80話 混ざった情報
結局こうなるのかよ。
機嫌が悪いタマと欠伸をするド畜生太郎先輩を引き連れ、暗くなった学園内を歩く。
「とにかく先輩は魔力探知しまくってください」
「はーい」
「タマはナイフがすぐに出せるように警戒してくれ」
「分かってるわよ」
つっても2人とも気がついた頃には血溜まりになってる可能性が高いので、気休めにしかならないけどな。
特に話すこともないので、とりあえず情報を聞くことにした。
「今回の事件、七不思議の沈む床が原因だろ?」
「そうね」
「なら生還者がいるんじゃないか?」
怪異として学園内に広まっているなら、広めた人間がいるはずだ。しかし今朝の話だと全滅しているようにしか聞こえない。
もし生存者を逃がしているのなら隠蔽もクソもないんじゃないのか?
「…多分、いないわ」
「なんだよ多分って。この事件隠蔽したいんじゃないのかよ」
「まず、その怪異の説明をさせて」
「お、おう」
タマは一瞬視線を逸らした後、気まずそうに話始めた。
「元々は、血痕の数だけ行方不明者が出るっていう内容の事件だったの。
この事件がこのまま起き続ければいつか学園が閉鎖されて、革命軍の団員が本拠地に集結しづらくなってしまう。
いくら本拠地が魔法塔にあるとはいえ、事件で死亡者が出ている土地に、事件の調査員以外が出入りするのは不自然だもの。
そこで革命軍は事件を密かに解決するため、チームを組んで捜索をしたところ…1人を残して血痕だけになったの。
その生き残りの証言から、怪異は『沈む床』と名付けられたわ。ちなみに怪異として沈む床のことを言いふらしたのはコン太郎よ。
そしてその、生存者なんだけど…」
タマが言うか迷っている所にド畜生太郎先輩はボソリと呟くように言葉をこぼした。
「サリエルなんだよね」
あのバカ鳥かい!
「彼女いわく、床に沈んだ影響で激しい嘔気に苦しんでいるうちに皆消えたそうよ」
「実質的に魔力を無限に使える例外ですらそんなダメージ受けんのか。そりゃ生存者いない前提で話進むわ」
どうりでこのメンツでアイツが省かれたわけだ。いても戦えないことが確定してる以上、うざったいお荷物でしかない。
「ちなみに学園に七不思議として噂を流した理由は、もし隠蔽が出来なかった場合、七不思議を模した連続殺人事件として処理するためよ」
「なるほどな!それで騎士団にもギルドにも頼めないのな!」
やっと理解できたわ。状況的に騎士団に通報するのは反乱軍側的にも学園側的にもありえない。
ギルドに頼むと絶対に金搾り取られる。
情報操作系の任務は特に難しい分、ぼったくろうとしてくるからな。
ただでさえ大した情報もない怪異の片付けさせるだけでも金使うのに。そういった隠蔽や口裏合わせ、この一連の出来事を極秘にする契約まで行うとなると、下手すれば国家予算並に資金が必要となる。
流石に依頼出来ないと判断したんだな。
そしてあの三人組を使おう!ったなったと。クソッタレともめ。




