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七日間の演技  作者: ティファナ
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虫取撫子

第7章



「国王陛下!門に警察の方が……お通ししますか?」慌てたゼクトが走ってきた。

要はレンスイの方をちらりと見る。レンスイはうなずいた。

「かまわないよ」と要。

「陛下、このような晴れの日に申し訳ございません。マリー様にお話がございまして」

「ああ、かまわない」要はあっさり許可を出す。

「何なのよ!あんた予言者?気持ち悪い子」

気持ち悪い子…何度も言われてきたから慣れた言葉のはずだ。なのにこの言葉だけは未だに慣れない。

「人に酔ったみたい。少し風に当たってます」レンスイはバルコニーな出て風にあたることにした。中で騒ぎが起きていたせいか誰もいない。まだ昼にもなってないというのに疲労感がある。

「人に酔ったのかい?今日のヒロインなのにパーティーから抜け出すなんて勿体無いよ」

バルコニーには要の幼馴染の伯爵がいた。

「クリス伯爵でしたよね?それと、今日のヒロインは国王陛下では?」

「上手いことを言うね。一杯どうだい?シャトー・ラフィット・ロートシルトは?」サラリとワインの名前をあげられてもよく分からない。

「高級ワインのことだよ」

「昼からですか…夜にしましょう。そろそろ行かないと国王陛下に連れ戻されるわ」レンスイはクリス伯爵と夜に飲む約束を取り付けてから要の所へ戻った。

「ん……もう大丈夫なのかい?」

「ええ」

レンスイは席に戻り、フルーツをまた食べ始める。

「夕方あたりにスピーチのようなのがあるが、昨日やったみたいにしてくれ。さて、踊るか」

「こんな時間から?ちょっと…」レンスイは要に手を引っ張られ、ホールの中心に連れて行かれた。

「国王陛下が踊るわ」「ええ」

「陛下、私は了承しておりません」彼はレンスイの訴えをも無視し、曲に合わせて踊り始める。レンスイは仕方なくリズムにのったが不服そうな顔をしている。

「他の奴に誘われてそいつの足でも踏んだらとんだ恥だからね」

「私が人の足を踏むことを前提として考えてるからだろ」

3曲ほど流れたところで要は踊るのをやめた。

「そういえば気になってたんだけど、これって婚約パーティーよね?式とは別?」

「今日の真夜中に行うよ。僕と君、父と神父ぐらいの簡単なものでいいだろ?」

「それがいいわ」大きな式だと多くの人が集まる。自分の知人が万が一いたら大変だ。

「クリスタル様、取材の方よろしいでしょうか?」記者だ。

「僕も同伴ならいいよ。ただし、彼女の過去のことについては詳しくは聞かないようにね」

レンスイと要は記者と少し離れたテーブルへ行った。




第7章 END

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