7話 回想終了
このような経緯でプロローグ通りの言葉を投げかけられた。この第一学園に来てから2日目でこれだ。かなり前から騎士団内部の情報は漏れていたと考えていいのかもしれない。
「入団拒否できませんか?」
「したら殺す」
ダメ元で言った言葉に対し、明確な殺意が先輩から返ってきた。さっきまで楽しくお酒飲んでた仲なのに。怖。
「どうやって殺すんですか?俺攻撃効かないけど」
なんなら殺せないと分かったから勧誘してきたのかと思ってたんだけど。そう相手を試すような言葉を言うと、金髪の青年は表情をにっこりとさせた。
「酔っ払うならアルコールとか毒は効くんでしょ?他にも窒息させるとか色々試してたらいつかは死ぬんじゃない?」
「ん〜バレてる〜」
「シンクルド。私は反乱軍の情報を騎士団に渡さないなら、あなたやニホに危害を加えるつもりはないの」
今まで黙って聞いていたタマがついに会話に入ってきた。危害を加えるつもりはないって...さっきまで汽車でひき殺そうとしてた集団に属してるくせに何言ってんだよ。
「テロ活動に参加させるつもりもないわ」
「じゃあなんで俺をわざわざ入団させるんだよ」
「その方が私たちにとって都合がいいからよ」
「意味が分からん...!もう勘弁してくれよ!」
「個人的には早く騎士団を裏切った方がいいと思うわ。敵の本拠地内部で敵に囲まれてるんだし」
何目線なんだよコイツ...感じ悪っ。ダルすぎるだろ。
まあ入団しないと死ぬまで拷問を受けさせられるのは目に見えているので入団届にサインをした。あばよ俺の社畜人生。こんにちは地獄。
こうして俺の二重スパイとしての生活が幕を開けたのだった。絶対にこの革命軍を壊滅させてやる!と心に決めるも、酔っ払いの脳みそではなんの案も出すことができない。
「...暴れないのね」
「俺装甲特化型だから大して攻撃力無いんだよね。複数人相手だと勝てないわ」
「ふーん。まあ、これからテロ犯としてもよろしくね」
「お前……絵に描いたような嫌な人だな」
「そんなのとっくに知ってるわよ」
タマは終始無表情だった。