踏切リフレイン。
照り付ける太陽。
降り注ぐ蝉時雨。
見上げた入道雲。
鮮やかな夏の日。
あの溶けるような暑い日は。
どこかで踏切が鳴っていた。
カンカンカンカンカンカン。
あの夏から踏切がよく聞こえる。
うんざりと呟く。
「踏切がうるさいの」
「え、踏切なんて聞こえないよ?」
困惑した言葉にやっと気がついた。
私だけに聞こえる踏切。
私だけの警告音。
あの日から私は踏切を渡れない。
踏切が鳴っているから、渡れない。
だから、渡った先に何があるのか。
それを私は知らない。
私は何を渡ろうとしてた?
死線を。渡ろうとしてた?
カンカンカンカンカンカン。
踏切が聞こえる。
あの溶けるような暑い日と同じ音で。
――――――踏切リフレイン。