表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七日間の演技  作者: ティファナ
1/14

宿根アマ

登場人物

レンスイ・クリスタル(本名クリスティナ)

予知を視れる セレス王国、王家の隠し娘


要( カナメ)・ラオス

レンスイの国の敵国、ノグレー国の王


ゼクト

王専属の執事


ビージー

レンスイの世話係となる


カナメの父親

ノグレー国の元王



『七日間の演技』


第一章

20XX年の夏、私は家を出た。

毎日親の言うとおりに過ごしてきたがもうこれまでだろう。あれ以上、自分の未来を決められるのが嫌だった。

クリスティナはセレス王国の第一王女…ただ、その存在は誰も知らない。王に娘がいると言うことも民には知らされていなかった。なぜなら、クリスティナには予知を視るという力があったからだ。普通なら逆に敬われてもいいはずなのだが、どういうわけか存在を隠されてしまった。

セレス王国からここ、ノグレー国西まで馬車で10日。自分は今、敵国に来ている。誰もレンスイが敵国の王女など知るはずもないためラッキーだ。2つの山を遠回りして越えて来たため、少し時間がかかってしまった。

「すみません、エレバー通りに行きたいのですが」クリスティナは綺麗に外国語を話す。

セレス王国とノグレー国の人の顔は似ているため、語学さえマスターすれば家出には打ってつけの場所だ。

「お前、この方を誰だと…」

「いいよゼクト。歩くとなるとここからは少し遠いけど、よかったら乗ってく?ちょうど用があって行くんだ」

若い男性…第一印象はそんなところだった。怪しそうでも無かったし何しろ彼の周りには護衛が何人もいたので、好意に甘えることにした。

「君は旅行者か何か?」

「よく分かったわね。訛ってたかしら?」

自分では上手く話せてるつもりだったのだが違ったのだろうか。

「まさか。君の言葉は完璧だったよ。ただ、僕を知らないようだから」

成る程…言われてみればこの国の現代など何も知らない。セレス王国にはノグレー国の情報は何も入ってこないからだ。

「名前は?」「レンスイ・クリスタルよ」

クリスティナは偽名を名乗る。レンスイの名は、仕事上の名だ。仮に彼がセレス王国について知らないとしても、本名を教えるのは危険だ。この国はもしかしたら外国の新聞も取り入れてるかもしれない。相手は色々聞いてきたが全て無視した。答える必要などないからだ。車で1時間、エレバー通りに着いた。

「礼を言う、助かったわ」

「どういたしまして。この辺りなのかい?」

「エレバー通り2-35」

「僕らは2-34だから、途中までで悪いね。帰りの車はいるかい?」

「いいえ、結構よ」

レンスイは車から出て2-35へ向かう。

着いた、と思ったとき顔に出たのは驚きの表情だった。そこには壊れかけの家が一軒、草花は枯れており人が住んでなさそうだ。

「ここに、老人が住んでませんでしたか?」レンスイは仕方なしに尋ねる

「ああ。半年ぐれえ前だったかな亡くなったんだ。身寄りがないお方でなぁお可哀想に」

ここには、レンスイの母方の伯母が住んでいるはずだった。そんなに前に亡くなってしまってたとは……。しばらく伯母のところにかくまってもらうつもりだっのだが、そうもいかなくなってしまった。

「あれ。レンスイだよね」さっきの男だ。

「先程はどうも。あなた方は何をしにここに来てたのかしら」

「剣の調整だよ。ここに腕の良い職人がいてね。王都から来たんだ。何かあった?」

「話しても無駄だと思うけれども…家出中で、隠れとこうと思っていた伯母が半年前に亡くなってたのよ。それでは、今から宿探しなので」

レンスイは話した時間損したと思い急ぐ。

「待って。君、この国の人では無いんだよね?それに、家出中……」「だから何かしら」

彼の口元が笑った気がした。

「僕の妻となってくれないか?」

彼の口からその言葉を聞いた瞬間、驚きで思考が数秒止まった……。



一章END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ