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七日間の演技  作者: ティファナ
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白いナデシコ

第5章



翌朝、レンスイは5時に起きた。鏡は既に届いていた。

「あっ、おはようございます」「おはよう」

10分ぐらい経ってからビージーは来た。レンスイが早いのか、ビージーが遅いのか…。

「申し訳ございません。遅かったですか?」

レンスイは首を横に振る。どうやらレンスイの起きるのが早いようだ。

「いいえ、私が早いだけ。さぁ、掃除でもしましょうか」

ビージーは目を点にしてレンスイを見た。レンスイは楽しそうに彼女の持ってきた掃除道具を見つめる。

「困ります。陛下にバレたら…」

「いいじゃない、バレたらなんとかするわよ」

要が朝食だと呼びに来たのは7時だった。

「…ビージー、お前が頼んだのか?」

「暇だったからだ私がやりだしたのよ。それより、言い忘れてたんだけどパソコン一台もらえる?仕事で使ってたやつ来る途中でエラーおきたみたいだから」

「分かった。天気が良いから庭で食べる。食べ終わったらレッスンだ」

昨日言っていたダンスのことだろうか?

「社交ダンスのブルースは知ってるだろ?」

「ブルーベリー?今日の朝食にヨーグルトがあるの?」

要はレンスイを見てため息をついている。レンスイは本当にダンスを知らないと分かったようだ。庭に用意された朝食は普通にパンとスープとサラダだった。ヨーグルトはなかった。

「お義父様は?」

「古文書の解読じゃないか?朝はあんまり見かけない」

要はレンスイが朝食を食べ終えるやすぐにホールに連れて行った。そこでパーティーは開かれるらしい。

「ゼクト、相手してやってくれ」

「はい、クイックとスローは分かりますか?」ゼクトに聞かれてレンスイは首を綺麗に横に振る。

「ブルースが踊れるようになればいいでしょうか?文化については完璧だと聞きましたが…。まぁ、まずは踵の高い靴にでも慣れましょうか」

レンスイはゼクトに渡された青いヒールを履く。

「わっ、もう少し低いのないのか?」

「ありません。クイックとスローについての説明をします。クイックとはスタンダード種目の一つでステップとしては4拍子で1拍目と2拍目にアクセントがあり、……スローとは……」

レンスイはゼクトの言ってることなど何も分からなかった。

「実際、踊ったほうがいいかもしれませんね。まずその靴で歩けますか?」

「んー、ゆっくりならなんとか」

「ほとんど上座で座っていますが、来賓の方々にご挨拶をしにまわることもありますし」

「挨拶ならできるけど……王様に呼び出されたこともあったし」

レンスイは自分の素性がバレない程度で話す。

「とにかく踊ってくれ。ブルースでいい」

踊り方すら知らないのに踊れとは不可能なことだ。要は痺れを切らし、レンスイの手を引っ張った。

「リードするから覚えてくれ」

彼はどこからどうみても焦っている。そんなにダンスが大事なのだろうか。

「多くの人の前で恥はかきたくないだろう?それに記者も来る」

「そういうこと、か。あなたが恥をかくことはあっても私はないと思うけど…」レンスイはぶつくさ言いながらも踊ることはやめなかった。

「記者って何の?」

「今回のは全ての階級に無料配布される新聞、次の日の朝刊と夕刊、あとは雑誌の記者ぐらいだろうな。安心しろ、この国と海の向こうにあるここと一番信頼関係にある国にしか配られない。いちおう踊れるな」

「一応とは失礼な!」まぁ、彼のリードは上手い。

「それより明日のパーティーはいつからやるの?」

「明日のご予定としては…8時からお客様方が見えますのでご挨拶を、皆が集まりしだい…目安としては10時頃に婚約発表を、今回は結婚式とも兼ねておりますゆえ丸一日はかかるのでは?あとは、………、………壇上での挨拶、ダンスなどなどです」ゼクトが手帳を見ながら言ってくるスケジュールは結構ハードだった。

「今日はこの後に、挨拶の練習、衣装決め、化粧決めがありますよ」

「笑顔で言われたら余計怖いんだけど」レンスイはため息をついた。

なんとかダンスの練習は終わり、挨拶の練習へとうつった。


(略………ここの間のところは番外編でも作るつもりです)


なんとか今日やるべきことが全て終わった…といっても終わったのは夜。完全に昼食は食べ逃した。

「おつかれさん」

「ったく、なんで今日一日で全部やらせるのかな」

レンスイの機嫌の悪さも食事を与えると大人しくなった。

「今日はもうゆっくり休んでくれ。明日倒れられたら困る」

「食べないの?」「昼に二人分食べたからな」

「そう、おやすみ」

30分後、レンスイは食べ終えるや自分の部屋へ戻った。

こうして演技の2日目が終わった。



第5章 END



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