76話 想像したくない
文の途中でこの小説をR15指定にした原因のグロい表現があります。
そういった内容が苦手な方はご注意下さい。
「生3つくださーい」
「先輩。ニホはまだ18歳ですよ」
「あ、そういえばそうだったね。シンクルドより大人びてるからド忘れしてた」
「ぶっ飛ばすぞ」
「ぼ、僕はリンゴジュース飲みたいです...」
「????」
ニホって居酒屋でフルーツのジュース頼むのかよ。金あるのか?いや、最近漫画がよく売れてるみたいだし、その影響で金銭感覚がバグり始めてるのか?
分かんねぇけど、どうせ反乱軍の経費で落とすだろうから気にしないことにした。
「こちら、生2つとリンゴジュースになります」
「センキュー。...さて、早速本題に入っていいか?」
「もっと酒飲んでシンクルドが狂ってからでもよくない?」
「なんもよくねぇよ。ちょ、店員さん。そんな目で見ないで?今日は暴れないから」
前回飲んだくれたときに巻き込んだ店員が真顔で俺の顔を見て来る。来るたびに醜態さらしてたまるか。
どうせニホがいる時点でド畜生太郎から反乱軍関連の話題は、さっさと七不思議の情報をしゃべらせて帰ろう。
「それで?何が聞きたい?」
「学園の七不思議について1から全部教えてくれ」
「そういう質問が一番困るんだけど」
「怪談の名前をもう一度全部教えてくれ」
「え?覚えてないの?」
「いいから!!」
1度聞いたきりだったんだから忘れたって仕方ないだろ。そんなことよりも早く本題に入ってくれ。
「ランタン引きずるテルテル坊主、血を吐く絵画、笑うポストの紳士、黒く染まるケサランパサラン、夢見るピアノ、沈む床、マジカル瞬足ババアだね」
「へぇ~。この学園の七不思議ってそんな感じなんですね!」
そういえばそんなインパクトあるワード祭りだったな。
「といっても怪異の数自体は毎年増えてるんだけどね」
「ええ!?どうして??」
「さぁ。少なくとも今出現してるのはランタン引きずるテルテル坊主と、沈む床と、マジカル瞬足ババアだけだよ」
「他のやつはもうなくなっちゃったんですね...」
「目撃証言が3年以上ないってだけで、死んだのかは分かんない。ぶっちゃけ黒く染まるケサランパサランとかはホコリかなんかの見間違いだって言われてるし」
「たしかに...?」
ニホがそう頭を傾げていたが、勝手にド畜生太郎先輩の隣の席に座っていた店員さんは納得したかのように頷いた。
「ただの噂とか、誰かが言ったほら話が広がった可能性もありそうですね」
「...俺もそんな気がしてきたわ」
なんでしれっと店員さんが会話に混ざっているのかはさておき、とりあえず目撃証言をした人からも事情聴取した方がよさそうだな。
でもまあ、そのレベルの情報収集はさすがにリーダーにぶん投げてもいいでしょ。俺は夏休み中の学園の夜間警備を任されただけだし。
「じゃあその今出現してる怪異について教えてくれ」
「んーとねぇ。
ランタン引きずるテルテル坊主は、怪異自体はどデカいテルテル坊主で、右手が足のように生えてて、指を曲げて器用に歩いてるらしい。
その怪異はなーんと!出会った人間の大腸の片側だけを出して、テルテル坊主の首紐部分に巻いて、まだ腸の片側がつながったままの人間をランタンのように光らせたまま光らなくなるまで引きずるっていう」
「ひい〜〜〜!!」
「待って!?内容がイマイチ想像できなかったけどエグすぎるから!」
予想以上にグロデスクな内容が出てきて変な声出た。学園側はそんなん放置してんの?バカか?
もう第一騎士団に通報していいだろ。
「私は…仕事に戻ります……」
「おい店員さん!逃げんな!」
「他2つもこんなグロいんですか?」
「いや?マジカル瞬足ババアは購買に置き忘れた荷物を全力疾走で取りに行ってる、会計のときのおばちゃん」
「さっきとの落差激しすぎるだろ」
7つともこんな笑い話?なテイストであってくれよ。
「残りのやつは?」
「待ってください。僕、心の準備が…!」
「沈む床は、夜中に歩いていると急に床に沈んで、気が付けば自分以外の人間が血溜まりになってるってやつだね」
「グロデスクてるてる坊主よりはグロくないけどアウトだろ。通報だ通報」
よく今まで☆学園の七不思議☆程度の噂で済ませてたな。




