は死んだ。これ以上彼らを攻撃する理由が無い」と、奥の方からソードアーマーがやって来る。
「尊⁉︎ ツカサ、アカネ、どうして…………私は仲間です!」
遠くから複数台のパトカーのサイレンの音が鳴り響いてくる。
「火条アルテ、お前を逮捕する。戸籍の偽造から何までこの国でお前を逮捕できる罪状はいくらでもある」
「待ってください!どうかしています。みなさんはイシュタルトに操られているのですか? 正気に戻って下さい!」
「どうかしているのは、お前だ!華僑院が死んで終末計画が遂行不可能となった今、イシュタルトと戦う必要も無い。お前がやっていることは私怨に囚われたただの復讐だ!」
「尊、何を言っているの!華僑院だけじゃない、グリティシアの多くの人々がイシュタルトによって傷ついた、だからすべてのイシュタルトは私が倒す!邪魔をしないで!」
「お前への復讐に燃えるあの子を見てみろ!皇女なら廻り続ける復讐の連鎖をお前が止めろ!」
アルテに憎悪の目を向ける信徒の幼女の姿。
「尊、グールドさんが約束してくれました。自分がスメラギ国の総理になったら、私を国主とする新生グリティシア王国建国の後ろ盾になると!私はグールドさんを総理にする必要があります。
そのためには、現政権を支える、イシュタルトや海賊、その他の既得権者を倒していかなくてならない。だから決めました、私たち生活安全部は、グールド・グレモリーさんの改革に付き従います!」
「アルテ!生活安全部は安守総理につくと決めた。グールドとは手切りだ!終末計画を阻止した今、グールドが総理になる必要が無くなった。それでも奴が総理を目指すというのなら、それは奴の野望だ。
俺たちは従わない!」
「愚かな尊、私は生活安全部部長です!生活安全部を行く先を決めるのは私です」
「悪いが生活安全部の仲間はお前の家来じゃない」
「何を⁉︎私はそんなつもりじゃ」
「さあ、行くぞ」と、ソードアーマーが攻撃態勢に入ると、ファイヤーアーマーがそれを制止して
ローズファリテの前に立つ。
「ツカサ!あなたはわかって頂けるのですね」
「生活安全部は、学園の生徒の日常を守るためにある。それは生徒が日常の中で関わるすべての人々が対象だ!だからあの子の日常も
俺たち生活安全部が守る。アルテ、俺が相手だ」
「ツカサまで、何を⁉︎」
その時、ファイヤーアーマーたちに爆撃が襲う。
朝日が昇り始めると共にそこにシルバルドとヴィダルファング、そして木田が現れる。
「よう、久しぶりだな化物」と、木田はファイヤーアーマーに狂気の笑みを向ける。
驚くファイヤーアーマーとターボファイター。同時に恐怖が2人の体を強張らせる。
一方のヴィダルファングは、ソードアーマーの姿を捉えるなり抜刀して襲い掛かる。
ヴィダルファングの素早い剣撃に防ぐ一方のソードアーマー。
「この太刀筋…………まさか!」と、ソードアーマーが怯んだ隙に、ヴィダルファングの重たい一撃が襲う。
そして凄まじい勢いで廃工場の建屋に叩きつけられ大きな土煙が上がる。
木田は、ギアコマンダーをかざして「変身」と、ギアコマンダーのスイッチを押すとアーマードギア=クライシスゾーンに変身する。
「行くぜ、化物」と、拳を握って速攻でファイヤーアーマーに襲い掛かる。
ファイヤーアーマーとクライシスゾーンの拳と拳がぶつかり、激しい衝撃が辺りに広がる。
そこからは互いに目に映らないスピードでぶつかり合う。
彼らの残していく衝撃音だけが彼らの位置を捉える唯一の手掛かりだ。
だが、スピードで上回るクライシスゾーンの拳がファイヤーアーマーの顔面を捉える。
ファイヤーアーマーは隕石が落下するように地面に叩きつけられる。
「そんなもんじゃねぇだろ化物!」
舞い上がる土煙の中に人影見え始める。
土煙が晴れると、頭部から肩にかけてのアーマーが砕けて吹き飛んだファイヤーアーマーの姿。
そしてツカサの瞳は青く染まり、髪は青白く逆立っている。
その姿にヴィダルファングは、橘ひまりの姿を重ね「超越者⁉︎」と、驚く。
クライシスゾーンは、変身を解除してヴィダルファングに駆け寄る。
「あんなものは、超越者なんかじゃないさ」
「なんだと?」
「あれはゼロノイド。人と神と悪魔のDNAを持つ、作られた化物。俺たち抜神攘夷派の大義を奪う存在。
人であろうが、神であろうが、悪魔であろうが、やがては理を超えた一つの存在に進化し世界を治めるとしたイカれた平和思想のもとに行われた研究。その成果だ。
だが、世界を治めるのは俺たち人間であり、神を超えた超越者だ」
木田は、瞳を赤く髪を白く変化させる。
瓦礫の中から這い出て来きた尊はツカサの姿に「化物が目覚めてしまった」と、愕然とする。
そこに「生活安全部諸君」とグールドが姿を現わす。
「アルテ君は我々と共にある。邪魔をするのはやめてもらおう」
「グールド」と、地面の砂利ごと拳を握り締める尊。
グールドは天を指差して「私は、これより救世の巫女の力を借りて世界を救済する」
「何をするつもりだ⁉︎」
「終末をもたらすとされた兵器で私が隕石を破壊し世界を救うことで
畏怖されて来た救済の巫女の伝説が塗り替えられる」
「そうよ。私はグールドさんと救世の巫女が世界に終わりを告げる恐ろしい存在でないことを証明してみるわ」
セデスネスカイザーがグールドとローズファリテの背後に上空から舞い降りてくる。
「さあ、行くとしよう」
グールドとローズファリテはセデスネスカイザーの手のひらに乗る。
「待て、アルテ!」
「木田、さっさと蹴りをつけろ」
「わかってるよ!」
木田は再びギアコマンダーをかざしてクライシスゾーンに変身する。
「お前たちよく聞け、お前らの学校、今頃すげぇ盛り上がってるぜ!」
尊のスマホにサヨから着信が入る。
***
キサヒメ学園 生活安全部部室
窓外の様子を見ながら電話を掛けるサヨ。
「尊君大変!学園がなんか包囲されてる」
校庭の辺りに人集りが出来ている。
ウルヴァは目を細めて「あれは…………レッドワイズ?」
***
スメラギ国総理官邸 執務室
秘書官が「総理大変です!」と、慌てて入って来る。
「グールド・グレモリーから内閣不信任案が提出されました!」
「なんだと⁉︎」
***
廃工場
「あと1時間でレッドワイズとかいうギャングどもがお前たちの学校を襲撃する。楽しく行こうぜ」と、高笑いを上げるクライシスゾーン。
その時、ツカサが目を見開くと同時に瞬時にクライシスゾーンの前に移動して腹にめり込むパンチを食らわせる。
クライシスゾーンはその衝撃で壁に叩きつけられる。
「尊、アカネ、行け!こいつは俺が倒す。お前たち学園とみんなの日常を守ってくれ」
尊は、「分かった」と、アカネと2人でその場を離れる。
「さあ、出て来いよ!お前は俺が倒す!」
瓦礫の中から飛び出して来るクライシスゾーン。
拳と拳がぶつかって2人の戦いが始まる。