75話 どこにでもいる狐
つってもアイツって何処にいるんだろう。そもそも今の時間帯に学園にいるんだろうか。
いつも向こうから話しかけてくることが多いから想像できない。
「とりあえず食堂と図書館辺り行くか?」
「そうですね」
もっともいる可能性が高い食堂と図書館に行ったが、残念ながら見つけられなかった。他にいそうな場所といえば反乱軍の本拠地か居酒屋ぐらいだけど…。
本拠地だったらニホを連れて行けないし、居酒屋はこの時間帯に行くとは思えないし。
ガチで何処にいるんだよ。クッソ。アイツがいないことで困る日が来るとは思わなかった。
「いつもちょうどいい時に来てくれますけど、いざ僕たちが探すと見つかりませんね……」
「…?確かに」
アイツは都合のいいときや何かあった時、すぐこちらに駆けつけてきた。ただ単に魔力探知の精度がいいからかもしれないが、それにしたって異常だ。
もしかしてあいつ、俺の監視を命じられてる日は意外と近くにいるんじゃね?それに魔力探知が異様にできるから、反乱軍の本拠地付近から離れすぎることは許可されないだろうし。
「ちょっと人気が少ない中庭に行っていいか?」
「え?はい」
頭を傾げるニホを連れ、あまり利用されていない中庭に移動した。周りに人がいないか念のため魔力探知で確認する。うん。誰もいない。
そして俺は大きく息を吸い、叫んだ。
「せんぱーい!!!この前行くって約束した居酒屋の」
「お、今日行く?」
「はっやいな」
予想以上に近くにいた。もしかして俺たちがド畜生太郎先輩を探そうと話してた時も聞いてたんじゃないか?
「すごい!どうしてここにいるってわかったんですか?」
「…よくよく思い出してみたら、ここでのエンカウント率が多いって気がついて」
近くで監視されてるかと思ったからだけど、それだと傍から見たらド畜生太郎先輩にストーカーされてるみたいで気色悪い。
適当にそれっぽいこと言って誤魔化そう。
「それでそれで?いつ行くの?」
「七不思議のことについて教えてくれるなら」
「じゃあ今日の夜、いつもの居酒屋で集合で」
「話が早すぎるだろ」
「ぼ、僕も行っていいですか?」
「いいよー。じゃあね!」
そう言質を取ったかと思うと、コン太郎先輩はどこかへと行ってしまった。
まるで嵐が過ぎ去ったかのようだった。
「まあいいか…」
今晩もド畜生太郎先輩の顔を拝まないといけないのは嫌だが、やっとまともな情報が手に入りそう。




